Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.9.10 ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」ソワレ公演(三浦・妃海ペア千穐楽):血みどろブラックコメディ


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2020年3月に観に行く予定だった「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」。

 

当時は開幕→中断→上演再開を経て、最後は中止になってしまったので、観ることは叶いませんでした。

 

カンパニー自体がとても小さく、すぐに招集がかけられたからなのか、1年ちょっとで再演が決定。ただし今回も(というか今回の方が)状況的には悪化していたので、無事に観られるのかどうか、当日まで心配でした。観られて本当に良かったですし、この後千穐楽まで無事に上演できたそうなので良かったです!

 

ディズニー映画音楽の神・アラン・メンケン氏が、作曲家活動のわりと初期にこの作品に楽曲を提供したということで興味を持った作品です。

 

劇中、ものすご〜〜く聴き覚えのあるメロディーが歌われて、「どっかで聴いたことあるなぁ」って思ってたら、海宝さんの2ndソロアルバムに入ってる♪Suddenly Seymour♪でした。なるほど、Seymourってこの作品の主人公のことだったんですね…!ちなみに日本語歌詞でも、サビの部分は♪Suddenly Seymour~♪って歌われてたのは違和感120%でした…。

 

上演時間は、休憩を抜いたら2時間弱というとてもコンパクトなミュージカル。登場人物も少なく濃ゆいキャラしか出てこなかったので、「濃く!短く!」な印象でした。

 

あらすじは、例えるなら「アラジン」に大量のブラックユーモアをまぶした感じ。主人公・シーモアは貧しくはないけれど、孤児院育ちで自己肯定感が低く、でも心優しい青年。ヒロインのオードリーは、プリンセスではないけれど、キラキラしててかわいくて、シーモアにとっては高根の花な存在。オードリーⅡは3つどころじゃない、たくさんの願いを叶えてくれる不思議なお花。ただしその代償は「人間の血肉」…と、なんとなく「アラジン」っぽいなぁと思いながら観てました。

 

オチは正直「え????」でしたが、作品のノリのせいかあまり悲劇には感じられなかったかな…。人の命を犠牲にしてまで自分の欲望を果たそうとする人間の恐ろしさを、コミカル&ダーク&カラフルに描いているのは、個人的には結構好みでした。

 

演出がところどころ独特で面白かったです!まさか3Dメガネを使って観劇する日が来るとは…。オードリーがシーモアとの理想の生活を語る場面で、舞台上にスクリーンが下りてきて、そこに映る映像を3Dメガネで観る仕様でした。3Dのクオリティとしてはさほど高くありませんが、劇場で見ると新鮮さがあり、まるでディズニーランドのようでした。

 

さらに客席で声を出せないため、オリン(石井一孝さん演じるクレイジー歯医者)に対する歓声を、「歓声を文字で書いた紙」をお客さんが頭上に掲げて表現する、という新しいタイプの演出が楽しすぎました。本当に一瞬しか使わないからもったいない気もしましたが、あれはあれで楽しかったな〜。舞台上から見たらさぞかしシュールなんでしょうね…。笑

 

今回は客層が良かったのか(?)とにかく客席がものすんんんんごく静かで本当にびっくりしました。三浦シーモア楽日だったので、彼目当ての若い女性ファンが多い印象でしたが、ほとんどがきちんとマナーを守ってたと思います(そもそも1人で来てる人も多かったけど…)唯一場内で話しまくってたのが、どうやら舞台関係者っぽいおっさんだったのはどうなんだ…。

 

簡単にキャスト別感想。

 

シーモア:三浦宏規さん】

・「レ・ミゼラブル」にてマリウスとして観たばかりでしたが、とにかく若くてかわいらしい~!!!という印象です。開演前の影アナウンスから、終演後のカーテンコールでの挨拶まで、とにかくずっとかわいかったです。

 

・作品の毛色が全然違うからだと思いますが、レミゼよりこちらの方が断然リラックスした雰囲気を感じられましたし、シーモアの方がのびのびと演じられてるような。役柄や楽曲(歌唱)もこちらの作品の方が合ってると思います(※個人感)

 

・表情がころころ変わってまるでアニメのキャラのよう。観てるだけで楽しかったですし、シーモアが心の奥底に持つちょっとした闇の部分が顔を覗かせる場面も上手かったです。ときどきものすごい狂気の顔するんですよね…。

 

・開演前の影アナウンスは、どうやら初日も生で話したようなのですが、この日も千穐楽だったからなのか、「急に生でしゃべることになっちゃって…」と話し始めた三浦シーモア。私はこの回が初見だったので、そういうリップサービスなのかと思いきや、どうも本当に初日以来だったそうです。

 

「噛まずに言えたら拍手してね!」って言われたので、アナウンス終了後は全力で拍手しましたよ…!こういう風にキャラクター(役者さん)がお願いだったり注意のアナウンスをすると、少なくとも客席は耳を傾けると思うので、作品によりけりですが取り入れられると良いなと思います。

 

・劇中はかわいそうになるくらい汗だくだくだったので、若さを感じました。新陳代謝が良すぎるんだろうなきっと…。

 

・終演後のカテコは、主演だけどカンパニー最年少だったため、共演者にいじられまくってました。挨拶がちょっと堅くなると「サラリーマンみたい」と言われ、「最近寒いので…」と言うと「今日あったかいよ!」と言われ…。たじたじになる姿が面白かったです。笑

 

【オードリー:妃海風さん】

・2020年は「秒速5センチメートル」と「チョコレートドーナツ」で拝見した妃海さんですが、ミュージカルで観るのはおそらくこの時初めて…?

 

第一声に「え!?!?」ってなりましたが、オードリー役はみんなあんなトーンで話すのでしょうか…。最初はあまりにも作りすぎた声で違和感ありましたが、聞いているうちになんだかクセになり、カーテンコールで普通のトーンで話し始める妃海さんに、逆に「!?」ってなるくらい、オードリーボイスが馴染んでました。笑

 

・オードリーはあんなにふわふわほわほわな女の子なのに、暴力的なオリンと付き合ってたり(しかも暴力振るわれても離れられなかったり…というのは典型的なDVというやつなのでしょうか…)、微妙に冷めたことをボソッとつぶやいたり、キャラクター勝ちみたいな部分があるので、演じてても楽しそうでした。

 

【ムシュニク:阿部裕さん】

・アルコ伯爵ぅ!?!?!?!?(CV:古川ヴォルフ)

 

・2020年公演では岸祐二さんが演じていたムシュニクさん。岸さんのご都合がつかなかったのか、阿部さんにバトンタッチされてました。どことなくかわいらしさを感じるおじさま役が似合います。

 

・ムシュニクさんは一番かわいそうな役どころでした。優しかったのにあんな目に遭うなんて…。

 

【オリン:石井一孝さん】

・人の痛みが自分の快楽になるドSな歯医者オリン。石井さん、素なのか…?というくらいノリノリでした。笑

 

・オリンの顛末は決して笑い事じゃないんですけど、あれは笑っちゃいます…。

 

というわけで、良い意味で「B級」ブラックコメディなミュージカルでした。なーんも考えずに楽しめる作品も大事だよなぁとひしひしと感じたので、再演あったらまた観に行こうと思います!

2021.9.2 DISCOVER WORLD THEATRE「ウェンディ&ピーターパン」ソワレ公演:考えてみよう 楽しいことを

やっと2021年9月の観劇記録までたどり着きました~!相変わらず遅筆なので、ずっと追いつかないままな気もしている今日この頃です。

 

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「ピーターパン」の物語を、ウェンディの視点から描くというコンセプトに興味を持ったのと、「堤真一さんのフック船長を観る以外の選択肢ある?????」ということで、観てきました「ウェンディ&ピーターパン」。

 

www.bunkamura.co.jp

 

何が良かったって、とにかく舞台装置と装飾が超絶好みでした。3階席からの観劇だったため、正直そこまで細かくは見えなかったんですが、上演前に配置されていた舞台セットが「これこの後セット変わるの?」ってくらい、かわいらしいドールハウスのようなウェンディたち姉弟の寝室で、始まるまでまじまじと眺めておりました。例えるならシルバニアファミリーの人間サイズ版みたいな印象。

 

ネバーランドのセットもなかなかおしゃれで、巨木がそびえ立つ広場、ピーターやロストボーイズの住処、どちらもよく作りこまれていました。そしてびっくりだったのが、フック船長が持つジョリー・ロジャー号。舞台裏のどこにそんなデカい船がおさまってるんです!?と思うくらい、わりと立派な海賊船が舞台奥から出てきたのには驚きでした。

 

「ピーターパン」の物語をウェンディ視点で…という点は、正直あまり感じられませんでした。確かによく知られている映画版では、ウェンディはフック船長とは戦っていないですし、タイガー・リリーやティンクと徒党を組むなんていうのもなかったですし、ウェンディをかばってタイガー・リリーが死ぬ展開もなかったので、「女の子キャラ」に比重を置こうとしているような意図がありそうでした。

 

ただ「ピーターパン」の話って、そもそもウェンディ視点で描かれてなかったっけ…?(今さら)と、観ながら思っていて、特に新しさを感じる部分はありませんでした。1幕・2幕ともに、やや中だるみを感じるシーンはありましたが、総じて観て良かったです。

 

好きなシーンが2つありました。

 

1つはフック船長がなぜピーターを追いかけまわすのか、その理由を吐露するシーン。どんどん老いていくフック船長とは違い、ピーターはいつまでも子供のまま。そんなピーターを見てフックは、「お前の若さがうらやましい。挑戦したり失敗できる時間があるお前がうらやましい」みたいなニュアンスのセリフを発していました。

 

子供のころはあまり意識することもないけれど、大人になれば否が応でも結果を求められたり、失敗を責められたり、何度も同じ失敗をすることは決して許されなかったり、「求められるもの」に対して「それを完璧にするまでの時間」があまりにも少ない。だからフックが永遠に子供のまま、時間をいくらでも持っているピーターをうらやむ気持ちはわかる気がしました。

 

ただピーターは「永遠に子供」なので、「成長」もせず(身体的に、ではなく人として)、いつまでも遊んで暮らすという運命。それはそれでとても不幸なことなのでは…と思います。

 

(純粋に不思議なんですけど、ネバーランドではピーターやロストボーイズは年を取らないのに、フック船長やスミーたち海賊は年を取るのね…?)

 

2つ目は、ピーターがウェンディに、自分の出生の秘密と、ロストボーイズの秘密を話す場面。ピーターは(おそらく生まれてあまり年数が経たないうちに亡くなって)ネバーランドに行き、しばらくして母親に会おうと思って家に向かうと、そこには新しい子供(おそらくピーターの弟か妹)を抱いて笑う両親の姿があったから、そのままネバーランドに戻ってきたそう。それを聞いたウェンディはピーターがかわいそうだと言いますが、ピーターは「両親が笑っているんだから、それはとても幸せなことだ」と。

 

そしてロストボーイズも、実はみんな亡くなった子供たちで、いったん夜空に浮かぶ星になった後、遺された家族が哀しみを忘れて心から笑顔になれた瞬間に、星からネバーランドに子供の姿で落ちてきて、彼らはそこで幸せに暮らすそうです。

 

「亡くなったトムのことを忘れたくない」と言うウェンディに、「トムのことを忘れるんじゃない。トムを失った悲しさを忘れるんだよ」と返すピーターの言葉がグサッと刺さりました。大切な人を失って悲しむのは当然のことですが、いつまでも悲しんでいると、きっとその人も浮かばれないんだろうな…。きれいごとかもしれないけれど、遺された人が幸せに笑って暮らすことが、何よりの供養になるんだろうなと思いました。

 

キャスティングはことごとく全員ハマってたと思います。各々のキャラクターの魅力がはっきり伝わってきました。ジョンとマイケルが完全に声変わりした成人男性だったのは、はじめは違和感あったけど、黒木華ちゃんがウェンディ役な時点で仕方ないような気もするし…。

 

印象的だったキャストの感想を少しずつだけメモ。

 

ウェンディ役の黒木華さん。

売れっ子役者さんですが実はあまりたくさん見たことはなくて、私の中では今でもドラマ「リーガルハイ2」のヒッピー弁護士なんですけど、とにかく声がはちゃめちゃに良かったです。マイクを使っているとはいえ、ぼそっとつぶやくセリフもはっきりこちら(3階席)まで届いてましたし、声での感情表現がとにかく上手で、表情を見ずとも感情がしっかり伝わってきました。

 

ビジュアルは、ピーターが言うセリフにもあった通り「涼やかな顔」で、実年齢に不相応な幼さを感じました。ウェンディがフックに無理やり着せられるブルーのドレスがすごく似合ってたなぁ。ぜひ他の舞台でも見てみたい役者さんになりました。

 

ピーターパン役の中島裕翔さん。

彼は歌って踊れるジャニーズですが、私の中では生田斗真さんや風間俊介さんのような「ジャニーズの中の正統派俳優」のイメージが強いです(とはいえ「半沢直樹」くらいでしか見たことないんですけど)いい意味でジャニーズらしい派手さがなく、堅実なお芝居をされる良い役者さんだなと思っています。

 

ピーターパンを大人の男の役者さんが演じるのは、なかなかハードルが高いのでは思いましたが、無邪気さと陽気さの中に、いびつな感情を持つ様子が見え隠れして、単純にかっこいいとか、素敵だとは思えないピーターパンでした(※褒めてます)一筋縄ではいかないというか。あのテンションを常に保つために、どこかで心を殺してるんじゃないかと思う瞬間がいくつかあって、一見楽しそうに生きているピーターにも、彼なりに悩んだり思うところがあったりするんじゃないかと思えました。

 

ちなみに「あ、やっぱりアイドルなんだなぁ」と思ったのは、1人だけやたらフライングがうまかったところと、1人だけやたらダンスが軽やかだったところ。笑

 

ティンカーベル役の富田望生ちゃん。

「ピーターパンのことが大好きで、ウェンディを目の敵にするツンデレな妖精」というキャラクターはそのままに、パステルピンクの原宿ファッションに身を包み、口を開けば「クソガキ!!!!」だの「病む」だの、信じられないくらいの口の悪さでした。笑

 

とにかく美味しい役どころで、「みんなが知ってるティンク」に寄せるというより、ティンクのキャラを富田望生ちゃんに寄せた感じ。

 

ちなみにフックに刺されたティンクを、ピーターの呼びかけで会場にいる私たちが拍手でよみがえらせるっていう、まるでデパートの屋上でやるヒーローショーの一幕のようなシーンがあったんですが(笑)、「うるせええええええええええええ」って言いながら目覚めたので爆笑しましたw

 

スミー役の玉置孝匡さん。

役者さんが、というよりスミーがかわいかった…。フックに恋、の一歩手前くらいの感情を持っていて、何かにつけて「船長~船長~」って絡みに行く姿にほっこりさせられました。恋じゃなくて、ただ一緒にいたいんだろうな、というあのすれすれの感情表現が素敵でした。

 

そしてフック船長/ミスター・ダーリング役の堤真一さん。

声が渋くてかっこよすぎて耳が…耳があああああ(真顔)ダンディすぎるあの声を全身で浴びてきたので寿命が延びました。テレビで聞くよりも深みがあるというかコクがある声でした(謎)

 

堤さんも黒木さん同様、声での感情表現が素晴らしく、フックとダーリングでの声色の違いや、フックの冷酷な面と人間としての悲哀を感じる面、それぞれでの声の使い分けが聞きごたえありすぎました。堤フック船長に「ハニー」って呼ばれたい人生だった(ウェンディがそう呼ばれてたので)

 

カーテンコールがめちゃくちゃ楽しくて、出演者が出てきてお辞儀した後に、みんなで踊って楽しく終わり!でした。なぜか銀テープまでぱぁーん!ってなったのは笑っちゃったけど、のそのそと踊る堤さんの貴重な姿も見られたので良かったです…!!

古川雄大 ミニアルバム「i be」:5つの「繋がり」

i be - EP

i be - EP

 

先月末、私の推し役者さんである古川雄大さんが、アーティストとしてのミニアルバムを発売いたしました(祝)

 

かなり前にもブログに書きましたが、ミュージカル役者としてでなく、アーティストとしての古川さんも大好きな私としては、今回のミニアルバム発売はうれしすぎて、完全に\待ってました!/状態でした。

 

発売日になった瞬間、mora(ソニーの配信サイト)でダウンロード購入し、愛用しているWALKMANに入れて、部屋を真っ暗にしてそのまま布団に入って、どきどきしながらまるっと3周聴きました。こんなに新譜が待ち遠しかったの、いつぶりだろうか…。

 

というわけで(?)せっかくだしアルバムの楽曲を聞いた感想とか色々メモしておこうかなと思い、この記事を書いております。

 

タワレコ渋谷の期間限定ポップストアに展示されているご本人による楽曲解説や、インタビュー記事をいくつか読みましたが、そこはあまり踏まえず、あくまでも私個人が感じたことを記録していこうかと。

 

ちなみに配信音源を購入しているので、歌詞カードがない…ので歌詞聞き間違ってたらすみません。よく聞き間違えるんだよな()

 

余談ですが、奮発してハイレゾ音源を購入しました(ドヤァ)

 

【全体を通しての感想】

・しっとり→ポップ→ポップ→ポップ→しっとり、で構成されていて、アルバムを通して聴いたときのテンポ感が好きです。♪line♪と♪夜に咲く花♪は逆に収録されてても良さそうとは思いつつ、発表済みの楽曲2曲で新曲3曲を挟むのも、聴きやすさがありました。

 

・1つすごく気になったのは、曲と曲の間が比較的短かったこと。これはCDだとまた違うのかな…?もう少し1曲ごとに余韻に浸らせてほしかったです。曲が終わったら次!!みたいな印象だったので。

 

・アルバムとしては、前回の「love song」よりも好き。でも「F coat」にはかなわない、くらいの立ち位置です。今のところ。

 

・古川さんの楽曲は、甘い歌声とメロディがとにかくツボにハマるんですよね…そしていくら聴いても全く飽きないのが本当に不思議です。「F coat」なんてここ3年くらいずっと聴き続けているような。

 

【各曲ごとの感想】

1. 指先、手

・こちらは昨年発売済みの楽曲。最初の数回聴いたときは、あんまりピンとこなかったんですが、聴けば聴くほど好きになるスルメ曲でした。ちなみに最初に聴いたときの印象は「キー高っ!!!!!」でした。

(歌い出しのフレーズのキーがかなり高めです)

 

・主演ドラマの主題歌だからか、すごく手の込んだ音で作られた印象もあります。ストリングスがふんだんに使われてて、しっとりしつつゴージャスな感じ。

 

・理由はよくわからないけど、なぜかラストサビの♪愛の可能性と〜僕たちの〜儚さ〜♪の歌い方が好きです。

 

2. ライムサワー

・タイトルだけ見たときは、こちらが疾走感あるテンポの楽曲で、♪ニセオモイ♪が少し落ち着いたテンポの曲になるのかな…と予想してましたが、完全に真逆でした。笑

 

・古川さんの女性目線の曲って結構珍しいのでは?私の大好きな♪アナタノトリコ♪が女性目線曲なのですが、共通項があるからなのか、初めて聴いたときに「この曲ってもしかしたら♪アナタノトリコ♪の続編なのかなぁ」と思ったり。若かったあの頃の苦くて甘い恋の想い出を歌った曲っぽいので。

 

・「机に置いてあったライムサワーから着想を得た曲」らしいのですが、1つの飲み物からよくここまで想像を広げられるよな…イマジネーション無限大ですか(謎)

 

・淡々と歌うAメロから、サビにかけて想いが溢れていく展開が良き。未練たっぷりな最後の♪大丈夫 わかってる♪が好きです。絶対大丈夫じゃないし絶対わかってないじゃん…。♪伝えられない言葉6文字 シンクに流し捨て去った♪も好きな表現。

 

3. ニセオモイ

・また大好きな曲が増えたーっ!(喜)イントロからアウトロまで、メロディも歌詞もツボすぎる…!

 

・アップテンポなのにどこか切ないメロディが大好きすぎます。イントロの雰囲気と、ラストのラジカセのボタンを押しているような音から、これも若い頃の甘酸っぱい片想いを、大人になってから振り返ってる曲なのかなぁと勝手に想像しています。

 

・ラストサビの♪空虚な明日に向かう~♪の部分の歌声が好き…!

 

・ちなみに曲の主人公が「夢に出てきた女の子がちょっと気になって恋しちゃう男の子」なのですが、私の夢にはわりと定期的に古川さんが登場します(どうでもいい)さすがに週2で登場されたときには、起きた瞬間「またか…」とつぶやいてしまいました。そろそろ夢への出演料とか払った方が良さそうな頻度では。笑

 

4. line

・古川さんらしい応援歌。♪7割くらいでいい♪という歌詞に、思わずふふっと笑ってしまいました。

 

・ライブの終盤、みんなでペンライトをゆらゆら振りながら楽しむ曲になるんだろうな。

 

5. 夜に咲く花

・確かコロナ禍になって最初の緊急事態宣言のときに、インスタに音源だけ上がった楽曲。当時歌詞はテロップで表示されていて、2021年初めの配信ライブにて初めて歌として披露されていました。「CDにならないのかな~」と思っていたら、今回やっとこさ収録されました。わーい!

 

・こちらも「らしい」1曲だなと思います。「夜」と「花」ってあんまり結びつかないんですが、実際に夜になると咲く花があるそうで、暗い中でも輝きを失わない強さを感じるメッセージソングになっていました。

 

・ラストのサビで転調するところが好き!!!

 

ハイレゾ音源だからなのか(?)歌いだしの声がダイレクトに脳内に歌いかけられてるみたいな臨場感が味わえました。ところでこの曲だけ全体的に鼻声に聴こえるの、私だけ?風邪引いたのかな…と思ってしまいました。

 

現時点で好きな楽曲順に並べるとしたら、

 

ニセオモイ

指先、手

ライムサワー

夜に咲く花

line

 

かなぁ。

 

昔から「物語っぽい曲」が好きなんですよね。なので応援歌とかメッセージ性が強い曲よりも、短編小説みたいだったり、何か一つの大きなコンセプトがある曲がお気に入りになる可能性が高いです。でも5曲とも好きですよ(結論)

 

舞台に映像にとかなりお忙しそうなので難しいかもしれませんが、前作・今作とミニアルバムが続いているので、もう少し多めに楽曲が収録されたフルアルバムも聴きたいなぁ…。

 

今後も「アーティスト・古川雄大」に注目していきたいと思います…!

ドラマ「カムカムエヴリバディ」:笑って 愛おしい人

www.nhk.or.jp

 

最終回から1か月近く経ってしまいましたが、今更な感想を簡単に残しておこうと思います。

 

ドラマの主軸となっている「3人のヒロイン」や、世代を引き継ぎながら進む物語、その中で描こうとしているテーマは、個人的にとても楽しめましたし、良い作品だなと思っていました。

 

「思っていました」と過去形になっているのは、3人目のヒロイン・ひなた編が始まったころから終盤にかけての「伏線回収」への力の入れっぷりにドン引きしたからです。ミステリードラマであればそれは必須ですが、このドラマに果たしてあそこまでの伏線回収は必要だったのかな…。

 

正直ラスト10回分くらいは「アニーヒラカワ=安子なのか」をあまりにも引っ張るので、見ていてうんざりしてきてしまい、でもせっかくここまで見てきたのだからと最後まで見ましたが…。最終回はいろんな伏線をナレーションですべて語り、ほぼ強制終了のような感じで、余韻が全く感じられませんでした。

 

安子編……は、実はあんまり好きではなかったんですが、るい編は比較的好みだったので(深津絵里さんのお芝居とクリーニング屋のご夫婦のあたたかさに泣かされました)、なんだかなぁ…という印象で終わってしまったのが残念です。

 

とはいえ、世間的にはわりと評判が良かったようなので、私のツボがずれていたのでしょう(自己完結)

 

仕事の状況が変化したため、これにて私の朝ドラ視聴はいったん終了!なんだかんだで初めに見た「エール」が一番楽しかったです!!!!!

2021.8.28 ミュージカル「王家の紋章」マチネ公演(東京公演千穐楽):古代エジプトへ、4度目にして最後の旅

4回目の「王家の紋章」。東京公演千穐楽でした。

 

さすがに4回も観たら、少なからず愛着が湧いた…!初見は「どうしよう…チケット取っちゃったけど、4回も観るのはなかなか厳しいな…」と思っていたのが正直なところでしたが、私がこの作品自体に慣れた(?)のと、カンパニー全体のクオリティがどんどん上がっていったので、その過程を楽しむという意味でとても興味深い作品でした。

 

ただ脚本はもうちょいどうにかしてほしい…………(切実)

 

楽曲は、ようやく耳慣れていくつかメロディーラインを覚えられたところで千穐楽になってしまって残念でした。CD出してくれないかな~。

 

東京公演千穐楽だったため、カーテンコールでの挨拶がありました。挨拶自体は、ライアン兄さんを除き、わりと真面目なトーンでした。が、スタンディングオベーションが鳴りやまず、4回ほど引っ込んだり出てきたりを繰り返すうち、どんどん小芝居が増えていったのが面白かったです。笑

 

海宝メンフィス、木下キャロル、大貫イズミル、朝夏アイシスがにこにこしながら手を繋いで横並びで出てきたり、舞台袖にはけるときに朝夏アイシスが華麗なターンを決めたら、その後に続く大貫・海宝・木下の3名が順番にその真似をしたり、大貫イズミルが木下キャロルを強奪しようとして海宝メンフィスが反撃して、最後は海宝・木下・大貫の3名で仲良くお辞儀してたりと、和気あいあいとした雰囲気でなんとも平和でした。

 

ちなみに帝劇1階席の最後列に初めて座ったんですが、すごく見やすいですね…?後ろに人がいないため、背筋をピンと伸ばしても大丈夫ですし、そもそも座席自体がその列だけ高めに段付けしてあるようで、前列の人の頭が舞台に被ることがありませんでした。仮に座高が高めの人が前に座ったらちょっとはかぶりそうですが、舞台全景が隈なくしっかり見えたので、最後列でも楽しめました。


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以下、キャスト別感想。

 

【メンフィス:海宝直人さん】

初日公演を観た時は、冗談抜きで「黒歴史になりそう………」とまで思ったんですが、回を重ねるごとに「海宝さんが目指すメンフィス像」と、「マンガの中のメンフィス像」がどんどん融合していくのが目に見えてわかりました。海宝さんがメンフィスを演じることを楽しんでる様子も、千穐楽ではしっかり伝わってきたので、本当に良かったなぁと(あくまでも観ている側の印象としてですが、それでも初日と千穐楽では明らかに違ってたもんなぁ…)

 

ディズニー作品で「アニメ→舞台」は経験されてますし…と開幕前は思ってましたが、さすがに45年前の少女マンガのぶっ飛びキャラを演じるのはわけが違ったんだろうな…。この役を経験したことでまた一回り大きくレベルアップされたのでは(保護者目線)

 

この回では「海宝さんノリノリじゃん…!」と思った瞬間がありました。それはキャロルが現代から再び古代エジプトに戻ってきて、メンフィスと再会したシーン。海宝メンフィスがにこにこしながら、木下キャロルの鼻を指でちょんってつついてて「少女マンガや…!!!!!!」ってなりました(注:少女マンガです)

 

初日公演ではいまいち感じられなかったキャロルへの愛を、この回ではきちんと感じられたのも良かったです。華奢な木下キャロルが折れるんじゃなかろうかというくらい、いたるシーンで力強くギューギュー抱きしめててほっこりしました。

 

逆にファラオとしての冷たさを感じたのが、墓荒らしをした嫌疑をかけられた人たちを自らの手で死罪にして、キャロルに責められるシーン。「なぜ申し開きもさせずに殺すのか」とキャロルに問われて、「定められた処罰だ」とメンフィスが返すのですが、そのセリフのトーンがゾッとするほど冷たくて…!なんの感情も込められてない【無】のトーンで、「こんなの当たり前なんだけどなんか間違ってる?」みたいな言い回しで背筋が凍りました。メンフィスが怒鳴るシーンや脅すシーンよりも、あの場面のあのセリフが一番怖かったです。

 

キャロルに似合う髪飾りを探してあげたのに拒否されて、挙句「これからは鉄の時代よ!」と言われたメンフィスが激怒して髪飾りを投げつけるシーンも、血管切れそうなくらいブチ切れてて良かったな…。あとキャロルを拉致られたときの「戦も辞さぬ!!!!!!」の激おこっぷりも…。

 

おそらく公演中にメイクが上達されたのでしょう。今回やっとこさ、海宝メンフィスがかっこいいと思えました(遅)(でもかっこいい!と思ったのが、キャロルを捕まえて品定めしてるシーンって我ながらどうなんですかね???品定めしてる横顔がとっても素敵だったんですけど…笑)

 

さて、これでリーヴァイさんが関係する作品にも縁ができたわけですし、そろそろウィーンミュージカルの楽曲、歌ってくれないかなぁ(支離滅裂なわがまま)

 

【キャロル:木下晴香ちゃん】

あまりにもかわいいので、メンフィスじゃなくて私の妃になってくれませんかね(やめなさい)木下キャロルも、初日公演よりずっとずっとず~~~~っと表情豊かで、動きも少女マンガのような大げさな感じが増えてました。手足がすらりと長いので、そういう動きがまた様になっていて素敵!

 

木下キャロルは、テンションが上がった時に声にならない嬉しい悲鳴をあげてるのがとってもかわいくて…。イムホテップ様が諸国の使者を連れてきた時に、いろんな人や物を見て、両手で口元を覆って「きゃー♡」って叫びそうになってたのが特に印象的でした!

 

イズミル:大貫勇輔さん】

カーテンコールでの挨拶を聞く限り、歌で相当苦労されたんだろうなと思いました。健闘はしていましたし、殺陣に関しては大貫イズミルは本当に素晴らしく、舞うような優雅さがありながら強さも感じました。

 

ただ総合的に見ると、平方イズミルが…!あまりにも強かったんだ…!!

(*あくまでも個人感です)

 

アイシス朝夏まなとさん】

歌は正直新妻アイシスに軍配が上がるかなと思いますが、個人的にキャラクターの表現としては、朝夏アイシスの方が好きでした。メンフィスに向ける気持ちが、空よりも高く、マリアナ海溝より深く恐ろしかった朝夏アイシス。新妻アイシスはメンフィスと2人きりの時だけ「女の顔」になりますが、朝夏アイシスはどんな時でもどんな場所でも、メンフィスに何かあればあからさまに態度に出すのが興味深かったです。

 

キャロルがメンフィスにビンタするシーン、ビンタされた海宝メンフィスの表情を確認したくてオペラグラスを構えていたのに、ビンタの瞬間、朝夏アイシスが失神しそうな勢いでふらふら~~っとナフテラの肩に倒れこんでいるのを見て、思わず笑ってしまいました。メンフィス強火担な朝夏アイシス様…。

 

朝夏さん、「ローマの休日」や「マイ・フェア・レディ」もそうですが、「ザ・ヒロイン」を演じられることもあります。でもアイシスを見てると、こういった闇属性のかっこいい女性の方が似合うのでは…と。元男役さんなのでおそらく低い声の方がきれいに出せると思いますし、すらりとしたスタイルなので、アイシスの衣装が全部似合ってましたし…。

 

 

他キャストだと、ナフテラ役の出雲さんが好きでした。4回観て4回とも安定感抜群。経歴を調べたら、お母さまが宝塚の役者さんで、出雲さんご自身も星組宙組・専科・月組と、かつて宝塚を支えていた娘役さんだったそう。キャロルに寄り添う姿が本当にお付きの人のようで、「たとえ時代が違っていても、この人なら信用できる・頼りになる」と、すぐにわかるような雰囲気が素敵でした。

 

次回再演になったとしても、よほど観たいキャストでない限り観ないとは思います。ただ、なんだかんだ言いつつ1か月間楽しませてもらいましたし、何より無事に全公演上演できて本当に良かったです…!