Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2022.11.12 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:Un Grande Amore!

2022年7回目の「エリザベート」。


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以下、感想メモ。いつものごとく古川トートメインです。

 

・上山ルキーニが完全に調子を取り戻してました。前回も十分「復活したんだな」と思えましたが、今回さらに良くなってました。

 

帝劇序盤からしばらくは、きっと自分なりにも納得いってなかったと思いますし、観てる側もハラハラしてましたが、この時期に猛スピードで調子を上げてる印象でした。

 

ちなみに座席の位置のせいか、劇中何度も目が合う感じがあったんですが、あれは気のせい…?2019年公演の成河ルキーニ回にも、そんな気持ちになる回がありましたが…。

 

*この感想を残した数日後の上山さんのツイートで、「ルキーニはお客さんと目を合わせて対話できるキャラクターなので」みたいなつぶやきがありました。ということは、あれは多分気のせいではないんだなぁ。

 

・♪我ら息絶えし者ども♪で亡霊たちを呼び起こした後、自分の首に両手を当てて「あれ、俺首つって死んだよな…?でもまだ動いてるな…?」みたいに、不思議そうな表情から徐々に嬉しそうな顔になる上山ルキーニ。完全に亡霊たちの動きを掌握してる感じがすごく好きです。

 

・亡霊となった人たちの動きや、トートダンサーズの動き・表情を観るのにかなり忙しかった♪我ら息絶えし者ども♪、私もとろろ昆布(違)をかぶって亡霊の1人として参加してみたいシーンです(歌えないし踊れない亡霊)

 

・古川トート

♪人のいーのーちーをー うばーぁってぇ~~~♪

♪もてあそぶのさァァァァ つめたく~~♪

私(え、今の何!?めっちゃ怖いんだけど!?)

♪もてあそぶのさァァァァ♪が怖すぎた…今まで聴いたことない声してました…(震)

 

・古川トート、2019年公演のときはルキーニに対してあんまりリアクションしない印象だったんですが、今期めっちゃリアクションしとる!?ルキーニと目が合うとニヤって笑ってました。それに対して、上山ルキーニは会釈したり、たまに帽子を取ってお辞儀したり。

 

・上山ルキは「さぁ……始めよう」って少し間を空けるんですが、私あれすごく好きなんですよ…!こっちの「エリザベートを観る心構え」があの間でできるんです(突然熱弁を振るうヲタク)

 

・わりと前方席で観る1幕冒頭のちゃぴシシィ、かわいすぎて全世界がとろけるやつ…!顔が小さいし首が長い(今さら)

 

・原マックスの「パパは親戚づきあいがペストみたいに嫌いなんだぁ!」の後のちゃぴシシィの反応、毎回ちょっとずつ違ってて、でもそれが絶妙に「かわいい」だけじゃなくて「まじそれな~~~~~」みたいな反応なので思わず笑っちゃいますw

 

・♪きま~~ぐ~~れ~~に♪でカバンを後ろ手に持ってパパを見上げ、♪のぞ~~む~~ま~ま♪で仕方なさそうにパパにカバンを返すちゃぴシシィの表情かわいすぎて絶対毎回観てしまうかわいい(アデュー私の語彙力)

 

・♪愛と死の輪舞♪、ちゃぴシシィの「私を帰して!!!!!」を聞いた古川トートが、「何言ってんだこいつ」って顔してからシシィの顔見て恋に落ちる表情なら覚えてます←

 

・どうやら古川さんがどこかしら身体を痛めたらしく(?)♪愛と死の輪舞♪で大きな演出変更が発生しておりました。

 

♪愛と死の輪舞♪後、眠らせた(=生き返らせた)シシィを、本来であればトートがお姫様抱っこしてベッドに寝かせますが、今回は曲が終わった後にトートが右手で合図を出すと、トートダンサーズが3人ほど出てきてシシィを運んだりベッドを出してきたり。初見の人は一切気づかないであろう、わりと自然な演出ではありましたが、見慣れた人にとっては「どうしたん!?」な演出でした。

 

・♪確かにそこにいるわ あなた♪でシシィの方を振り向くと、ちょうど照明で目に光が入って、「死」なのに恋する気持ちで生き生きして見える古川トート。

 

・♪誰かは知らない でも覚えてる♪で、トートの方に手を伸ばすちゃぴシシィと、唇を撫でたその手をシシィに伸ばすトートがシンクロしてて、「その投げキスは受け取っちゃダメなやつやシシィ…!」って思ってしまったし、そのあとベッドに寝たちゃぴシシィが超ときめいてる顔してて「そいつは恋しちゃダメなやつやシシィ…!」って思ってしまった件。

 

・実はなかなか自分の中で解釈が定まらなかったしゅがーフランツ。田代フランツほどわかりやすい芝居をしない印象だったんですが、今回舞台に比較的近い席だったこともあり、お芝居結構細かいな…と思いました。

 

♪皇帝の義務♪からゾフィーに対してずっと何か言いたそうな表情をしていて、何度も何度も言い返そうとするんですが、のどまで出かかってやめちゃうんですよね…。

 

ただただゾフィーに従うだけの皇帝ではなく、自分の主張もしたいんだろうなと感じられるフランツ。そしてそれが奇しくも2幕のゾフィー逝去シーンで爆発しちゃうのが哀しすぎました。

 

・何度でも書きますが、バートイシュルのちゃぴシシィは天才です(褒め方のバリエーションが無くなってきたヲタクの戯言)あの衣装着てるちゃぴシシィのブロマイドが欲しい。

 

・上山ルキーニは、シシィの「鹿さん!」で特に反応しないんですが、そのあとシシィと何やらめっちゃ話してる(?)んですよね。とはいえ、やはり全体的に黒羽ルキーニほどリアクションはしていない印象です。

 

・♪あなたがそばにいれば♪は、回を重ねるごとにどんどん♪夜のボート♪がかぶって聴こえてきます(幻聴)幸せなシーンなのに観ててツラくなってしまう…。主旋律の裏で密かに鳴っている♪夜のボート♪の旋律が悲しすぎません!?

 

でも最初からあれだけ主義主張がすれ違ってるのに、なーんであの2人くっついちゃったかなぁ。「自由」というワードを聞いたしゅがーフランツの顔がいちいち堅くなるのがまた…(頭を抱えるヲタク)

 

・シシィの元気な「はい!!!!!」って返事を聞いた古川トート、「やれやれ」って表情で首を横に振る仕草が大好きです。

 

・結婚式が終わって退場するとき、捌けていくシシィに向かってあからさまに高笑いする古川トートめっちゃ性格悪くないですか!?フランツのことはガン無視してるのに!!!!!(=フランツに向けては高笑いしてなかったように見えました)

 

・♪最後のダンス♪、♪二人の愛は見せかけ〜♪を、鼻で笑うかのような半笑いで歌ってシシィを煽る古川トート。そのしっぺ返しが♪私が踊るとき♪で来てますね(真顔)

 

・古川トートがシシィを背後から抱きしめて、肘から肩あたりまで両手でそーーーーっと撫で上げるの気持ち悪うううううううってなるので最高です(想像しただけで背中ぞわわってなる)

 

・膝スライディングで迫りくる古川トートに対して、オフマイクでちゃぴシシィの悲鳴聴こえてきて最高です(謎)

 

ちなみに♪このー!俺さァァァァ!!♪のアレンジと、♪お前は俺と踊るさだめ~~♪は前回と同じくおしゃれなアレンジ。あとはもう要所要所でめちゃくちゃがなってました。

 

・♪最後のダンス♪後、帝劇公演序盤では退場するときに倒れこんでるシシィに対して、マントをふわっと当ててる(?)仕草してたけど、今回は余韻もあんまり残さず帰ってゆく古川トートでした。あれシシィに対するマーキング(???)みたいで結構好きな仕草だったんですけど…。

 

・現実に戻ったちゃぴシシィ、♪みんなが見つめているわ♪の前に、落ち着かなきゃって感じで大きく一息ついてました。思い返せばこの回のちゃぴシシィ、わりと「長めに息をつくこと」が多かった気がします。

 

・今期やたら自由に飛び回っているらしいルキーニの小鳥ちゃん。この回は上山ルキーニが小鳥ちゃんを飛ばす方向を微妙にやらかしてしまい、舞台上手側のおけぴにダイブ。「大丈夫~~~~?」と心配してるんだかしてないんだか、よくわからないテンションの上山ルキーニでした。笑

 

・♪皇后の義務♪でいちいちゾフィーの言うことに反抗するシシィの背後で「これ以上余計なこと言わんでくれ…」みたいにおろおろしてるリヒテンシュタインさん。心中お察しいたします。

 

・♪皇后の義務 学ばなくては 自分を抑えて生きるのだ~♪の後の、ちゃぴシシィの「…フランツ?」の言い方、「正気かあんた」のニュアンスが多分に入ってて好きです(謎の好きポイント)しゅがーフランツの「言って聞かせれば従うだろう」みたいな微妙な圧も…基本的に悪い人じゃないんですが、この母親に育てられたらそういう言い方しかできないんだろうな…と思ってしまいました。

 

・ちゃぴシシィ

「あなたは私を見殺しにするのね!!!!!!!!!!!!!」(激おこ)

私の心の声

「いいぞ!!!!!!!!!!そのまま張り倒せ!!!!!!!!!!!」(ダメです)

 

・♪私だけに♪の歌い終わり、ハプスブルク家のバカでかい紋章に向き直って、宣戦布告するがごとく「はーーーーっ」っと気合のため息をついていたちゃぴシシィ。戦う女への変貌ですね!!!!!!!!!!!

 

・これ今回じゃなくて前回だった気がするんですが(しかも古川トートか山崎トートか忘れたんですが)、デブレツィンでフランツとシシィがお手振りしながら階段を下りてくるとき、シシィとトートの目が合って、トートがシシィに向かって人差し指を指してたんですよね…「覚えてろよ」みたいな感じで…。うん、山崎トートだった気がする(急に記憶が蘇るヲタク)

 

・古川トートが♪闇が広がる♪を歌い進めるうちに、悲しみからか、それとも怒りからか、全身ぶるぶる震えてたちゃぴシシィ。そのまま♪俺の腕の中で お前は震えた♪になるので、トートさんそれは喜びで震えてるんじゃないっすよと訂正したくなりました。

 

・革命家の1人(エルマー)が擬人化したトートと握手する場面、2019年公演の植原エルマーは古川トートのときだけ「??」って顔してましたが、今回の佐々木エルマーは両トートとも「??」って顔してましたね。

 

・西田少年ルドルフの声量えぐすぎません?どんだけハリがあるんだ!?って毎回びっくりしてます。

 

ちなみに2019年公演の大橋少年ルドルフが本当に幼くてかわいらしくて好きだったんですが、なんと現在は劇団四季の「バケモノの子」の子役メインキャストとして出演されているそう。成長したなぁ…!

 

・♪ミルク♪の女性アンサンブルさんたちって、曲始まる前あんなに息絶え絶えみたいな感じでしたっけ?2019年公演の映像も今から売りませんか?(圧)

 

・♪ミルク♪は、上山ルキーニだと民衆と同じ目線に立って「一緒に王室ひっくり返そうぜ!」ってノリで、黒羽ルキーニだと嬉々として民衆を扇動してる印象です。

 

・ルキーニがバケツに牛乳を注いで、♪皇后の務め♪のイントロが流れて秋園リヒテンシュタインが出てくると「あー1幕終わるの早いなぁ」って毎回思っちゃいます(パブロフの犬現象)

 

・今期の♪三重唱♪、今のところちゃぴシシィ・山崎トート・しゅがさんフランツの組み合わせが優勝。圧とバランスが好きです。

 

・♪私が踊る時♪、ちゃぴシシィが♪最後のダンス♪のお返しとばかりに、歌い出しの♪勝ったのね♪からドヤ顔で煽りまくってて笑いましたwやたらと「ひとり」というワードを強調して歌ってたようにも聴こえて、♪歩いていけるわ〜♪の後にトートが思わず♪お前には俺が必要なんだ♪と歌ってる…というより説得してる感じでした。

 

・今回の♪ママ何処なの?♪では、少年ルドルフの言葉に表情で1つずつ反応してた古川トート。死を司る者としてもねこちゃんを〇すのは許せなさそうな古川トートなのであった(完)

 

・トートが去った後に彼の姿を探す少年ルドルフと、♪闇が広がる♪でトートの歌声が聴こえてきて、彼の姿を探す立石ルドルフが時間差でシンクロしてました。

 

・精神病院のシーンは、本当に何回見てもどう受け取っていいものか、自分のその時の気持ち次第でどうとでも取れる印象があります。今期は「自分が戦い続けて、勝ち取ったのは孤独だった」と憂うシシィの周りで、彼女の言葉に心を痛めてる人たちの表情にグッと来てます。スターレイさんなんてきっと有能なお付きの人だったんだろうと思うと、シシィももっと心を開けばよかったのになぁと思ってしまいます。

 

・それがいい……………エリザベート……………

\待っていた!!!!!!!!!/(バサァ)

\胸元どころかみぞおち辺りまで全開な古川トートのシャツ/

どう考えてもはだけすぎてて笑いましたw

 

・そろそろシシィに「帰りなさい!!!」って出口を指さされても帰らないパターンもありそうだった古川トート。怒りのあまり、肩で息してるの怖いです…。

 

・パパの亡霊と話すシシィ、パパが何を言っても言い訳のように言葉を返すので、少女時代の夢いっぱいなあの頃と様変わりしてしまってるのも悲しいし、自分の生き方に前向きになれていないのも悲しすぎます。

 

・立石ルドルフ、少しお芝居の方向を変えてきたような?今までは流れに飲まれてトートや周りの大人たちにされるがままな印象でしたが、立石さん自身がルドルフというキャラクターの主導権を少し握れるようになった気がした回でした。相変わらず世間知らずのお坊ちゃま感はありつつ(でもそれが「お飾りの皇太子」感があって良いと思う)、ハプスブルク家の行く末を変えるために何とかしたいという熱量を感じました。特にフランツへの反抗心が強くなってて◎

 

・やはり対・立石ルドルフだと翻弄してる感じが強くなる古川トート。対・甲斐ルドルフとの「ザ・体育会系」な関係性も好きですが、こちらも良きかと。

 

・♪独立運動♪の古川トート、もはやホラー映画やん!?みたいな表情してました(震)舞台上手でのダンスwithトートダンサーズからの、舞台正面に\ヒャッハー/って走って来るときの顔、テンションが異常。

 

ルドルフを助けようと手を差し伸べるけどルドルフがその手を取れなくて、「ふうん、こいつももうここでおしまいかな?」みたいに首かしげながら急激に冷めていく様子も、その後ルキーニと示し合わせたように独立運動の終わりを告げる銃声をぶっ放し、最高に楽しそうに顔を上に向けて口をでっかく開けて笑うのも、1人の人間が破滅に向かうのを心底楽しんでそうなのが怖すぎました。

 

最後にルドルフに向かって両手広げて待ってるみたいな格好してましたが、あれは「これ以上は逃げられない」という意味だったのか、「もうここで俺のもとに来て死ぬか?」って意味だったのか…。

 

・これまではシシィに手を振りほどかれてその場にうなだれるのみだった立石ルドルフが!!!!!!!なんと!!!!!!!シシィを追いかけようとしてましたよ!!!!!!!!強くなったねぇ!!!!!!(誰)

 

・トートにキスされる前に、観念したかのように両腕をだらんと下げた瞬間、立石ルドの額から大粒の汗が一滴落ちて、それが「ルドルフが生きようとする意思」に見えました。汗が芝居してるの、2019年版の木村ルドルフ以来ですね(懐かしい〜)

 

・ちゃぴシシィ、ルドルフの葬儀シーンで入ってきて、はっとした感じで振り向くやいなや、どう考えても5歳のときのルドルフに話しかけるように腰を低くして、♪ルドルフどこなの?♪って歌い始めてて、観ててツラかったです。シシィの中でルドルフの成長がそこで止まってるなんてあまりに悲しすぎて、思わず涙しました。

(だからこそ、直後のルキーニの♪キッチュ♪リプライズがボディブローのように効きました。♪善良な一般市民はもらい泣きさ!♪)

 

・♪あなたね 息子奪った♪からずっとニヤニヤしてる古川トート見て思い出したんですが、山崎トートはここ、シシィを心底あわれんだ目で見ていて、なんならシシィの頭撫でてたんですよね。

 

・♪悪夢♪が!!!!超絶傑作すぎて!!!!!ナンバーワンは2019年7月30日ソワレ回なのは今も変わりませんが、ナンバーツーはこの回です(断言)古川トート大暴れすぎて怖かったです。

 

この時期の公演では、ルキーニを呼ぶときにもはや歌わず叫ぶようになったとは聞いてましたが、実際に「ルキーニッッッ!!!!早く取りに来いッッッ」(帝劇が揺れるレベルの大絶叫)を聞いて「「「えええええ」」」(呆然)ってなりました。山崎トートみたいにヤスリを舐めあげてたようにも見えましたが、絶叫にビビりすぎて覚えてないです…。

 

そして絶叫に応えるがごとく、上山ルキもしゅがーフランツをとんでもない勢いでふっ飛ばし、トートの下で子供みたいに手を伸ばしてて、その様子を上から見下ろしてる古川トートが満足そうに2回うなずいてたのも怖かったです(語彙力ゼロ)

 

あと初めて気づいたんですが、♪悪夢♪のとき、どこのパートか忘れたけど亡くなった人たち(ゾフィーやルドルフたち)がトートダンサーとまるで「踊ってる」かのようなポーズ取ってる瞬間があり、なるほど、みんな「死」の手を取って踊ってしまった人たちなのかと。

 

・日本語に訳した結果、発生してる意味かもなので、オリジナルの歌詞がどうなってるのかが気になるんですが、♪俺だけが与えられる自由を〜〜鎖を解くのだ〜〜救うのはこれだ!♪って歌ってるトート、「早く自分のことを愛してほしい」という意味とは別に、シシィが苦しんでる姿をこれ以上見たくなかったのかな…と思いました。「救う」って言葉が出るってことは、シシィが苦しんでる(から救ってあげよう)という認識でいるってことですよね多分。

 

・上山ルキの感極まった「ウングランデアモーレ!」を聞いて、上山ルキは自分がシシィとトートのキューピット的役割を果たして満足して死んだように見えました。

 

・この回の古川トート、これまでで一番感情の流れが分かりやすかった気がします。トートってシーンまたぎで出てくるのがほぼ無くて、ポッと出て捌けていくことが多いので、感情をつかむにもポイントごとに拾っていく印象なんですが、この回は出ていない部分のトートの感情の流れもつかめるくらい、各シーンでの感情表現がお見事でした。

2022.11.5 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:紫の血を流す黄泉の帝王

2022年6回目の「エリザベート」観劇。


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エリザベート」はこれだけの回数を観ても「まだ…まだ足りない…」ってなる不思議な作品。内容がそこまで重くないので(※個人感)何度も観られるのかな…。

 

ちなみに「久々に観るな~」って数えてみたら、たったの10日ぶりだったので笑いましたw

 

今回はB席(2階席最後列下手側)だったので、あまり気合いを入れず(?)のんびり楽しみました。

 

全体のフォーメーションが把握できたり(特にトートダンサーズ)、アンサンブルさんの様子もよく見えるので、普段あまり注目できてない人たちになるべく目を向けるよう意識した回でもありました。結果なぜか山崎トートに対する感想がたくさん生まれました(謎)

 

以下、山崎トートメインの簡単な感想メモです。

 

・2回目の山崎トート回でした。登場シーンはとっても神々しいんですが、なんか…歌い方のクセが強いんだよな…。ザ・育三郎節。

 

・全体的に「間」を取るというか、テンポ(拍)を遅めにずらして歌うのも彼ならではでしょうか?この回の上山ルキーニもわりと「間」を取る人だったので、ところどころオケ(指揮者)との呼吸が合ってなさそうに感じました。

 

・初見ではあまりの表情のなさにちょっと困惑したんですが、今回はオペラグラスでなるべく観るようにしたら、やはり表情はそこまで変わらないものの、ちょっとした仕草で喜怒哀楽を表現してるのかなと思いました。定点観測してないとつかみづらい(or つかみどころがない)トートかもしれません。そういう意味では「俺様だけ見てろ!!!!!」ということなのだろうか(多分違う)

 

・「あ、山崎トートが苛立ってるな」と感じられたのは♪私が踊る時♪。ちゃぴシシィが♪一人舞う あなたの前で♪と歌うと、ポーカーフェイスのまま、だらんとおろした両手の小指から親指までを順番に握っていき、最後にぎゅっと力いっぱい握りしめてて、その仕草だけで心底怒ってるんだろうな…というのが伝わってきました。

 

・歌声でも感情がところどころ分かるようになってて、♪愛と死の輪舞♪の♪その瞳が~胸を焦がし~♪では、古川トートと同じような「俺、今ときめいてる!?」という感情が声のトーンから聴き取れました。ついでにツッコむと、あなたの血は多分青くないです紫です(真顔)

 

・山崎トートの必殺技「パープル吐息」(命名:私)は今回も健在。わかりやすく吐息を出す♪最後のダンス♪以外でも、要所要所で息を吐くアクションを入れてました。

 

ため息には聞こえない。けれど客席にもトートの吐息であることがわかるような絶妙さって、出すのが難しそうです。

 

・♪最後のダンス♪、歌の圧で押しつぶされそうになるのは井上トートが一番かなと思いつつ、山崎トートも技術があるからこその歌い方をしていて、特にラストのサビの後のフェイクを超高音でキメてたのがかっこよかったです。前回とは明らかに違うフェイクだったので、毎公演変えてるのかな?

 

ところで古川トートも山崎トートも、わりとこの曲自由に歌いがちですよね?前世が某作曲家だからなの????????(イ◯コ先生の作品、出演者かぶりすぎ問題)

 

・ドクトルに変装するシーン、全くおじいちゃんっぽさがなくて、2019年の変装する気ゼロな古川トートに似てました。山崎トートの美学的に、おじいちゃんドクターに変装するのはNGなんだろうな(※勝手な想像)

 

・♪闇が広がる(リプライズ)♪では、自信なさげにトートから目をそらそうとする立石ルドルフを、「おい!!!!弱気になるな!!!立ち上がれよ!!!!」と、松岡修造ばりに応援する山崎トートでした。闇広が応援歌に聴こえる日が来るとは…。

 

・♪悪夢♪の山崎トート、本当に夢に出そうなレベルの表情をしてました。「シシィが見ているトート」(=シシィが出てくるときに一緒にいるトート)と、「シシィ以外の人が見てるトート」というのは、実はこれほど印象が違うのかと思いました。

 

シシィに対しては、あくまでも「トートがシシィを愛している」ことが前提にあるので、不気味だったり多少怖かったりはするけれど、シシィがトートを拒否することができる=トートはあくまでもシシィから動くことを待ってるので、手荒なこと(?)はしません。

 

でも「普通の人間」からしたら、「死」って容赦ないものだし「待って」とか「現世に戻して」という理屈は、普通は通じないはずです。

 

となると、悪夢のシーンで山崎トートが見せる表情が、彼の【本当の姿】なんだろうなというのを、今回観ていて思いました。これは私の中では新しい解釈だったので、新発見できたような気持ちになりました。

 

ちなみに♪救うのは これだ!♪でヤスリを出したあと、思いっきりヤスリをなめ上げててドン引き。そのあとの♪エリーザベェェェェェェェト♪は、本来なら彼女の名前を2度歌い上げるんですが、1回目で極限までロングトーンを伸ばしてその1回きりにしてました。ほうほう、そういう表現もありなんですねぇ…。

 

・2幕ラストの山崎トート、初めて表情らしい表情が見られたんですが、それが♪連れていって 闇の彼方遠く♪と、トートを受け入れることをシシィが歌うのを聴いた瞬間で、どこかホッと安心したような表情だったのが興味深かったです。「ようやく自分のことをわかってくれた!」みたいに見えました。

 

・シシィの身体から魂が抜けたときに、ちょっと戸惑ったような顔をしていて「せっかく分かり合えたと思ったのに…」という気持ちなのかなと。シシィとの駆け引きが終わってしまった残念さもありそうでした。

 

・表情にはあまり出てなかったけど、シシィを追いかけ回してる時間が、いつの間にか山崎トートにとって楽しい時間になってたんだろうな(って思うと、勝手な解釈ではあるけれど、山崎トートに愛着湧いてきますね…!)

 

・ちゃぴシシィ、バートイシュルのシーンでの、あのアイボリーホワイト×淡いグリーンのドレスが似合いすぎてる件。鏡の間の真っ白ドレスも、戴冠式ドレスも超似合ってるけど、劇中まとっている衣装の中で、あれが一番ちゃぴシシィに合ってる気がします。本当にかわいい!

 

・♪あなたがそばにいれば♪に合わせて♪夜のボート♪の歌詞を思い浮かべると、もれなく泣きます(泣いた)

 

・悲しそうな下がり眉の表情が、一言ずつ自分自身の心に刻みつけるような♪私だけに♪を経て、最後には闘志まんまんのきりっとした表情に変わるちゃぴシシィが大好きです(告白)

 

・久々の上山ルキーニ回でしたが、初日とそのあと観た公演では本調子じゃなかったので、今回調子がほぼ戻ってて良かったです!「レ・ミゼラブル」のアンジョルラスほどの迫力は正直まだ感じられなかったけど、そもそも作品と役柄の色が違いすぎるので…。

 

・黒羽ルキーニがどの場面でもわりと他の人に積極的に絡んでいくのに対し、上山ルキーニはそれを最低限にしてる印象で、あくまでも「傍観者」の立場を取っていそうでした。だから彼が「孤独」であることがより際立って見えて、同じく「孤独」を抱えるシシィに勝手に共感を抱いているのでは…。同じ「孤独」を抱えてるのに、シシィは裕福で社会的地位にも恵まれてて…という部分でルキーニの反感を買ってそうです。

 

・♪ミルク♪の♪今―――っ!♪でハイトーンをキメてた上山ルキーニ。2012年ウィーン版ルキーニが大好きなので、彼に似た歌い方をしてくれてありがとう!!!!!!!!ってなりました。

 

・♪キッチュ♪終わりに上山ルキーニが帽子を投げたら盛大に転がしてしまい、あわや上手側客席につながる階段から帽子が落ちそうになっててひやひやしました。なすすべなく落ちた帽子を指さして\キッチュ!!!!!/ってポーズ決める上山ルキーニ、かわいかったです。

 

・美麗マデレーネをオペグラでガン見したことを懺悔します(挙手)私の心臓も撃ち抜いてくれ~~~~~(ゾフィーのお付きのおじさまが、毎回美麗マデちゃんに心臓撃ち抜かれて死にかけてるのを見て)いつぞやの回では客席に向かってウィンク決めててときめいておりました。美人は強い

 

・香寿ゾフィー、最後に訣別を告げて去りゆくしゅがーフランツの背中を、今にも泣きそうな顔で見てて私が泣きました。やはり「母」である部分が多めなゾフィーなんだよなぁ。

 

・ルドルフはこの時点でバランス良く3公演ずつ観られたんですが、立石ルドルフはすごく「あっさり塩味」なルドルフ。せっかく爪痕を残す機会が20分くらい与えられてるのに、あまりうまくアピールできてない気がしました。

2022.10.26 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:続・シシィとトートの『闘い』

2022年5度目の「エリザベート」でした。


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以下雑感メモ。

 

・ちゃぴシシィと古川トートはそろそろ喧嘩(物理)始めそうじゃないですか?????

 

ちゃぴシシィがなんだかオラオラしてるし、古川トートもオラオラしてるので。バチバチを通り越して、首根っこつかんで殴り合い始めそう(物騒)半年前は2人でねこちゃんのお話してニコニコしてたのに…(こちらの記事参照

 

でもシシィの「鏡」としてのトート、という認識であれば、シシィがオラオラすればそりゃトートもオラオラしますよね(完)あとシンプルに、役者さん同士の距離感が縮まったんだろうなと。2人とも人見知りっぽいので…。

 

・体操室シーンでの古川トートの♪それは この俺だぁぁーっ!♪の低音が響くようになってて、怖さを感じました。あのへんのシーン、声が城田トートっぽいですよね。城田トートはBlu-rayでしか観たことないけど。

 

・古川トートの♪最後のダンス♪、回を重ねるごとにおしゃれアレンジになっていく件。♪このー!俺さーあ↑あ→あぁ⤵♪みたいなアレンジでした。1回聴いたら一発で覚えられるアレンジでしたが、文字で表すのむずいな←

 

・観る回によってシシィに共感したりしなかったりなんですが、前回も今回も共感できず。「シシィが好き勝手できるのってお金があるからで、仮に彼女は貧乏だったとしても自由があれば幸せだったのかなぁ」とか、「♪私だけに♪で『話す相手 私が選ぶ』って言っておいて、2幕でパパの亡霊と話すシーンでは『この世に話し相手がいない』ってずいぶん勝手だよなぁ」とか、とりとめもなく考えてました。どうすれば彼女は幸せになったんだろう…(急に重たい感想)

 

・古川トートと黒羽ルキーニだと「この2人、仲いいな」(?)ってなります。黒羽ルキーニが古川トート大好きオーラを醸し出してて、共犯者っぽく見えるというか。

 

・黒羽ルキーニ、時折声がかすれるのが心配ではありますが、本当に毎回パワフルです。気づいたら目で追いかけちゃうパターンの役者さんですよね。空間を支配するのが上手なので、そういう意味では成河さんらしいのかもしれない。

 

正直なんでロミオ役だったのか、そこは今でもあんまり納得いってないんですが(私の中では圧倒的にマーキューシオ役者さんなので)、ただ「かっこいい」だけではない色を持った役者さんにどんどん成長していってほしいなという、上から目線感想です(?)

 

・誰かルドルフ助けてあげてよぅ…って思ってしまうくらい、あまりにも弱々な立石ルドルフ。周りの大人にしがみつくしかない、あの「自分の無さ」が本当にかわいそうになります。掛けられた看板のでかさに、本人が耐えきれてないんよ。お歌はもうちょい頑張れ…!

 

・♪独立運動♪後半の古川トート、「邪悪」を絵に描いたような顔してるので、一周まわって面白くなってしまいます。人間やめてる顔してる…。

 

・ラストシーン、登場時からなぜかずっとおろおろした様子の古川トート。憑き物が落ちたようなちゃぴシシィに対して、シシィとの駆け引きが終わってしまうことに寂しさを感じてるような、そんな表情をしてました。シシィに抱きつかれると、前(2019年)は嬉しそうにしてましたが、今回は「え…」みたいな顔してるんですよね。

 

・今期の田代フランツ、なんでこんな粘着質なんだろ…?それはラドゥ大佐なんよ(ちゃぴさんいるから「マタ・ハリ」できるね!)

 

♪最後通告♪は「そりゃシシィに『お母様が聞いてくれる あなたの話なら』って言われるわな」と自然に思えるくらい、「都合のいいときだけ甘えてくる旦那」という印象でした。

2022.10.26 劇団四季「美女と野獣」マチネ公演:10年ぶりの"再会"

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私のミュージカルの原点に再会できました(涙)(見た目は変わってたけど…!)

 

再演を願い続けてはいたけれど、まさか首都圏ディズニーミュージカルだらけの中での再演が決まるとは…!

 

ということで、新演出にはなったものの、2012年2月ぶりに「美女と野獣」を観ました!私が生まれて初めて観たミュージカルなので、本当に本当に感慨深かったです。

 

https://der-letzte-tanz.hatenablog.com/entry/2020/09/02/210144

↑人生初ミュージカルの感想記事

 

しかも再演でビースト役にキャスティングされ、初日デビューを飾ったのが四季の推し役者さんである清水大星さんで…(涙)候補キャスト発表がされたとき、冗談抜きで喜びすぎて叫びました(うるさいヲタク)

 

いつぞやのアルプ(=劇団四季の会報誌)を読んで、清水さんが「美女と野獣」に並々ならぬ思い入れを持っていることも知っていて、ビーストが絶対に似合う声の持ち主だしもしかして…とは思ってましたが、なにせ「オペラ座の怪人」でファントム役デビューしてからまだ1年経ってなかったので…。いや、1年で新しい役2つこなすってすごくない!?

 

そして夢にまで見た美女と野獣」「エリザベート」のマチソワ観劇をキメました(大の字)この日は間違いなく人生最良の日ベスト10に入ります。

 

私がミュージカルを好きになったきっかけの作品と、私がミュージカルにさらにハマるきっかけになった作品のマチソワ。しかもどちらの作品にも、それぞれ大好きな役者さんが出てるという最高のマチソワです。

(タイプ違いすぎますけど、どっちも!!!!!大好きなんですよ!!!!!)


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【全体的な感想】

・旧演出を1度しか観てない(しかもその日人生初ミュージカルだった)私は比較的受け入れられましたが、確かに「テーマパーク事業の一環として上演されているミュージカル」ではありました。

 

観劇後に東京ディズニーランドにある「美女と野獣」エリアで楽しむ、というパッケージが販売されてますが、なるほど、あのくらい舞台がライトな後味じゃないと、観劇後にパークで遊ぶのは難しそうですし、それをあえて狙った作りにしてる気がしました。

 

個人的には四季劇場春か秋で観たかったけど(つまり浜松町)、ビジネスとしてこれはこれでアリなのでは…。

 

・舞台セットは色使いとかド派手になってましたが、明らかに簡素化されてたのは確かです。特にビーストがベルにプレゼントする図書室。旧演出のパンフレットを読み返しましたが、新演出のあれはちょっと許せないなぁ…。あれは『図書室』じゃなくて『たくさんの本』なのでは。

 

衣装も原色バリバリ系で、かなり好みが分かれそうでした。どうしても原色バリバリはほんのりチープに見えますし、これも旧演出のちょっとシックな色味の方が好きです。

 

・何より1幕は80分、2幕が45分しかないという構成のアンバランスさよ…。ガストンとムッシュ・ダルクの悪だくみソングがカットされるのは仕方ないかなぁとは思うものの(ごめんねガストン)、お城の住人vs村の住人シーンがないのはあまりにも悲しすぎます。

 

♪暴徒の歌♪後にガストンが光の速さでビーストのお城のバルコニーに侵入しており、「いやいやあまりにもスムーズすぎんか」って思ってるうちにガストン落下してましたし…。城のバトルシーンはちょっとでもいいので残してほしかったなぁ。ちなみに野獣vsガストンのシーンも、なんだか尺が短かった気がしました。

 

・舞台が広くなったのか、出演者数が減ってるのかわかりませんが、結構舞台の空間が余ってる印象を受けたので、アンサンブルを男女2名ずつくらい増やしても良いのでは…と。

 

・♪Be Our Guest♪の圧巻のラインダンスや、♪Gaston♪のマグダンス、♪Human Again♪の楽曲自体が残ってたのは良かったですし、♪Human Again♪に関しては、モノと化していく召使いたちが歌う周りで、かつて人間であった彼らを模した(?)アンサンブルさんたちが踊ってるあの構図がすごく好きでした。

 

・やはりこの作品は歌が!!!!!!とにかく良すぎるんですよ!!!!!!どの曲も全部好き!!!!!!!!(突然荒ぶるヲタク)

 

・物語も、少なくともアニメ版よりかは明らかに「ベルが感じる孤独」が強く押し出されていて、旧演出からあるベルの「人と違うって気持ちがわかるの。それがどれだけ孤独かも…」ってセリフで泣きそうになりました。ラブロマンスというよりかは、孤独を感じるもの同士が強く惹かれあう物語、という印象が強かったです。

 

・そういえば結構男性客が多めでびっくりでした。そして終演後はわりとみなさん「泣いたわ~~」って言ってる人が多くて興味深かったです。私の隣に座っていたご夫婦(かな?)は、旦那さんが2幕後半すごい勢いでずびずび泣いていらして、正直「そ、そんな泣く!?!?」って思っちゃいました。笑


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以下、キャスト別感想です。

 

【ベル:五所真理子さん】

・メグ・ジリーじゃん!?(突然のオペラ座

 

・旧演出時代からベルを演じてたことは知ってましたが、ここまでバリバリ歌うのは初めて観たので、バリバリ歌える人なんだな~と思いました(小並感)ちょっと息継ぎのタイミングが微妙だったり、若干声量落ちるかなと思う部分はあったけど、開幕2日目だったので…。

 

・新演出になったとはいえ、ベル役を何度も演じたことがあるだけあって、カンパニーを引っ張ってるなという印象でした。変に勝気すぎるキャラ付けでもなく、にっこり笑顔でガストンや町の人の言うことをさらっと流す。でも本当は自分のアイデンティティがこれでいいのか、どこかおかしいのかな…ってちょっと弱気になっちゃう。でも(2回目)自分の信念は決して折ろうとしないのが、とてもベルらしく感じました。

 

・勝気すぎるヒロインって、下手するとちょっと観客側がひいちゃう可能性もありそうですが、五所さんは持ち前のチャーミングさを活かして、絶対に「かわいい」から外れないベルでもありました。

 

・メガネっ子ベルに対しては賛否両論あるみたいですが、個人的には超アリ。自分が小学生の頃からメガネっ子なので。メガネっ子プリンセスっていないからさ~~~~~~(ミラベルはディズニープリンセスじゃないですよね?)

 

【ビースト:清水大星さん】


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大好きすぎる五体投地

 

・「オペラ座の怪人」で清水ファントムを観たときと同じく、本当に本当に本っっっっっ当に感無量でした(涙)念願かなって本当に良かったですし、何よりビースト役が予想以上にハマっててびっくりしました。

 

・ミュージカル版のビーストは、一貫してちょっと可愛らしいキャラ付け(?)っぽいので、どなたが演じても「かわいいな!?」となりそうですが、清水ビースト、挙動が完全に5歳児でした。

 

登場してモリースを閉じ込めるシーンはそれなりに怖いんですが、ベルと出会ってからはずっとかわいい。2022年かわいいオブザイヤー。かわいすぎてマスクの下でエンドレスにやにやしてたし、かわいいがゲシュタルト崩壊起こしてました(狂)

 

・ベルとなかなかうまくコミュニケーションが取れなくて、「どぉしよう…ミセス・ポットはなんて言ってたっけ…?」の言い方が本当にかわいすぎて座席で悶絶してました。黙って観てただけ褒めてほしい←

 

・ビーストが客席の笑いをかっさらってたんですが、あれでOKなのかな…?旧演出を観たときはあそこまでコメディだった印象が全くなくて…(「ビーストがかわいい」という印象もないんですが、演じる役者さんが違うからかな…?)

 

・旧演出よりメイクがやや薄めになっていたため、役者さんの表情が分かりやすくなってました。メイクをしてても「お、清水さんだ」ってなったので(それはそう)

 

・清水ビーストのころっころ変わる表情に終始私が転がされていた(真顔)清水さんそんな顔するんだ…って驚きがたくさんありました。ベルと打ち解けてからは、ずっと目がきらきらしててとっても素敵でした!

 

・ベルに「アーサー王」の本を読み聞かせてもらうシーンだけでもあと1000回観たい(狂)あの両手頬杖スタイルなんなん?????(あまりの可愛さにもはやキレ始める)

 

・お父さんの身代わりで城に監禁されたベルの身代わりで私が城に住むよ(真顔)

 

・♪愛せぬならば♪が予想よりもはるかに「芝居歌」になっていましたが、ラストの♪滅ぼせよ この身を~~~~~~♪がどこまでも伸びる伸びる。多分清水さんの体内には肺が4つある(ない)圧巻の1幕ラストでした。とはいえ、ビーストは歌が少な目なのがちょっと残念です。Wキャストの金本さんも歌めちゃくちゃうまいのにな〜〜〜〜!

 

・歌は言わずもがなですが、清水さん、芝居もうまかった(今さら)実は初めて「ノートルダムの鐘」のフィーバス隊長で観たときは、正直芝居の印象はあんまりなかったんですが…(めっちゃ熱血漢やな!という印象で終わった記憶ならあります←)

 

ベルに本の楽しさを教えてもらうシーンで、「本を読んでると、自分が誰なのかを忘れさせてくれる!」って明るく言い放った後、ふと現実に戻って「…いや、自分が『何』かを忘れさせてくれる」みたいなセリフがあったんですが、間の取り方うまぁぁぁぁ~~~~って全然別の観点で感動してました(ヲタ視点)

 

・ベルを村に帰してあげるシーンな!!!!!!!!!!!!!!もう良さを表現する語彙力が私にはないんですよ!!!!!!!!(開き直り)

 

・若干心配してた王子様ビジュですが(よぎる、長髪な清水ジーザスの武士っぽさ)、予想よりも100倍かっこよかったです…!!!!!(失礼すぎる感想)

 

相変わらずカーテンコールではキリっとしすぎてお顔は武士でしたが、ロイヤル感もきちんとあったのでめでたしめでたしです(拍手)人間に戻ってからずっとオペラグラスで追いかけちゃったもん←

 

・王子が人間に戻って歌うフレーズと、クライマックスでベルと2人で歌うフレーズが好きすぎる。めっちゃ一瞬ですけど!

 

・なんか感動のあまり、1周まわって「『リトル・マーメイド』でまたシェフ・ルイやらん?」ってなりました(謎)エリック王子も見てみたかったなぁ…さすがにもうやらないと思うので…。

 

他キャストはまとめてメモ。本当は1人ずつ細かく観たかったけど心の余裕が無さすぎました!!!!!

 

・大木ルミエールが客席に座る全員を落としにかかってきた(震)恐ろしい色男(色ろうそく?)ですよあの人。

 

・吉賀コッグスワース、というか吉賀さんがあまりにもオールマイティすぎて強すぎます。どの作品で観ても、脇からがっちり支えてくれる心強い役者さんです。

 

・金久ガストン、腕の筋肉が自前という点に私は感動しました。ガストンにしてはややトーン高めの声かな?

 

・山本ルフゥは実写版ルフゥと同じ匂いを感じました。♡ガストンLOVE♡が全面に出てて良きです。あと1か所ビビるくらいアクロバティックな動きしてて、客席が「ふぁ!?」ってなってました。

 

・潮崎ミセス・ポット、もう「美女と野獣」を知ってる全員が想像するであろう「ミセス・ポット」でした。聴いてるとほっとする温かな声質が最高です。

 

・戸田マダム・ブーシュ…戸田愛子さんって「オペラ座の怪人」でマダム・ジリーやってた方ですよね!?ひょええええ全然印象が違う!!役者さんってやっぱりすごすぎます。

 

・いつぞや観た「ライオン・キング」では、イケメンすぎるナラ(命名:私)だった朴さんが、まさかのバベットちゃん!こちらもまるで違うキャラだったのでびっくり&セクシーかつキュートなキャラもめちゃくちゃ似合ってました!しかしあの歌唱力を活かさないのはもったいないのでは!?

 

2022.10.25 ミュージカル「エリザベート」マチネ公演:確かにそこにいるわ、あなた

2022年4度目の「エリザベート」は、やっとこさの山崎トート回でした!ちなみに香寿ゾフィーも今期初でした。

 

今回はセリフに「おっ!」と思わされることが多かったです(まぁこの作品におけるセリフってわりと少ないですが…)

 

本当に一言だけなのに、そこに込められる感情が手に取るようにわかるセリフがたくさんありました。特にちゃぴシシィのセリフに多くて、歌だけでなく芝居もパワーアップしてるな…と感じました。ちゃぴさんの役者としての成長ぶりがまぶしすぎる…!


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以下、キャスト別感想です。

 

【トート:山崎育三郎さん】

何もつかめなかった(真顔)私がわかりやすい芝居を求める客だからなのかもしれないですが…。

 

・キャストが発表されたときに、「シシィよりも自分のことを愛するトートになりそうだな」と思ってたんですが、実際はそんな感じはあまりせず、かといってシシィのことを愛している感じもあまりせず、本当に「ただそこにいるトート」でした。

 

「死」なのでそういうお芝居の方針もアリかと思いますし、これはこれで新しいような…?「何を考えてるかわからない怖さ」はありました。

 

前評判とか聞くかぎりでは、もっと自己陶酔に走るトートかと思っていたので意外でした。トートはシシィの心情を写す鏡の存在なので、自己陶酔に走る系トートであればシシィのエゴイストな面が強調されて、それはそれで面白くなりそうです。

 

・表情はあまり変えずに比較的仏頂面が多く、たまに感情が動いたであろうときだけ目をクワッと見開いてました。

 

・実は少ーーーしだけ育三郎さんの歌に苦手意識があるからか(いや本当にめちゃくちゃお上手なのですけど)、山崎トートはもう少し芝居要素を多めに含んだ歌に寄せてほしいなと思いました。すごく上手なんですけどコンサートっぽかったというか…。

 

・いやでも本当に歌がうますぎる…!登場シーンの♪天使の歌は~♪は思いがけずクラシカルな歌い方だったのでちょっとびっくりでしたが、シーンごとにクラシカルだったりロックだったりと歌い方を使い分けてるのは素晴らしかったです。

 

・完全に現世に舞い降りた謎多き美声ロックシンガーと化していた♪最後のダンス♪、途中のセクシー吐息はちょっと笑っちゃいましたが(あれはおそらく韓国版トートのオマージュ?)、歌で劇場全体を制圧する圧巻の歌唱でした。ラストの歌い上げの声の圧がやばすぎて、シシィでなくとも耳塞ぎたくなりました。鼓膜が破れそう(真顔)

 

・要所要所でセクシー吐息を出してた記憶があるのですが、あまりにインパクトが強すぎて私が勝手に妄想して増えてる可能性もあります(?)

 

・紫色のウェーブがかったロングヘア&前髪真ん中分けという、超上級者スタイルでも違和感なくてうらやましすぎます。あれは本当に美人さんじゃないとできない髪型ですよね。

 

ゾフィー香寿たつきさん】

・香寿ゾフィーは「宮廷でただ一人の男」と言われた図太さや勇ましさみたいなものはあまり感じなくて、「フランツの母」であることが最初から強く出てる印象でした。

 

<その他雑感>

・面白かったのは、山崎トートの圧が強すぎる♪最後のダンス♪終了後、フランツがシシィに呼びかけるシーン。この日の佐しゅがーフランツの呼びかけ方が、絶妙に気の抜けた感じで、それまでトートが作り出した高揚&緊迫した雰囲気を、いい意味で崩してました。それにしてもあんな気の抜けた呼びかけ方されたら、なんだか不安になるな…。笑

 

・甲斐ルドルフ、全体的に良くなってました…!山崎トートとの方が声の親和性があるように思います。♪闇が広がる(リプライズ)♪は「この組み合わせだと、1番サビはトートが下ハモなんだな」と思って聴いてたら、育三郎さんが上パートを歌ってることに途中から気づいてびっくりしました。声の質感が似てませんか…!?

 

・ちなみに甲斐さんは、もう少しお芝居が大きくなるといいなってずっと思ってたんですが、今回かなりわかりやすくなってて個人的にすごく好みです。

 

♪ママは僕の鏡だから♪では、悲壮感あふれるというよりは、悩み相談ですら明るくしようとする健気さがあり、終始テンション低いままのシシィとの対比がより一層悲劇的に見えました。♪ママは昔ハンガリー助けた♪と歌うパートでは「あ、そうだ…!」って名案を思いついたような明るい表情になったりと、歌の中での感情の動きがすごく明確になったなと。独立運動失敗後に捕まってハプスブルク姓を名乗る直前、覚悟を決めたような大きめのため息をついてたのも印象的でした。

 

・黒羽ルキーニも本当にめちゃくちゃ良き!!!!!楽しんでお芝居されてるのが伝わってくる!いいね!ってにこにこしちゃいます(謎)

 

・そいえばロミオが3人いる回パート2でした(育三郎さん、甲斐さん、黒羽さん)