Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.12.12 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:はじめまして、御園座の黄泉の世界

エリザベート」観劇のため、初の御園座に行ってきました!


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帝劇以外で「エリザベート」を観るのは初めてで、御園座での観劇も初だったのでものすんんんごく楽しかったです。そして帝劇でやるはずだった、念願の古川トートマチソワも無事に出来て幸せすぎました〜!

 

御園座は、思ったよりもずっとこじんまりとした劇場でした。そもそもミュージカル向けに作られた劇場じゃないからかな…?(歌舞伎向けですよね?)外観から内装までとにかく赤一色で、なんだかおめでたい雰囲気でした。お手洗いまで真っ赤なのはさすがにビビったけど…。

 

上演前や休憩時間は客席での飲食OKのため、ロビーには軽食からがっつり系のお弁当まで売ってたのにはびっくり。せっかくだからと、御園座名物らしいアイス最中を開演前に予約購入して幕間に引き取って食べたんですが、これがとってもおいしかったです!


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キャパシティも、帝劇1,897席で御園座は1,299席。しかも御園座は元々ないオケピを作るため、客席を4列目までつぶしていたので5列目が最前列。ということで、実質入ってた人数としては1,100くらいなのでしょうか?

 

4列目までつぶれているとはいえ、舞台と客席の距離感も帝劇より近く感じました。マチネは6列目で実質2列目から観られたので、私黄泉の世界にいるわ…プロローグでとろろ昆布(違)かぶるべきだわ…ってなりました。

 

そんな近距離から観る「エリザベート」、ただでさえオペラグラス不要な上に、役者さんの表情がよく見えるがゆえに印象に残り、正直それぞれの歌がどうだったかほとんど覚えていないという始末です。ミュージカルなのにw

 

以下、感想メモです。

 

・この日のマチソワを両方観て私が勝手に感じたこと。この日はちゃぴシシィに花總さんの要素がちょっと入ってて、花總シシィにちゃぴさんの要素がちょっと入ってたように見えました。2人のシシィの特徴的なところが、お互いに取り入れられてる印象でした。

 

マチネのちゃぴシシィは、もちろんいつも通りパワフルでしたが、♪私が踊るとき♪の歌い方が、帝劇ではわりと全部「強!」だったのが、ところどころ花總シシィのような「柔」が混じった歌い方になっていて、それが逆にトートを挑発してるように聴こえたのが面白かったです。

 

・♪私だけに♪はシシィがひとりきりで決意するシーンですが、この日は客席に座ってる私たちにも自らの決意を共有してるような不思議な雰囲気でした。客席と舞台が近いからそう感じただけかもしれません(が、ソワレの花總シシィはあんまりそう感じなかったんですよね)

 

・今さら言うまでもないですが、ちゃぴさんの身体能力すごすぎません?♪愛と死の輪舞♪でトートに操られるちゃぴシシィをわりと間近で拝見しましたが、♪心に芽生えたこの想い〜♪の部分でゆーーーっくりくずおれるちゃぴさん、みんなトートばっか見てないでちゃぴさんも見て!?ってなりました(盛大なブーメラン発言)

 

・♪最後のダンス♪はちゃぴシシィと古川トート、両者の表情があまりにも迫真すぎて、一周回ってなんか面白かったです(?)ちゃぴシシィはトートに物理的ダメージを与えずに(?)トートを引き剥がそうとしたり、♪最後のダンスは俺のもの〜♪と言われると、首を必死に横に振って拒む意志を示すんですよね。抵抗の芝居が芝居に見えない必死さが好きです。

 

・♪最後のダンス♪冒頭、私の席の角度から観る「呆然とたたずむシシィと、その後ろに登場するトート」の構図がとっても素敵で、あの瞬間の舞台写真が欲しいです。

 

・古川トートの表情と芝居が面白い回でした(※個人感)特に相手の芝居を受けるリアクションが秀逸。受けの芝居が上手い人大好きマンなので、この回を観られて良かったです。

 

・♪最後のダンス♪、♪じっと待ち焦がれる〜〜〜うううううう♪の低音が伸びるようになったぶん、不気味さが増してるのと、伸ばしながら声をだんだん大きくするのが怖すぎました…。

 

・♪私が踊るとき♪は、いつも以上に緩急をつけて挑発してくるちゃぴシシィに対し、シシィの一言一句細かいところまで反応していた古川トート。

 

♪人形のように踊らされた私が♪でニヤァって笑ってるのに、♪自分の道を見つけた〜♪で笑顔がすっと引いて怒りの表情でシシィの方を振り向いていました。2番サビの♪一人舞うあなたの前で♪の後は、マントを右手でぎゅーっと握って悔しそうにもしてたり。

 

曲終わりにシシィが退場して客席からの拍手が止むのを待つ間、取り残されたトートが舞台下手側でたたずんでるんですが、一瞬ものすんごい表情してて。心底悔しそうで憤りのあまり今にも\キーーーーーッ/て叫びだしそうなお顔に見えました。

 

・体操室のシーン。ベッドに座るシシィの背後にトートが見える角度の席だったんですが

 

ちゃぴシシィ♪〜本当なら許せない♪

古川トート(背後からシシィを食べちゃいそうな表情( ゚д゚ )クワッ!!)

ちゃぴシシィ♪王宮から出てゆくわ〜♪

古川トート(「…(・д・)チッ…その程度のダメージか」な顔で客席に背を向ける)

私(今舌打ちしました???????)

ちゃぴシシィ「いいえ…命を絶ちます!」

古川トート\ヒャッハー/

私(背中で語ってるw)

 

・あと体操室の\待っていた!/で、古川トートのシャツの前がほぼ全開だったのはなんらかのサービスでしょうか(真顔)(ソワレは一応みぞおちまでは隠れてたので)

 

・♪闇が広がる(リプライズ)♪、甲斐ルドルフの顎をがばぁってつかんでて「え、怖っ!?」ってなりましたが、よく考えたらちゃぴシシィの扱い方と似てるんですよね。

 

ちなみにこの日のマチソワのハプスブルク親子の組み合わせが、個人的に1番しっくりきます。陽な両親(ちゃぴシシィ&しゅがーフランツ)の血を引く甲斐ルドルフと、繊細かつ神経質そうな両親(花總シシィと田代フランツ)の血を引く立石ルドルフ。

 

・カテコでしゅがーさんが古川さんの腰にスッ…っと手を添えると、古川さんもしゅがーさんの腰にスッ…って手を添えてて、シシィそっちのけでいちゃこらしてました。なんでやねん(真顔)2人しておんなじようなにこにこ笑顔で並んでてかわいすぎました。

 

・黒羽ルキーニは変わらず好調でしたが、珍しく♪退屈しのぎ♪で少しセリフが詰まってました。

 

なんとなく、彼の中で求める「ルキーニ」像を完璧に成立させようとするあまり、お芝居がややせわしないというか、慌ただしい印象を受けた回でもありました。いろいろ挑戦しようとすると逆につかみづらくなりそうな役ですよね…。

 

・かなり上手に寄った席だったからたまたま見えたのかもしれませんが、♪夜のボート♪終了後、シシィ退場と同時にルキーニがさもやる気なさそうに拍手しながら出るシーンで、黒羽ルキーニは舞台登場ぎりぎりまで客席と同じくらいの熱量で拍手していました。めっちゃくちゃいい人やん…。

 

・舞台に近い席だったため、いつもは目を向けられないラストのルキーニの自◯シーンも久々にちゃんと観られたんですが、黒羽ルキーニ、台から落っこちそうな勢いで首つってて思わずそっち見ちゃいました…(ソワレの上山ルキもなかなかの勢いでびっくり)

 

・甲斐ルドルフは、帝劇実質楽ほどの衝撃はなかったものの、同じくらいの熱量は感じました。相変わらず新陳代謝が抜群すぎて汗の蛇口全開にしとる!?ってくらいの汗。♪皇帝ルドルフは立ち上がる~~♪で拳振り上げそうになっていて、やっぱつよつよルドルフ&ちゃぴシシィの息子だよなぁ…。

 

・しゅがーさんフランツ、対・甲斐ルドルフだと余計浮き彫りになるなって思ったこと。フランツは表面的にはずっとゾフィーの言うことには従ってきて、ルドルフが親に向かって反抗してくる上に政治にまで口出ししてくるのが許せなくて、一方でそうできる彼に対する嫉妬心みたいなものも持ち合わせてるんじゃないかと感じました。

 

あと誰に対しても物事をはっきり言うのは、間違いなくシシィの性質ですし。自分にはない、愛する妻の資質を持ち合わせた息子………。

 

・香寿ゾフィー博多座では観られないのでこれが最後でした(涙)帝劇のときは深紅のネイルだったのが、御園座ではシルバーラメっぽくなってておしゃれー!

 

香寿ゾフィーはマダム・ヴォルフの娼館とか、そういう下世話なものに対する嫌悪感みたいなものを一番感じたかもしれません。ちなみに剣ゾフィーは嫌悪感こそないけれど、あんまり踏み込みたくない感じ。涼風ゾフィーは完全に面白がってる。笑

 

・井伊少年ルドルフの♪ママ、何処なの?♪、マイクに雑音入りまくっててめちゃくちゃ歌いづらそうでした…。

 

ガブローシュ役でも観てたから余計そう思うのかもしれませんが、レミゼであれだけたくましいキャラだったのに、ルドルフはちゃんと寂しそうな少年に見えるの、あの年齢ですでにきちんと演じ分けできてることに感動してしまいました。まだ幼いのに素敵な役者さんだなぁ。

 

・間近で見たらトートダンサーズがとっても魅力的なことに気づいてしまった件。今まで全然目を向けられてなかったんですが、あの近さで観たらさすがに目に入ってきたので…

 

踊りがうまいのは当たり前として、皆さん指先や表情の表現がめちゃくちゃ細かい…!♪最後のダンス♪のトートの歌い出しからサビ前まで、指先だけうねうね動いてるの初めて気づきました。カテコでは乾さんと岡崎さんが必ずハイタッチしてるのがかわいかったです!

2022.11.24 海宝直人コンサート『Home My Home 2022』:またいつか来てください♪


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<セットリスト>

♪Overture

♪I’m Alive(「Next to Normal」より)

♪コンパス・オブ・ユア・ハート(東京ディズニーシー シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジより)

♪Almost There(「プリンセスと魔法のキス」より)

♪リフレクション(「ムーラン」より)

♪流星群(鬼束ちひろ

♪猫(DISH//

♪時が来た(「ジキルとハイド」より)

♪狐雨の頃(「雨が止まない世界なら」より)

♪逃げのびるだけでいいだろう(「雨が止まない世界なら」より)*西川さんソロ

♪Why God Why?(「ミス・サイゴン」より)

One more time, One more chance山崎まさよし

♪君の夢の中で(「フランケンシュタイン」より)

♪Run Away with Me(「The Unauthorized Autobiography of Samantha Brown」より)

♪Still(「アナスタシア」より)

♪Cold Enough to Snow

♪Believe(「ポーラーエクスプレス」より)

♪Come Again(東京ディズニーランド カントリーベアシアターより)

【アンコール】

♪ラジオ体操(ヒグチアイ)

 

久々の海宝さんソロコンサートでした。

 

エリザベート」帝劇公演の千穐楽までの中止がこの日の18時に発表され、海宝さんのソロコン開演が19時からという、なかなかのメンタルハードモードでしたが、中止のがっかりムードを海宝さんの歌声で吹っ飛ばしてもらったので良かったです(単純)

 

公演時間はおよそ2時間20分、間に西川さんのソロ歌唱コーナーがあったとはいえ、歌いっぱなし喋りっぱなしで、本当にすごすぎます。

 

海宝さんのソロコンは、毎回絶対に一定以上のクオリティで届けてくれるのが保証されている半面、何度か見ていて実は少~~~~しだけマンネリを感じる部分がなきにしもあらずだったので、今回は変化球多めで良かったと思います。

 

セットリストの中に「定番のあの曲」がほぼなくて新鮮に聴けました。正直J-POP多めだったので、個人的にはその代わりにあと2曲くらいミュージカル楽曲を聴きたかったな…とは思ったのですが。

 

でもこのセットリストはオーチャードホールではできないんだろうと思うと、地元でやるアットホームなコンサートという意味では良き選曲だったのではないでしょうか。

 

以下、感想メモです。

 

・1曲目で早速♪I’m Alive♪、テンションぶちあがりました…!しかし「Next to Normal」ってこの年の春に観たばかりだったのに、やたら昔に感じたのはなぜ…。

 

・ディズニー楽曲は海宝さんソロコンでは必ず入ってきますが、こちらもいつものジャンル(?)からかなり離れた作品、かつ私が「海宝さんの歌声で聴いてみたい」と思っていた2曲が入ってたので、めちゃくちゃ嬉しかったです。

 

1曲は、ディズニーシーのアトラクション内で流れる♪コンパス・オブ・ユア・ハート♪

曲名が発表された瞬間叫びそうになったのをグッとこらえた私、超偉い(真顔)海宝シンドバッド良すぎてぜひともアトラクションに採用してほしいくらいなんですけど、シンドバッドの声を担当しているサカケンさん(坂元健児さん)が怒りそうだから半年交代とかでどうでしょう?(無茶ぶり)

 

もう1曲は「ムーラン」から♪リフレクション♪

ずっと「歌ってくれえええええええええ」って願っていた楽曲だったので、ついに歌ってくれた&生で聴けただけで120億点でした(真顔)

 

・♪Why God Why♪は、西川さんのタップダンスとのコラボレーションという前衛的なパフォーマンスでした。ご本人たちは「どうなるんだろう~」って不安そうでしたが、想像以上にしっくりくるコラボになっていました。クリスの心情・海宝さんの歌・西川さんのタップが、うまい具合にシンクロしてたように聴こえました。

 

・あまりきちんと内容を覚えてないんですが、ゲストの西川さんがおっしゃっていた「この作品、自分に合わないなと感じたときに、なぜ合わないかをちゃんと向き合って考えてみる」話、なるほどな~と心の中でうなずきつつ聞いてました。「NOT FOR ME」と思うのは簡単ですが、そこでばっさり切り捨てるだけだと、その先の自分のためにならないですよね。もちろん「NOT FOR ME」作品に出会う回数は少ない方が良いですが、合わないと感じた理由を深堀りしてみると面白い発見がありそうです。

 

・今回はFC会員からのリクエストを募ったそうなのですが…。絶対「エリザベート」や「モーツァルト!」の楽曲は入ってたと思うんだけどなぁ(ジト目)「フランケンシュタイン」は確かに一部熱狂的なファンはいますし、喜ばれてるんだろうな~~と、♪君の夢の中で♪を聴きながら他人事のようにぼーっとしてました(こら)

 

・♪Run Away With Me♪は英語歌詞だから内容がわからんという声に応えて…と、歌詞の日本語訳を朗読してから歌ってましたが、いかんせんド直球プロポーズみたいな内容なので、日本語で聞くとこっちが赤面して撃沈することが判明しました!!!!!

 

・締めの曲がこれまたディズニーランドのアトラクション「カントリーベアシアター」で流れる♪Come Again♪なの、あまりにも良すぎて爆笑しましたw歌詞もコンサートの終わりにぴったりですし、毎回あれで締めてほしいです。笑

2022.11.22 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:おもいがけない帝劇千秋楽


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2022年9回目の「エリザベート」。

 

翌日以降の中止のことは、観劇している間はもちろん知らなかったわけですが、この回が実質帝劇千穐楽でした。

 

間違いなく私がこれまで観た(この回を含む)19回の「エリザベート」の中でトップ3に入る回でした。まぁいまだに2019年7月30日ソワレ公演はトップに君臨してるんですけど…。

 

「それは後々『この回千穐楽だったんだ』ってわかったから言えることなんじゃない?」って思われそうですが、終演後に「うわあああああ観て良かったああああ」ってテンションがぶちあがるというよりかは、しみじみと「あぁ…なんかすごく良い公演を観たな…」と、なんとも言えない余韻を感じる回でした。

 

井伊少年ルドルフにやっとこさ会えたので良かったです…!「レ・ミゼラブル」2021年公演のガブローシュ役で観てたので、楽しみにしてたんですよね。

 

以下、感想メモです。

 

・今期唯一の花總シシィ&山崎トート回。おふたりとも普段から「この世のものでない美しさ」や「ちょっと浮世離れしたオーラ」を放ってる印象があるので、よりダークファンタジーっぽさを感じました。

 

・総合的に私はちゃぴシシィ推しですが、それは花總シシィと比較してではありません。もう花總シシィは別格ということを改めて感じる回でした。「同じ時代に生まれて、花總さんが演じるエリザベートを観られて良かった」っていう域に達してます、もはや。

 

今期はなぜか(井上トートとともに)映像には残らなかったのですが、だからこそ「記録ではなく、観ている人の記憶に残るようなパフォーマンスを」と思って演じられてるのかなと勝手に感じました。

 

本物のエリザベートには、今生きてる私たちは誰も会ったことがないけれど、きっと花總シシィはエリザベートという人そのものなんだろうなと。2019年公演でも思ったけど、演じてるのではなくシシィの人生そのものを生きてるように見えるのがすごすぎます。

 

・♪あなたがそばにいれば♪の歌い出しで涙腺やられました(早)あそこが幸せそうであればあるほど、♪夜のボート♪を重ねてしまって、彼女とフランツがたどる結末に想いを馳せてしまいます(涙)

 

・♪私だけに♪、♪細いロープたぐって登るの♪からの、自分が夢見る「パパみたいな」自由な生き方を歌うパートでの、すごく幸せそうな顔が印象的でした。フランツと出会わなければ、彼女は生涯あの幸せそうな表情で生きていけたのかな…。

 

・これは2019年公演でもやってて怖かった記憶があるんですが、花總シシィはルドルフの葬儀でトートに拒否されたとき、悲しみのあまり感情がひとまわりしちゃうのか、それともルドルフのように自らの命を断つ勇気すら持てない自分に対する嘲りなのか、ヒステリックな引き笑いをするんですよね…。あれが怖くて哀しくて。

 

・山崎トートは、回数重ねれば重ねるほど謎のいとおしさを感じさせるトートなのでは!?「閣下!何か食べたいものあります!?」って馳せ参じたくなるトートでした(謎)一生懸命はせ参じても「は?」ってあしらわれそう。ていうかあしらわれたい(謎)

 

・山崎トートをのぞくとき、山崎トートもまたこちらを覗いているのだ………

(いやシシィのこと見てあげてよ…!)

 

というのも、♪愛と死の輪舞♪の最後、♪どこまでも追いかけていこう〜♪で古川トートだとシシィと見つめ合ってた気がするんですが、山崎トートはなぜかずーーーーーっと客席方向の真正面を向いていて、シシィを眠らせる仕草もそのままで、一連の流れが終わるまでずーーーーーっと正面を凝視してたので、オペラグラス越しにずーーーーーっと目が合ってて笑いましたw私じゃなくてシシィを見なさいよ!?

(シシィが可愛すぎて目が合わせられないとかだったらどうしようかわいい)

 

・というわけてで、山崎トート基本的にずっと正面向いてました。例えば♪不幸の始まり♪でも♪少しずつ教えよう災いの源♪は、古川トートは思いっきりルキーニに向かって歌ってるように見えますが、山崎トートは正面向いたまま。ルキーニ経験者として、ルキーニとの関係性を濃くするのかな?と勝手に思ってましたが、あんまりそういう雰囲気はなかったかもしれません。

 

・♪最後のダンス♪、ラストの歌い上げが永遠に終わらないかと思ってシシィと一緒に耳ふさぎたくなりました

(※褒めてる)(※すごい褒めてる)

 

・この回の甲斐ルドルフがかなり「ゾーンに入った」パフォーマンスをされてて(※個人感)、♪ママは僕の鏡だから♪でルドルフの勢いに押し負けそうになる花總シシィを初めて見ました。「MA」で観たときの「お歌上手だけどお芝居硬いわ~~~」と思ってた、あのときの甲斐さんは一体どこへ…!?

 

・特に印象的だったのが♪闇が広がる(リプライズ)♪で、♪長い沈黙の時は終わったのさ♪とトートの声が聞こえてきて「えぇ…なんか変な声聞こえる…!?」って耳をふさいで、♪子供のころのあの約束は~♪でトートのことを思い出した表情に変化し、♪友達を忘れはしない♪を満面の笑みでトートに向かって歌いかけていて、かなり衝撃的でした !

 

山崎トート回、もう1回くらい観たかったです…!またトートとして戻ってきてください!

2022.11.22 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:闇の中から見つめている

2022年8回目の「エリザベート」。


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この日はマチソワしたんですが、この翌日から帝国劇場千穐楽までが中止になってしまったため、私が観た回がたまたまWキャスト全員の帝劇千穐楽になってしまいました。

ゾフィーと少年ルドルフはトリプルキャストなので、涼風さんと西田くんはこの前日(?)が帝劇千穐楽だったようです)

 

2019年から数えると通算18回目だったけど、生きてる間にあと100回は観たいなぁ(真顔)

 

以下、ほぼ古川トートの感想です。

 

・古川トート、前回観て「怖っ」ってなった♪もてあそぶのさァァァァ♪の悪魔的な声は今回も出していて、♪独立運動♪の♪お前が~自らァァァァ~導くのだ~~♪でも同じ声を出してました。あの声本当に怖い…………。

 

・帝劇公演の最終週だったからなのか、また微妙に芝居を変えてきた古川トート。全体的に12日マチネよりは感情が抑えめかなと思いましたが、おそらく12日マチネのテンションが異常だっただけかと…。

 

・♪私にだけ見えている~♪ってシシィに言われて、思わず一歩シシィの方に踏み出しかけてた古川トート。

 

・結婚式の高笑い、録音よりもテンション高くなっちゃってるのは笑いましたw生で笑ってる方が声のトーン高めなんですよね。

 

・♪ママ何処なの♪で少年ルドルフに「ほんと!?」って言われて「ああ」って返事する古川トート、久々に聞きました!去り際には少年ルドルフの方を振り返ってピストルにキスしてて、場内にいた古川ファンはあの瞬間だけ全員黄泉の国逝ってたと思います(物騒)でもあの仕草、2019年公演ではよくやってたような?

(観劇記録読み返してたら書いてありました)

(こういうときに役立つ私の細かすぎる観劇記録)

自画自賛

 

・体操室での古川トート、シシィの♪本当なら許せない王宮から出ていくわ~~~♪で「なんだその程度か…」みたいにそっぽ向くんですが、その後の「いいえ、命を絶ちます!」で、客席に背中向けてるのに明らかにキタ――(゚∀゚)――!!ってテンションになってて笑いましたw

 

・♪マイヤーリンク♪後、自らの命を絶ったルドルフが棺に運ばれている間、「抑えてた笑いが思わず出ちゃいました♡」って噴き出すような、超性格悪そうな笑い方しててひぇぇぇぇぇぇっ…!

 

・最後の古川トートの表情はまたおろおろ系というか…「勢いでルキーニにヤスリ渡しちゃったけど、俺が望んでたラストはこうじゃねぇんだよな…」みたいな顔してたので「閣下、自業自得ですよ」ってなりました(?)

 

・♪私が踊るとき♪、ちゃぴシシィの♪あなたが?自由を?♪の歌い方、大大大好きです。「は?何言ってんだてめぇゴルァ」みたいなニュアンスが込められてて最高(もはやヤンキー)

 

・黒羽ルキーニ、観るたびにどんどこ進化していきますね…!音域高い部分はやはり上山ルキに軍配上がるかなぁと思いつつ、いつ観ても全力で楽しんでる様子が伝わってきてとにかく素晴らしい。声色もいろいろ使い分けてるので聴いてても楽しいです。

 

今回印象的だったのは、♪退屈しのぎ♪でお顔の左側の前髪がどうしても右側に一束寄っちゃってたんですが、それをガッとかきあげて人差し指でシーッてポーズしてたときの色気が素敵すぎました。

 

個人的に黒羽ルキーニは♪キッチュ♪、上山ルキーニは♪ミルク♪が好きです。

 

・トートがルドルフに「死にたいのか?」と問いかけるシーン、舞台上手に吊るされてるシャンデリア(?)のろうそくの影が地面に伸びてるんですが、それが2階席から見ると完全に十字架の形をしていて、トートが墓場からルドルフを呼んでるみたいに見えてゾッとしました。

 

・ちゃぴシシィの♪夜のボート♪、びっくりするくらい美声なのが逆に悲しかったです。

2022.11.19 舞台「管理人」マチネ公演:

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推し役者さんの木村達成さんが出演されているからという理由のみで観劇を決めた「管理人」。

 

達成さんはミュージカルのみならず、朗読劇やストレートプレイなど、さまざまな演目に出てくれるので、私が知らない世界にも目を向けられてありがたいです。お仕事に偏りがないんですよね。色んなジャンルに出るってことは、それだけご本人は大変そうですが、応援しがいのある役者さんだなと思います。

 

今作はたった3人で進められる100分間の「不条理劇」。ハロルド・ピンターというイギリスの劇作家が書いた作品で、これまで日本でも何度か上演されてるそうです。

 

そもそも「不条理劇」が何かということもよくわからず観たので(勝手な想像で「世にも奇妙な物語」的なアレかと思ったけど違ったw)、正直終演後は「???」で頭の中がいっぱいになりました(無知)

 

仕事仲間との喧嘩が原因で職を失い、寝泊まりする場所のなくなった老人・デーヴィス。彼を助けて家まで連れて帰る青年・アストン。そしてアストンの弟・ミック。舞台はアストンが住むアパートの一室のみでセット転換は無し。最初から最後まですごく閉鎖的な空間でのお芝居でした。

 

特に劇的に大きななにかが起こる物語ではなく、アストンとデーヴィス、ミックとデーヴィスで主に会話をして、前半は話が進んでるんだか進んでないだかよくわからない感じでした。正直中盤から終盤にかけてはちょっと眠気が…。

 

後半でアストンのある秘密が明かされてからは、ミックとアストンが実は強い兄弟愛で結ばれてることがなんとなくわかり、アストンのことを悪く言ってしまった老人・デーヴィスは、最終的にあの兄弟に見放されるんだろうな…という終わり方でした。

 

印象的だったのは、それまで絶対に「開けたら必ず閉じられていた扉」が、最後にミックが出ていくときは扉を開けたまま退場していたこと。ミックが意味ありげにアストンに視線を向け、アストンもしっかりその視線を受け取っていて、デーヴィスだけが何も知らず、「自分をここに置いておいてほしい、管理人でも何でもやるから」と、アストンに頼み込んでる光景…で終演でした。ずっとループしているかのような状況が、あそこで初めて兄弟が出口を見つけたんだろうなと感じました。

 

この受け取り方が正しいのかわからないですが、3人とも「今自分が置かれている環境から抜け出したいと思っている(らしい)のに、いざとなると何らかの言い訳を付けて行動しようとしない人たち」だなと思いました。そういう意味では私もそういう人間なので(自分にとって心地よい場所から抜け出そうとしない人間)、変な部分で共感しました。笑

 

達成さんは「血の婚礼」に引き続き、ひげをたくわえたワイルドなビジュアル。髪は少し短めになってましたが、個人的にあのビジュアルは結構好みでした。達成さんは良い歳の取り方をしそうですよね…。

 

2列目のセンター席だったので、肉眼であの長ーーいまつ毛までしっかり見えました。まつ毛の長さに気を取られていくつかセリフ聞き逃した気しかしない(こら)

 

あとはよどみなく話す長台詞にびっくり。どうやって覚えてるんだろうと不思議になりますが、役者さんはそれが「仕事」なので覚えられるんだろうなぁ(小並感)