Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

ドラマ「私の正しいお兄ちゃん」:血の繋がりよりも愛を

www.fujitv.co.jp

 

見終わって2週間くらい経ってるので今更ですが…。

 

もともと昨年秋頃にFOD限定で配信されていたドラマ。同名マンガの映像化だそうです。年明けからフジテレビにて深夜放送されておりました。ただし地上波版はCM込み30分で収まるようにカットされており、フル尺で楽しむにはFODに加入しなくてはいけない、という仕組み(?)になっていました。

 

(深夜枠なのでリアルタイムではなく、TVerで楽しませていただきました)

 

ちなみにこのドラマを見ようと思ったきっかけは、主演の古川雄大さん。基本的に彼が出る映像作品にはあまり興味が持てないのですが、ラブストーリーであってもこれは結構ダークな感じになりそうで、甘々ラブストーリーが苦手な私でも楽しめそうだなと思いまして。

 

ごく簡単なあらすじを書いておくと、

 

大学生の理世(山谷花純さん)は、幼いころ両親の離婚が原因で、大好きな兄と離れ離れになってしまいます。その兄と再会し、ともに暮らすのが理世の夢。

 

ある日、理世はとあるカフェでバイトを始めます。そこで出会ったのは海利(古川雄大)という青年。彼はある事件をきっかけに不眠症を患っており、どうしても眠ることができなかったのですが、なぜか理世の肩にもたれると眠れるようになります。

 

こうしてバイトの休憩中やバイト終わりに訪れる公園のベンチで、海利に肩を貸すようになる理世。2人の仲も縮まっていき、理世は海利の自宅を訪れます。眠りに落ちた海利を見守る理世。部屋を見回す彼女の目に飛び込んできたのは、不自然にカバーが巻かれた1冊の本。興味本位でその本を開いた理世は、それが海利の日記であることを知り、さらにそこには、海利がかつて殺人を犯したことが書いてあり…。

 

というようなお話です。

1~3話あたりは2か月以上前に見たのに、よく覚えてるな私(自画自賛

 

以下、地上波版のみ見た私の感想です。

 

ぶっ飛びカップルすぎて怖いんですけど?????

 

設定としてはとても興味深かった………のですが、尺がカットされているからなのか、猛スピードで物語が進んでいくため、理世ちゃんと海利さんに全くもって感情移入できませんでした。2人の恋を応援したいな!とか、明るい未来が待ってるといいね!とも思えなかったので、2人の決断に終始「お…おぅ…」となって終わったな…。

 

そもそもなんですが、2人がくっつくきっかけとなる、海利さんの「眠れないから肩貸して?」が、なぜか私としてはめちゃくちゃホラーでしかなく…。出会って間もない女の子によくそんなこと頼めるな人の心がないんか感情がないんか顔がいいから許されるとか思ってんd(以下略)などと心の中で唱えながら見ておりました(真顔)

 

あれだけ幼いころに親しんできたお兄ちゃんが、成長したらク〇人間になっていたからといって、比較的あっさりと気持ちに見切りをつけ、あろうことかそのお兄ちゃんを殺した海利さんを愛してしまう理世ちゃんも、なかなかのメンタルの持ち主だなと(まぁドラマだし、マンガだし)

 

あと理世ちゃんのために一生懸命になっていたあの警察のお兄さん、かわいそうだったな…。というか結果的に罪を見逃してることになるんですけど、あれで良かったんでしょうか???

 

若干いかがわしく思ってたタイトルの意味が、最終回に向けて「ああなるほど」と思えるような作りになっていたり、「家族=血のつながった人」にNOを突き付けてるのは面白いなと思いました。正確なセリフは覚えてないけど、理世ちゃんの最後のセリフがとても印象的だったな…(「正しい家族」なんて私は知らない、みたいなセリフでした)

 

海利役の古川さん。映像作品だとどうにも色モノっぽいキャラクターが多い気がしていましたが、海利役は真骨頂だなと思いました。どうしてあんなにも「負」の感情表現が上手なんだろうか…。怒りや悲しみで震える古川さんを見ると、かわいそうとか思うより先に「いい芝居してるな~」と思ってしまいます(上から目線)

 

いつか地上波ドラマで、完全にタガが外れたヤバい悪役とかやってほしいんですけど…お茶の間にトラウマを残すようなお芝居を披露してほしいです。

 

(個人的願望としては、来月から始まる一生さんと柴咲コウさん共演のドラマ「インビシブル」に出演してほしかった)(古川さんは同クールの別ドラマに出演されるとのこと)(しかもまた私が興味持てそうにないやつ…)

 

ちなみに映像で見るといつもカメラ映りが微妙な気がしていたのですが、このドラマは全編通してまるで彫刻のような美しさで撮られていました。ドラマのスタッフさんたちが、古川さんの魅力を熟知していたとしか思えない…。

 

ヒロイン・理世役の山谷花純さんは、このドラマで知った役者さん。とにかく目がまんまるで大きいのが印象的でした。その大きな瞳からしょっちゅうぽろぽろと涙を流すので、演じるのもさぞかし大変だったのでは…。

 

普段だったら絶対に見ないジャンルのドラマだったので、こういう作品もあるんだな~ということで、知見を広げることができたのは良かったなと思います!(と、無理やり締めてみる)

2021.8.21 ミュージカル「王家の紋章」ソワレ公演:気高く哀しい新妻アイシス

王家の紋章」3回目の観劇。

 

この日の開演3時間ほど前。最寄り駅のホームでスマホを見て、目に飛び込んできたニュースの衝撃に膝から崩れ落ちました。

 

「古川雄大、コロナに感染。予定していたコンサートは全公演中止」

 

今からどんな気持ちで「王家の紋章」を観ろと???

(情緒不安定マン)

 

(あまり言い方はよろしくないですが)よりによって同じ日に、しかも開演前に、このニュースは聞きたくなかったというのが本音でした。

 

「海宝メンフィスを観ながら古川さんの心配しちゃいそうだなぁ」と一瞬不安になりましたが、全然別のことを考えながら観るのは、「王家の紋章」カンパニーに失礼だと思ったので、いったんこのニュースは全力で忘れることにしました(古川さんごめんなさい!!!!!)

 

幸いにもこの日は母と観劇。母は古川さんにはまるで興味なしなので、全く違う話題を話しながら開演まで過ごし、おかげで「王家の紋章」に集中することができました。

 

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この日のキャスト。なかなか良き組み合わせでした!あくまでも「歌」メインで考えるのであれば、海宝さん・平方さん・新妻さんは外せないと思います(※個人感)

 

やっぱりいたるシーンで「いやなんでやねん!」って思っちゃうんですけど、初見みたいな"虚無"を感じることはほぼなくなり、「これはこれで楽しもうフェーズ」に突入しました。楽しもうと決めたら徹底的に楽しめるのは私の強みです。笑

 

でも本当に、内容についての感想がまったく浮かばない…。作曲担当のリーヴァイ先生は、きっとアイシスイズミル推しなんだろうな、というのを、楽曲を聴きながら思ったくらいでしょうか…。笑

 

以下、キャスト別感想。

 

【メンフィス:海宝直人さん】

・何となく感じていたお芝居のちぐはぐさが消え、全体的に観やすくなっていました。それに伴って、観ている方が「うむ…なんか恥ずかしいな…」と思うこともなくなりました。ぶっ飛んだセリフや仕草に全くためらいがなく、「少年王・メンフィス」が板についてきたな~と。

 

・この作品でのメンフィスは、ファラオに即位したばかりという設定。周囲の人たちみんなが自分の言うことをなんでも聞いてくれるし、指図をすればすべてが自分の思い通りになることに、責任よりも愉悦を覚えていたんだろうなと感じました。

(ファラオ=神なので、おそらく今でいう「大統領」とか「首相」なんかよりも、よほど位が高いイメージなんだと思います)

 

だからこそ自分に歯向かってくるキャロルに対して、ムカつくというよりも「おもしれー女」になるのは無理ないのかもしれません(当初は女どころか「モノ」扱いでしたけど…)

 

この回の海宝メンフィスは、そのあたりの感情の動きがよく見えるようになってたと思います。少年王として即位し、周りを意のままにいろいろ動かすのを楽しんでる印象を受けました。

 

【キャロル:神田沙也加さん】

・「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のサラ役で観て以来、2年ぶりに舞台上で拝見しました。サラもなかなかぶっ飛んだヒロインでしたが(風呂が好きなことしか覚えてない…)、「ぶっ飛びヒロイン」を演じるのが本当に上手だなと、今回神田キャロルを観て感じました。

 

・ディズニー映画での吹き替えをやってることもあり、ああいう「ちょっとデフォルメしたセリフ回し」が全く嫌味に感じないですし、歌唱は正直晴香ちゃんの方が好きなのですが、あの「ザ・ヒロイン」な声質は神田キャロル独自で色が濃くて良かったです。仕草や表情もいちいち「マンガチック」で、「マンガの中のキャロルの再現」としては、おそらく神田キャロルが「正統派」なんだと思います。

 

・勝手に初演から出てたと思ってたけど違うんですね…!?あまりにもなじんでるので、初演からの続投キャストかと思っていました。

 

・ぶりっ子みたいな仕草もするのに、観ていて全然嫌な気分にならないのは本当に強い。同性からも好かれるタイプの役者さんですよね。

 

・外部キャストとして、四季版「アナと雪の女王」にも出てほしいんですけど無理ですか!?!?!?

 

*上記は観劇直後に書いた感想です。まさか数ヶ月後、あんなに悲しい出来事が待っているとは予想もしていませんでした。ミュージカル界からまた1人、素晴らしい役者さんがいなくなってしまったことを本当に残念に思います。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

イズミル平方元基さん】

・平方イズミル本当にかっこええ!!!!!

正直他の作品の平方さんのビジュアルがあまり好みではなかったのですが(「エリザベート」のフランツとか)、イズミルは衣装もメイクもばちっとハマってました。

 

 ・イズミルはなぜかソロ曲が連続しており、2曲連続で同じキャラクターが歌うとなかなかダレそうなところを、そんな風に感じさせないメリハリの効いた歌い方で乗り切ってました。いや本当にかっこええ(大事なことなので2度書いておく)

 

アイシス新妻聖子さん】

・やっとミュージカル作品に出演されてる新妻さんを見られました~!これまではテレビやミュージカルコンサートで拝見していたので…。

 

・新妻さんはもともと原作の大ファンとのこと。初演・再演はキャロルとして出演され、再再演である今回はアイシス様としてのご出演。ご本人めちゃくちゃ楽しいだろうな~。

 

・意外だったのは、(私が観た印象だと)朝夏アイシスの方がメンフィスに向ける気持ちが重たそうだったこと。恋する女の重たいオーラがあると言うんでしょうか…。新妻アイシスは、あくまでも「自分は女王である」という前提があるので、メンフィスがキャロルに目をつけたときも、メンフィスが危篤状態になったと聞いたときも、目に見えて激しく取り乱したりはしていませんでした。

 

ただし人前では気持ちを押さえつけているぶん、1人きりになったときに発散する感情の大きさはとてつもなく、♪想い儚き♪は最初から涙ながらに歌い始めて、大サビは絶唱状態。すごい迫力でした。

 

・ということで、歌が本当にすごい(知ってた)冒頭でアイシスが歌う♪王家の呪い♪は、キャロルのみならず帝劇全体に呪詛の言葉を吐いてるみたいで怖すぎました。新妻さんご自身はわりと小柄なんですが、客席ごと飲み込みかねないスケールの大きさを歌で感じました。

 

映画「スパイダーマン」シリーズ見比べ評

今年のお正月は、新年早々全身赤タイツの青年を延々見続けておりました。合計するとざっと18時間くらいでしょうか。

 

というのも全身赤タイツの青年、もといスパイダーマンの新作映画に向けた準備のため、過去作を見返していたのです。

 

www.spiderman-movie.jp

 

この新作映画では「マルチバース」という設定が使われることになり、いわゆる「パラレルワールド」的な展開が可能になりました。

 

おかげで(?)過去作に出てきていた悪役が続々登場するということで、記憶がおぼろげになっていたサム・ライミ監督版とマーク・ウェブ監督版、そして「アベンジャーズ」に仲間入りしているジョン・ワッツ監督版を再鑑賞しました。

 

連続で見たからか、同じ「スパイダーマン」なのに結構異なる印象を受けたのが興味深かったので、自分用の備忘録としてメモを残しておこうと思います。

 

!!以下、個人的見解や感想です!!

(アメコミには全く詳しくないのでいろいろ間違ってるかも)

 

サム・ライミ監督版「スパイダーマン」シリーズ(2002年~2007年)

・私の中で「スパイダーマン」と言えばこちら。まごうことなき元祖スパイダーマン。とはいえ、1作目は面白かったけど、当時続きを見たいとは思えず、2・3作目は今回の「おさらいマラソン」中に初めて見ました。ちなみに私の家族は続編もしっかりチェックするくらい、サム・ライミ監督版がお気に入り。

 

サム・ライミ監督は元々ホラー映画で名を挙げた人らしく(*)、そのせいかシリーズを通して比較的ホラーっぽい演出が多い気がします。

サム・ライミ監督の他作品を見たことがないので何とも言えませんが、「死霊のはらわた」はタイトルを聞いたことあります。

 

・主人公・スパイダーマン(ピーター・パーカー)を演じたのは、トビー・マグワイヤ。「頭はいいけど根暗で人と打ち解けるのが苦手、やさしいけれどどこか野暮ったい」というピーターの人物像に一番ぴったりなのではと、改めて見返しても感じました。トビーをスパイダーマンにと推薦した人天才。

 

・3作すべてを振り返ると、一番印象的シーンがあるのは「2」。スパイダーマンが工事中で先のない線路から落ちそうになる電車を止めるシーンです。

 

命がけで乗客を守ろうとするスパイダーマンが、なんとか電車を食い止めた後に意識を失い、さらに顔をおおうマスクが取れてしまったため、素性がわかってしまうんです。

 

でも素顔のスパイダーマン、もといピーターを見た電車の乗客たちは、その後意識を取り戻した彼に対して、「このことは誰にも言わない」と約束し、さらには襲いかかってくる敵に向かって、「我々が彼を守る」とみんなで立ちはだかるんですよ…(涙)

 

思えばサム・ライミ監督版とマーク・ウェブ版には、「一般市民がスパイダーマンを助ける」描写がちょこちょこあったような気がします。マーク・ウェブ版の「1」で、工事のおっちゃんたちがクレーンを全稼働してくれるシーンも大好き。

 

・「3」にはまさかのヴェノム登場でびっくりしました。私はトム・ハーディが演じるエディ・ブロック(ヴェノム)しか知らなかったので、こちらの方が過去に制作されているけれどものすごく新鮮でした。ちゃんと「鐘の音が苦手」設定もあったんだなぁ…(当たり前)

 

・このシリーズ唯一にして最大の欠点(というと失礼ですがあえて)は、ヒロイン・MJのキャラクター描写。物語の流れ上、どうしても「ヒロインがさらわれる(しかも高所)→スパイダーマンが助けに行く」というエピソードが繰り返されるのですが、そのせいかMJはやたら叫んでばかり。何度もさらわれるので、危機管理能力ないんか!?と思ってしまいます(物語を進めるために仕方ないのはわかるけど!)

 

そしてさらにイラっとしたのが、MJの煮え切らない態度。ピーターに気があるように見せておいて他の男と婚約し、そのまま結婚するかと思いきや、結婚式当日に相手を式場に置いてけぼりにしてピーターの元に走るという、あまりにもぶっ飛んだヒロインでした。他にもこまごまと不満はあるけど、自重します←

 

・グリーンゴブリン(ウィレム・デフォー)は、私の中で映画史に残る素晴らしいヴィランです(断言)

 

② マーク・ウェブ監督版「スパイダーマン」(2012年~2014年)

・おそらく最も不遇なシリーズとして有名なマーク・ウェブ監督版。前シリーズからたった5年でリブートしたものの、興行収入がいまいち振るわなかったり、権利関係のごたごたがあったせい(だったと記憶してますが違ってたらすみません)で、わずか2作品、物語としても非常に微妙なところで終わってしまったシリーズでした。

 

・主演はアンドリュー・ガーフィールド。比較的がっしりとした体形のトビーに比べると、背がひょろっとしてて確かに現代の青年という感じではありました。ただどう見ても「非モテ」には見えず、かなり洗練されたピーター・パーカーでした。確かキャラクター像も、サム・ライミ監督版ほど野暮ったい感じではなかったはず。オタクっぽくて周囲から浮くのではなく、あまりにも正義感が強すぎて浮くという印象でした。

 

・ヒロインはMJではなく、グウェン・ステイシーに変更。コミック版ではどうやらグウェンと恋に落ちる方が先(?)みたいな話を聞きました。演じていたのはエマ・ストーン。とにかくどのシーンでもかわいらしく、ヒロインとしての華々しさと、いざとなったら自分もピーターと戦おうとする強い姿勢が好きでした。敵にさらわれて絶叫することもほぼなかったし…(多分)

 

・一方でヴィランがあまり魅力的でなかったシリーズでもありました。特に1作目は本当に覚えてないくらいの印象の薄さ(トカゲ男…)2作目のエレクトロは、キャラクター描写が比較的しっかりされており、孤独な男が哀しみから悪に走るというような印象でした。グリーンゴブリンは、今シリーズではピーターの親友・ハリーが変身しますが、かなりいまいち。デイン・デハーンの病んでるお芝居は良かったんですけどね。

 

・それにしても終わり方の微妙な感じよ…。当時映画館まで友達と見に行きましたが、あまりの展開に終盤思わず顔を見合わせたくらいでした。しかしあのすっとんきょうな展開が、まさか新作であんなに泣けるきっかけになるシーンになるとは、当時は思ってもみなかったなぁ…(しんみり)

 

ジョン・ワッツ監督版スパイダーマン(2017年~2022年)

・こちらは監督というよりも、MCUマーベル・シネマティック・ユニバース)のスパイダーマンである、という印象が強いです。「シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ」の予告編で出てきたときは、私含め世界中のOTAKUが発狂したとかしなかったとか。

 

・とにかくSONYとディズニーの間で、権利関係で揉めまくったらしく、マーク・ウェブ監督版と同じように危うく頓挫しかけたときもありました。が、なんとか3作目まで制作されたので、本当に良かったです。

 

・主人公を演じるのは、トム・ホランド(そういえば歴代3人のスパイダーマンで、アメリカ人だったのってトビーだけ?)トム・ホランドは青年、というよりは「少年」「男の子」という印象で、その印象そのままにかなり未熟なキャラクターとして作られていました。1作目なんてアイアンマンに怒られまくるし…。かっこいいというよりも愛嬌があってかわいらしいので、彼が苦しんだりするシーンは見ていて辛さが倍増しました(個人感)

 

・ヒロインは再びMJになったものの、サム・ライミ監督版のMJとはおよそ似ても似つかないほど変化しました。一匹狼でシニカルで個性的。頭の回転も速く、ピーターとの恋愛もそこまでベタッとした感じではなく、どこか爽やかでした。演じるゼンデイヤがとにかく良い…!クールなんだけど時折見せる表情がなんともかわいいんです。

 

・作品としてもシリーズ通してどれも面白く、特に最新作「スパイダーマン:ノーウェイホーム」は、よくぞこんな映画を作れたな!?と、ブルーレイを買ったら神棚に祀りたいレベルの作品でした。

 

が、このシリーズは「単体では楽しめない」のが唯一にして最大の欠点。このシリーズのスパイダーマンは、先ほど挙げた「シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ」や「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」にも出演しており、それらの作品を楽しむためにはさらに他のヒーロー映画を見る必要があり…と、芋づる式になっているのです。

 

ちなみに最新作にはドクター・ストレンジが出てくるので、彼の単体映画も観賞必須になりますね…(大体どんなキャラクターか知ってるだけでもいいのかもしれないけど)

 

MCU作品は現在30個くらいはあるのでしょうか…。私も実はまだ「ブラック・ウィドウ」を見ておらず、ディズニープラスで配信されているMCUドラマは「ワンダヴィジョン」しか見ておりません。MCUはどんどん間口が狭まってきているのが、最近少し心配です…。

 

………と、なんだかんだ書いていたら3,000字オーバーになってしまった(驚)

 

これから先、またリブートされるのかもしれない「スパイダーマン」。いつの時代も愛され続けるヒーローなんだろうなと、今回の一気見で感じました。

我が人生一生の不覚

少し時間を置いてますが、ごく最近あった至極残念すぎる話です。不可抗力とはいえ、あまりに悔しかったので私の悔しさの供養(???)としてブログに残しておきます。

 

 

 

今からほぼ1年前、大学時代の友人からこんな嬉しい報告が飛び込んできました。

 

「結婚することになりました。式は来年の○月○日に挙げる予定なので、もしご都合合えばぜひご出席ください」

 

私「出席以外の選択肢ある??????」

 

だって彼女は大学でできた初めての友人ですよ…!?人見知りオーラ発揮しまくってた私に、にこにこしながら声かけてくれた天使ですよ!?バイト先も(配属先は違ったけど)一緒だったし、ちょこちょこ2人で遊びにも行ったし、共に海外旅行もした仲ですよ!?!?

 

私がクリスマスシーズンの某夢の国をぼっちで満喫してたら、それを知った彼女が「え、私も今から行く!!!!」ってタクシーぶっ飛ばして駆けつけてくれたこともありました。ぼっちだったのは別にフラレたとかドタキャンされたとかじゃないんですけど、でも彼女が来てくれた後のほうが断然楽しかったです。

 

あと人生初の二日酔いは、彼女の自宅で体験しました。調子に乗ってげろげろな私を助けてくれた恩人…(拝)

 

そんなこんなで、大学卒業後はそこまで密なやり取りはしてなかったけど、今でも年に数回は何かしら連絡を取り合う、人脈が無さすぎる私にとっては大変貴重な友人です。

 

で、そんな大切な友人が結婚式を挙げると。コロナ禍は続いていますが、そんなの関係ねぇ!!!!!!とばかりに、招待状の「出席」に大きく丸を付け、速攻で返送しました。

 

結婚式は2022年の年明け。

どうしても見たかった映画「スパイダーマン:ノーウェイホーム」を一度見に映画館に行きましたが、それ以外はほぼ外出しませんでした。すべては友人の一世一代の花嫁姿を見るためです。

 

結婚式2日前。

 

夕方頃から妙な倦怠感に襲われていましたが、仕事も忙しかったので疲れているんだろうな〜とそのままにしておきました。

 

結婚式前日。

 

目が覚めた瞬間、真っ先に感じたこと。

 

「あ、これはやばいな」

 

どう考えても通常時の体調じゃない。そういえば2、3日前から母親が変な咳をしていたような…。

 

ただ寝込むようなレベルではなく、食欲も普通にあったのでしばらく素知らぬ顔で過ごしていました。

 

が、悪寒もしてきて、これはいよいよ…と覚悟して体温を測ったところ【37.6】の表示。

 

終わった……………………結婚式出られない……(目の前真っ暗)

 

あれだけ楽しみにしていたのにと思いつつ、これじゃ無理やり出席したところで迷惑しかかけんやつ…と思い、まずはヘアセットを予約していた美容院、そして友人に泣く泣く電話をしました。

 

友人は「こんな状況で結婚式やる方が悪いんだから」と半泣きで謝ってくれましたが、おめでたい日の前日に私のせいで泣かせるなんて…布団の中で延々自分の頭を自分で殴りつけてました(痛)

 

そして最悪だったのがその後。

 

電話をしたあと、その日の午後はさすがに寝込みました。とはいえ、やはり食欲はあるし、汗が異様に出て3回も着替えたのは予想外でしたが、正直そんなにはちゃめちゃに辛いわけでもありませんでした。

 

そして翌日。

若干だるさが残っていたものの、熱を測ったら【36.9】の表示。普通にお風呂にも入れた上に、夜にはテレビを見てげらげら笑うほど回復。次の日は本当に何ともなかったので、普通に仕事をしておりました(ちなみに在宅勤務です)

 

結局コロナだったのかどうかもわからず、謎の体調不良期間(史上最短)が終了。今は全くもって元気いっぱいに過ごしております。

 

 仕事をしながら「なんでわざわざ結婚式に体調不良期間ぶつけるんや…」と自分の身体に不満たらたらでした。本当に空気読めよ(真顔)

 

この悔しさ、永遠に忘れないだろうな〜墓に入ってからも「あのときはさぁ〜」と文句言ってそうです←

 

結論:コロナは早く滅亡しろ(大声)

2021.8.11 ミュージカル「王家の紋章」ソワレ公演:平方イズミル強し

 

2022年になりましたが、引き続き2021年の観劇レポをアップしていきます(遅筆)

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王家の紋章」2回目。

 

初見でちょっとあまりにもアレだったので(婉曲表現)、「なんで4公演もチケット取っちゃったんだろう…」と思いつつ、やや重い足取りで帝劇に向かいました。

 

ただ初見で「この作品はこういうもの」とわかってからの2回目でしたし、失礼ながら若干の諦念を持って観たところ、自分なりに「ここなら楽しめるかな…」みたいなポイントを見つけられたかと思います。まぁ全然面白くはないんですけど(暴言)

 

初日はやや堅く感じた海宝さんと朝夏さんの、キャラクターとしてデフォルメしたお芝居が馴染み始めてて、少し観やすく感じました。

 

そしてこの回をそれなりに楽しめたのは、圧倒的にイズミル王子役の平方さんのおかげ。キャスト別感想で後述しますが、さすが初演から出ているだけあって、キャラクターの立たせ方がすごく上手でした。

 

初回では全然残らないな~と少し不満に思えた楽曲も、アイシス様の♪想い儚き♪は、メロディーラインが美しく、イズミル王子のソロ曲はどれもかっこいいですし、キャロルがテーベの街を訪れるシーンの曲は、ティーンのアイドルが歌う曲のようで印象的でした。ただし肝心のメンフィスのソロ曲は、全然印象に残らなかったな…。

 

終わり方だけ本当にどうにかならんのか…!?と思ってしまいます。

 

(以下ネタバレ)

メンフィスを守ろうとしたキャロルがイズミルに背中を斬られてしまうのですが、そのことに動揺した(???)イズミルが、戦うことを信じられないくらいあっさり諦め、「いつかナイルの女神(=キャロル)をわが手に…!」みたいな捨て台詞吐くだけで去っていくのはなんで…………?????

 

さらに、背中をぶった切られたキャロルが、特になんの手当も受けてないのにメンフィスの腕に抱かれてしっかり目覚めてピンピンしてますし、幸せそうなメンフィスとキャロルを怨念100%で見つめながら、ただ♪あ~あ~♪歌ってるだけのアイシス様よ…。

 

原作が今でも続いてるため、すっぱりキレイに終われないのかもしれませんが、だとしたらミュージカル化するのはきちんと物語が完結したマンガにすべきなのでは…。

 


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以下、キャスト別感想。

 

【メンフィス:海宝直人さん】

・初日は本当に堅い雰囲気をまとっており、「ちょっと先が思いやられるな」くらいには(勝手に)心配してたんですが、少し殻を破れていたような?

 

・品があり、ただただ残虐なだけの王様、というわけではないんですが、「子供がアリを捕まえて、無邪気にきゃっきゃ喜んでいたら、力加減を間違えてぐしゃってつぶしちゃう」みたいな、未熟さゆえの残酷さを感じました。初日のお芝居だと「優しいオーラを放ちつつなんでもない顔して酷なことをやっちゃう」という、サイコパスみたいな方針のお芝居で行くのかなと思ってたので、少し方向転換したように感じました(*完全なる個人感)

 

・いわゆる「胸キュン」ポイントとなる仕草やセリフは、「それ」っぽくなってました。顎クイとかバックハグの強引さとか。笑

 

・歌も、楽曲によってはちょっとがなるような歌い方をしてて、確かにリーヴァイさんの楽曲ってロックっぽいものが多いですし、海宝さんはロックバンドのボーカルも担当されてるので、そちらの歌い方も使えるよな~と、自分の武器を駆使するのはさすがだと思いました。

 

・殺陣はすごくいっぱいいっぱいで頑張ってる様子がうかがえました。美しく力強い殺陣を駆使する平方イズミルに負けそうだったので、心の中でひっそりと応援しておりました。笑

 

【キャロル:木下晴香ちゃん】

・木下キャロルも、初日よりはきゃぴきゃぴるんるん♪モードが強かったので、よりマンガのキャラクターっぽくなってたと思います。とにかく終始かわいいので、古代エジプトから令和ジャパンにタイムワープしてほしい(謎)

 

・戸惑うときや困ったときのお芝居で、やや同じ仕草が多いのが、前回も今回も気になったかも。「困ったときはこう!」みたいなテンプレートができてる印象でした。

 

・歌は言うことないです!!!!!!!!!!!!(断言)海宝さんとデュエットしても負けてない声量、素晴らしい…!この2人がそろってるのに「アナスタシア」再演しないの絶対おかしいと思います(断言)

 

イズミル平方元基さん】

・2019年「エリザベート」ぶりの平方さん。実はフランツ役で拝見した時は、正直あんまりピンとくる役者さんではなかったのですが、平方イズミルめちゃくちゃかっこよくて、出てくるたびにオペラグラスで追っかけてしまいました。白状すると、海宝メンフィスそっちのけで見てました(浮気)

 

イズミルは「気持ちがわからんのよ!!!!!!!」って思ってしまうキャラクターなんですが(なんでキャロルを好きになる??????????)、そんなことが二の次になるくらい、平方イズミルは魅力的。真っ白な衣装に彫を深く見せるメイクがとんでもなくお似合いでした。

 

・説明が難しいのですが、マンガキャラとしてのある種のぶっ飛び感というか、「私が王子だぞ(ドヤァ)」感を出すのがすごく上手くて、全く現実味のないキャラなのにすんなりと受け入れられました。

 

・平方イズミルは、なんとな~~くぼんやりしてるこの演目の要所要所を、登場するだけでしっかり締めてくれてました。彼がいるのといないのでは、演目に対する印象も相当変わりそうです。上から目線な感想になりますが、良い仕事をされる役者さんだなと思いました。

 

(そしてWキャストが大貫さんなのは、大貫さんの分が悪すぎるのでは…とも思いました)

 

アイシス朝夏まなとさん】

・朝夏アイシスは、メンフィスへのドロドロとした感情が増してて、あの美しい容姿とのギャップが良きでした。背が高くてスタイルが良いので、何もしゃべらずとも、マントを翻して歩くだけで様になるのはめちゃくちゃ強いです。

 

・歌唱は悪くはないと思うのですが、オケに埋もれて歌詞が聴き取れないことが多く、少しもったいない気がしました。

 

【ライアン:植原卓也さん】

きゃろーーーーーーーーーる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

・あまりにも不憫すぎるライアン兄さん。1幕中盤からは、登場するだけで笑えてくるライアン兄さん。初演では伊礼さんが演じていたらしいライアン兄さん(もったいなさすぎる)

 

・植原ライアン兄さんはビジュアル完璧でした。スタイルが二次元。

 

【ミタムン:綺咲愛里さん】

・王女様…というより、かわいらしいギャルのような風情の綺咲ミタムン。1幕中盤でアイシスに焼き殺され、その後はときどき思い出したかのように亡霊として出てくるという、なんとも微妙な役回りでした。ビジュアルがかわいらしいのに、亡霊メイクで出てくる時間の方が圧倒的に長かったような……。