Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.7.10 NODA・MAP 第24回公演「フェイクスピア」マチネ公演:誰にとっても明日は大切な日です

*盛大にネタバレしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2回目の「フェイクスピア」観劇。

 

1度目を観てから2週間、頭の片隅にこの作品の余韻がずーっと残っていて、何をやっていてもふとした瞬間に「あの時のあのセリフはこういうことだったのか」と、いろいろ思い出すことがすごく多かったです。

 

ネタバレを気にしなくて良くなったため、ネット上にある他の人の感想をひたすら読みふけったりもしました。そこでまた「ああ!」と思うこともありました。楽しすぎる。一生さんファンの人って、洞察力鋭い人が多い気がします。

 

開幕したのが5月末、私が1回目を観たのが6月末で、2回目を観るまでの間に「読売演劇大賞」のいくつかの部門に「フェイクスピア」がノミネートされ、SNSでの絶賛評の多さや、「もう一度観たい!」というリピーターの多さで、連日どんどん当日券ゲットまでの道のりが大変なことになっていったようです。この日はマチネの当日券のために、朝7時から並んでいた猛者がいたそうな…(震

 

2度目だからといって理解が深まることはなく、むしろとっちらかってしまった気がします(自分の理解力のなさに絶望する顔)幸い戯曲が買えたので、終演後はパンフレットと併せて熟読しました。

 

座席はなんと1階席3列目のど真ん中。しかも目の前の席が2席分ぽっかり空いており、信じられないレベルで視界が開けてました。たった5m先で一生さんが芝居してる光景は、あまりにも現実味がなさすぎて、巨大な「?」が終始頭の中に浮かんでおりました。

 

(「モーツァルト!」も、8月に観た「王家の紋章」も舞台近くの席が1度はあったので、今年は「推しのお芝居を至近距離で観てみようの年」なんですかね)(?)

 

あのクライマックスに向かうことを知ったうえで観ていたので、終盤になるにつれて自分の鼓動が速くなっていくのがわかりました。目の前で繰り広げられる事故の再現シーン、あまりにもリアルすぎて、私もその当時の時間軸に飛ばされた気分になりました。

 

懸命に指示を出す機長役の一生さん、それになんとか従おうとする副操縦士役の川平さんや伊原さん、乗客に声をかけるCA役の村岡さんの表情を見ていたら、自然と涙が出てきました。

 

あの場面を、大阪公演含め2か月間、ほぼ毎日、時には1日2回演じている役者さんたち、一体どんな鋼のメンタルを持っているんでしょうか…!?(そのシーンに向かうまでもとてつもなく大変そうですし…)自分がもし出演していたら、と想像してみましたが、心に漬物石で蓋しないと絶対に無理そう。むしろ漬物石じゃ足りなくて2tトラックとか置いとかないとダメそう(謎)

 

感想は順序だてて書けないので、思いついたままに書きなぐっていくスタイルにしてみます(ここぞとばかりに一生さんばっかり観てたので、大半は一生さんの感想になると思われます…)

 

・幕開けのきっかけ、というのでしょうか。客電が暗くなる直前に流れてる場内BGMが♪Sing Sing Sing♪なのは、何かしら理由があるのかな…?私はそこまで気にしていなかったのですが、場内BGMはかなりの曲数があったようで、事故が起きた年に流行した歌だったり、今はいない人に会いたいと願う歌だったり、何かしら作品の内容に絡めた選曲だったようです。ただ♪Sing Sing Sing♪はどうにも腑に落ちなかったなぁ…。最初の場面につなぐには、随分明るいなと思いました。

 

・前回は客席暗転後、舞台の照明がついた時点で、一生さんはじめ、コロスの人たちが10人くらい登場していて、「いつ出てきたん!?」とびっくり。今回は前方席だったので、よーく目を凝らして確認してみました。

 

客席が完全に暗くなった瞬間、セットの裏か、舞台上手側からかはわからなかったんですが、「忍者か!?」ってレベルの速さ、かつ足音を一切立てずに皆さん走ってきて、瞬時に立ち位置決めてました。その間、おそらく3秒~5秒程度。真っ暗なのに、なんで立ち位置がすぐわかるんだ…。

 

・冒頭のシーン、セリフも含めすごく神秘的で好きです。

 

・誰を口寄せしたいのかと皆来アタイに問われて「誰かな…息子、のような気がする」って楽の方を見ながら言うmono。これも伏線だったってことなのかな…?

 

・ヒロインな一生さんが間近で見られるじゃん!!!!!!と、「リア王」再現シーンでわくわくしていたところ、ふらふら~~っと倒れこんだ一生さんの顔(頭)と、最前列に座っていた男性の頭がもろかぶり。というわけで、首から下は一生さん、頭だけ最前列の男性の後頭部という見え方にwまさかの展開すぎて、がっかりしたというよりも笑いをこらえるのに必死でしたwそのあとの「オセロー」「マクベス」の時はちゃんと(?)倒れこんだあとのお顔まで見られました。マクベス夫人のときの謎の色気よ……。笑

 

・倒れこんだ一生さんの親指の爪が、照明の光をうけてつやつやぴかぴかしていたので、「ネイルケアしてるんかな…!?」と、内容そっちのけで考えてしまいました。本当にとってもきれいな爪でした。

 

・はーーーオールメールシェイクスピア劇でヒロインやる一生さん観たい全力で観たい(かつてやってた「恋のから騒ぎ」はDVDかBlu-rayで発売されてるんですよね…買おうかな…)

 

・一生さん、橋爪さん、白石さんで掛け合いするシーン。テンポが早いので誰かが誰かのセリフにかぶせちゃったりで、若干間合いがおかしくなった瞬間もありましたが、全員まったく顔色変えずに続けて、うまく間合いを合わせてきたので逆にすごかったです。

 

・前田あっちゃんは、前回観た時よりもセリフ回しがうまくなったというか、声がより通るようになったなと思ったんですが、座席の位置の関係でしょうか。ちなみに野田さんも、前回よりはなんて言ってるか聞き取れたので、これは慣れの問題かもしれない…。笑

 

伝説のイタコが空飛んでるとき、そういえば地味に「E.T.」のメインテーマがかかってましたw

 

・前田あっちゃん、本当にお子さんを産んだの…?ってくらいの細さと少年っぽさでした。星の王子様が一番似合ってたな~。

 

・アタイがおかしなことを言うと、楽とmonoが顔を見合わせて「この人頭おかしいんかな…」みたいに、ぽかーんとした顔で指でくるくる~ってジェスチャーしてました。かわいい。

 

・匣を開けた時にmonoのモノローグが始まるんですが(冒頭のシーンのセリフのちょっと長い版?)、一生さんの声色の使い方がすごくおもしろかったです。男性の声と女性の声、どっちともつかない声、みたいな感じで、一文ごとに声を変化させているように感じました。

 

・是非とも大根ゼリーをグッズで売ってほしかったですw

 

・三日坊主役は、もともと大倉孝二さんだったんですが、確かに大倉さんの三日坊主、めちゃくちゃしっくり来ただろうな…。伊原さんももちろん良かったんですけど(川平さんとのコンビ感だと、伊原さんの一見いかつい雰囲気の方が合ってる気はします。大倉さんと川平さんだと、ぱっと見どちらもボケみたいになりそう。笑)

 

・川平さんはどっかでうっかり「楽〇カードマアアアアン」って宣伝し始めたとしても違和感なさそうでした。笑

 

・monoがいう「良い沈黙」と「悪い沈黙」の話、いかにもシェイクスピアのキャラが言いそうなたとえ(めちゃくちゃ納得した)

 

・三日坊主とアブラハムに自己紹介するときのmono、自分の名前を告げた後にものすごい頭痛に襲われてるみたいな顔してたんですが、あれは記憶喪失だからなの…?思い出そうとすると頭が痛くなるパターン?

 

・「頭下げろ」というセリフで、少なくとも私の周りではあんまり笑いが起こってなかったのは、リピーターさんだらけだったってことなんですかね(結末知ってると全く笑えないあのセリフ)

 

あとmonoのセリフでところどころ「なんでそんな言葉はさむの??」と思う言葉も、ボイスレコーダーに入ってる言葉だったんですね(って今戯曲眺めてて気づきました)(明らかに変なタイミングで「山だ」って言葉が入ってて「ああああああああ」ってなってます今)(遅い)

 

・突如ぶち込まれる♪香水のせいだよぉぉ♪笑

 

・mono「誰にとっても明日は大切な日です」

私(……うわあああああああああああああああああ)

(二度目だからこそ気づける大事なセリフでした)

 

・オタコ姐さんの「半世紀といったらオリンピックを12、3回やらなきゃいけない、うんざりだよ!!!!」に、野田さんの本音を見た気が…。笑

 

・途中、コロスさんたちが浄瑠璃人形みたいな動きをする場面、すごい既視感ある…と思ったら「天保十二年~」で老婆たちが惚れ薬を仕込むシーンだ…!「天保十二年~」観ておいて良かった…。あれはもはや教養として観るべき(?)

 

・ロイヤリティ未払いのためにやってくるシェイクスピアw

 

シェイクスピア登場シーン、烏を1羽捕まえて自分の身を隠そうとするmono、というか一生さん。烏役のアンサンブルさんが完全に困惑して、もはや半分素で笑ってるのに、背後から彼の上半身を全力で抱きかかえて「じっとしてて!!!!!!!!!!動かないで!!!!!!!ばれてないから!!!!!!!!!!」って叫ぶ一生さん、もといmono。笑

 

・前回観た時はまったく気づいてなかったんですが、生きてる人は舞台上手から、死んだ人は舞台下手から出入りしてたそうで…(これは本編でも示唆されてたので、完全に私が見落としてました)で、終盤はmonoが舞台上手(=生きてる者の道)に逃げていくというタブーを犯すという展開でした(観客としてはその時点でmonoが死者という認識はないんですけど)ちなみにこれは主に能舞台で使われる手法とのこと。…必要な知識があっちこっちにあって混乱してきた…。

 

・四大悲劇を血液型みたいに分けるの、最初笑っちゃったけどなるほどなと。

 

・まったく原型をとどめていない野田シェイクスピアの「To be, or not to be」笑

野田さんがはけてシェイクスピアが乗り移った白石さんが、そのまま変な言い方を引き継いでて、それを見て客席に背を向けてぷるぷる震える一生さん(懸命に笑いをこらえてましたw)

 

で、そのまま両手で顔を覆っても笑いが止まらず、衣装の襟で口元を隠すも笑い止まらずな一生さんがかわいかったですwそのあと自分でもクセ強めの「To be, or not to be」を再現して、白石さんと笑ってました(客席も大爆笑w)

 

とはいえ、これそういえば前回もほとんど同じようなリアクションをしていたので、あれはアドリブ風のお芝居なんだろうな…。

 

・一生さんのセルフエコーうますぎて、多分何度観ても笑っちゃいますw

 

・橋爪さん、一瞬にして3歳になるのすごすぎません?????自分よりはるかに年上の橋爪さんを、本物の我が子みたいに超慈しんだまなざしで見つめる一生さんすごすぎません?????(語彙力死んだ)

 

・「作中人物は息をしないけど、世界と呼吸するメタファーになれる」っていうのも、なるほどなと(納得してばかりの私)

 

・目に見える【言葉】は文字、目に見えない【言葉】は声。なるほど(何度目かのなるほど)

 

・自分に息子がいて、目の前で「自殺する」なんて言われたらどんな気持ちがすると思う?こんな気持ちだ、の時に、一瞬で泣きそうなくしゃくしゃの表情になる一生さんよ…。

 

・ローゼンクランツとギルデンスターン=アブラハムと三日坊主も、最初観た時はゲラゲラ笑ってたんですが、「届け物を届けた先で処刑される悲運な2人組」と思うと…………(全然笑えない~)

 

・言ったが勝ち、書き込んだが勝ち、それが今の言葉の価値。ふざけたキャラクターのフェイクスピアが発する言葉なのですが、グサッと来ました。

 

・monoと楽の初めての親子喧嘩w年齢的に逆転してるのに、全く違和感のない橋爪さんの反抗期の息子のしゃべり方w

 

・戯曲を読んでいたら、イタコの昇格試験の試験官ってちゃんと名前あったんですね。「フラスコ」と「ビーカー」と「シリンダー」だそうです。「試験官」だけに。笑

 

・イタコ昇格試験のシーンは、客電はもちろん舞台上の照明も全部落ちるので、いきなり真っ暗になって結構びっくりでした。あと途中からmono…というかパイロット姿のmono(=楽のお父さん)が暗闇の中現れて、楽の背後でじっとしてて、しばらくするとまたはけていく…という謎の動きがあったんですが、あれは一応アタイが口寄せに成功してたってこと…?

 

・劇中のシェイクスピアはわりとどうしようもないキャラなんですが、あの飛行機事故をなんとか「フィクション」に収めたい(だって自分が書いた四大悲劇よりはるかに悲劇的なノンフィクションだから)って願ってたんでしょうね…。

 

・「火」を盗んだつもりが「死」を盗んでしまった、君は江戸っ子だったから、っていう星の王子様のセリフの意味がよくわからなかったんですが、江戸訛りは「ひ」が「し」と発音されてしまうからなんですね。

 

・「死」を盗まなければ、人間は「死ぬ」けれど、それを「死」として認識はせず、植物が枯れるみたいに死んでいったんじゃないか、みたいな逸話も、19個目くらいの「なるほど」ポイントでした。

 

・裁判のときにアブラハムが言う「ロシア革命以来、神は不在だ」ってどういう意味!!!!!!!!!(必要な知識がてんこもりすぎる!!!!!!!)

 

・証言台の上であおむけにひっくり返るmono、というか一生さんの頭から尋常じゃない量の汗が流れ出てて心配になりました。そいえばあなた、「天保十二年~」のときも階段の上で真っ逆さまにひっくり返ってませんでしたかね…デジャブ…。

 

・この演目の開幕日が5月24日だったんですが、この飛行機に乗ってたのが524人だそうです。…ってまさかそこ合わせてたの…!?(震)

 

パイロット姿の一生さんが楽に話しかける顔、言葉を失うレベルのかっこよさでそれ以外の記憶が飛びました(真顔)一生さんって顔の造形が決してウルトラスーパー良いわけではないと私は思っているのですが、表情と角度と目線で信じられないくらい魅力的になりますよね…。やっぱ和製ベネディクト・カンバーバッチだなぁ(突然)(私の中でこの2人のポジション同じなので)

 

・monoが楽に触れようとするんですが、多分自分が死んでるから(亡霊だから)触れられないんですよね…楽の頭ぎりぎりのところで撫でようとするのにできなくて切なそうな顔してました(涙)

 

・事故再現シーンのときも、離陸前?に副操縦士(川平さん)になにやら話しかけられて顔をそちらに寄せてる時の横顔があまりにも良くて、許されるならそのへん転がりたかったです(狂)あとセリフじゃない時もぼそぼそ口パクしてました。ヘッドセット越しに管制塔としゃべってる感じ。

 

・事故シーンは、正直前方席じゃなくて後方センターで観た方が断然良いです。フォーメーションがわかるのと、尾翼にいる星の王子様とシェイクスピアがちゃんと見えるので(今回は姿が見えず、声のみ聞こえてきました)

 

・思い出すだけでめっちゃしんどくなりますが、本当に素晴らしいシーンでした。この先会社の会議室とかで、キャスター付きの椅子の大群を見るたびに、この作品のことを思い出しそうです。

 

・あと私しばらく飛行機乗れない気がしてます(トラウマ)そもそも幼少期に「飛行機乗りたくない!!!!!!!!!!」ってずっと言ってたんですが、あれはひょっとしたら御巣鷹山の事故の番組を見たからかもしれないなと、今ふと思いました。そのあと留学したり海外旅行したりで飛行機何回か乗ってるので、恐怖心は克服しましたが。

 

・楽が「生きるよ!」って言った後の、monoのホッとした表情からのにっこり笑顔で泣きました(涙)

 

・締めのセリフを言う前の白石さん、ずっと空を眺めてる橋爪さんを穏やかに見つめてからの「本日はありがとうございました」が良かったです。あの間があったから、こちらも現実に帰ってこれた気がしました。

 

 

欲を言えばもう一度観たかったです。が、1度観るとものすごく後を引きずる作品だったので、2回きりで良かったのかなとも思います。これほど印象深い作品、ミュージカルでもなかなか出会えないと思うので、この状況下で観られて本当に良かったです。多分2021年断トツでMyベスト作品です。

 

最後に一生さん、舞台は年1で出てください(念)

手始めに「天保十二年~」の再演やりましょ!!!!!!!!!!!(わがまま)

366記事目。

このブログを始めて、今日できっかり1年になりました。

 

何を思ったか、気づいたら2020年9月1日から、1年間毎日欠かさずに記事をアップし続け、この記事が366記事目となりました。

 

当初は別に「毎日1記事更新!」なんていう目標を掲げたわけではなかったものの、ブログ開始1か月目に、「あれ、今のところ毎日記事あげてない…?」と気づき、「こうなったら1年間は毎日記事あげてみよ」と、今日まで続けてきました。

 

我ながらよくそこまでネタがあったな…と思いますが、私が持つ観劇記録・読書記録・映画観賞記録は、思った以上に膨大でした…。

 

さすがにこれを延々続ける気はないので、今日を区切りとして【毎日更新】は終わりにします。

 

今後は週1目安で書いていこうかな…。観劇記録と映画観賞記録はまだ少し下書きに残っているので。

(そして今年の残り3ヶ月も、なんだかんだで観劇ざんまいになりそうなので)

 

これまでブログに注いでいた熱意と時間は、少し他のことにあてていきたいと思います。

 

映画「桐島、部活やめるってよ」:小さな世界の大事件

映画「桐島、部活やめるってよ

 

監督:吉田大八

出演:神木隆之介橋本愛大後寿々花東出昌大、清水くるみ、山本美月松岡茉優、落合モトキ、浅香航大、他

 

<あらすじ>

ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター”桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと…。

https://filmarks.com/movies/36793

 

<感想>

特段面白いか、と言われるとなんとも微妙な内容なのですが、少なくとも平成生まれ以降の人たちには、「高校生ってこんなだったよな」と思える作品だと思います。

 

それも、甘酸っぱい青春!とか爽やかな高校生活!ではなく、あの独特な「この学校が世界のすべて」というちょっと嫌な空気感を思い出させてくれる映画でした。

 

私が通っていた高校もご多聞に漏れず、「陽キャ=クラスの上層部、陰キャ=クラスの下層部、そしてどっちつかずのやつ」という3層に分かれていました。

 

私は……どこに属していたんだろうか。笑

確実に陽キャではありませんでしたが、そういった人たちに馬鹿にされたり見下されたりはなかった(はず)なので「どっちつかずのやつ」だったんでしょう。

 

やたら美男子・美少女が多かったので、なかなか肩身が狭かったです(同級生から女子アナが出ているくらいのレベル)

 

…というわけで、あんまり思い出したくない部分を思い起こさせてくれる作品でした。笑

2021.7.4 ミュージカル「レ・ミゼラブル」マチネ公演:個々の色が強めだった回

2021年版2度目の「レ・ミゼラブル」観劇。

 

4年前の人生初レミゼの時の【B席・2階I列】のサブセンター席で観ました。あくまでも私の場合は…ですが、やっぱりレミゼは2階席に限るな…!と思います。役者さんたちの歌声も、オケの音も、ものすごくキレイに聴こえて、全身を音で包まれてる気分になれる気がします。特定のキャストが観たい!とかでなければ、2階席のA席・B席で全然問題なく楽しめます。

 

カンパニーの熱量も、1か月前より上がっておりました。特に吉原バルジャンと上原ジャベールのバチバチ具合がすごく熱かったです

(上原ジャベールがとりわけ熱くなってました)

 

はじめまして!なキャストも4人いらっしゃって、また新鮮な目で観られたと思います。ただ全体としてまとまってたのは、前回(6/5)の組み合わせな気がしました。今回のキャストの組み合わせだと、なんとなくそれぞれの色が強くて、いまいち調和していなかったような…。

 

f:id:der_letzte_tanz:20210716003454j:image

 

以下、キャスト別感想。

 

ジャン・バルジャン:吉原光夫さん】

今回は前回とは真逆で、冒頭のシーンの吉原バルジャンのお芝居にめちゃくちゃ泣きました。今期の吉原バルジャン、荒々しさとともに「社会に受け入れてもらえないつらさ・寂しさ・悔しさ」を、より強く表現している印象があります。

 

前科者だからと仕事を無理やり辞めさせられたとき、宿屋から追い出されるとき、どちらも「なぜ」「どうして」という気持ちが一番伝わってきて、観てるこちらがつらくなりました。「憧れていたこいつが自由なのか」という歌詞があそこまで胸にぐさっときたのは初めてでした。

 

【ジャベール:上原理生さん】

前回、あまりつかみどころがないな…と思っていた上原ジャベール。

今回は、バルジャンに「自由だ」と言って逃がされるシーンの表情と反応がすごく印象的でした。

 

それまでの上原ジャベールは、エポニーヌが歌う「あのおまわりはいつでもドジ」がしっくりこないくらい、あんまり隙がなさそうなんですが、この瞬間、心底呆然とした顔してて、バルジャンの行動が全く理解できない様子でした。

 

逃がされた後も「なぜバルジャンが自分を逃がしたのか」を分かっていなくて、上原ジャベールはバルジャンを「自分と同じ、闇の世界で生きる仲間」みたいに思っていた節があったのかな…と感じました。唯一の理解者を失って、孤独にさいなまれて死んでいったような…。

 

ジャベールって本当に、演じる役者さんによって全然違う印象になるので、一番面白いキャラクターかもしれません(行動や理念はなかなか理解できないけれど)

 

【ファンテーヌ:知念里奈さん】

2017年からレミゼを観てるのに、今回やっと初見だった知念ファンテーヌ。やや声質が苦手で、♪夢やぶれて♪を聴いてもいまいちピンときませんでした。

 

ただ、工場で周りの女たちに嫉妬されるくらいの美人、というのはものすごく納得しましたし、娼婦に堕ちても素が美しいので、より悲劇性が増してました。

 

亡くなるときの「コゼットの幻が見えているお芝居」が一番良かったです。

 

【コゼット:熊谷彩春ちゃん

いろはちゃんコゼは、前回(2019年)から観てみたかったけど、当時はいくちゃんコゼ一択だったので、今回はじめましてでした。

(コゼットで観る前に「天保十二年~」と「パレード」で観ましたが)

 

意外にも、マリウスと恋に落ちてきゃぴきゃぴする気持ちが強めのコゼットだったので、もう少しバルジャンとの絆も見えると良いのかな~と思ったり。笑うと困り眉になるのがとっても可愛らしいです♡

 

【マリウス:竹内將人さん】

知的で、真面目で、でも若者らしい情熱や前のめりな気持ちはある。なのに妙にどんくささを感じるマリウスでした。ある意味とても「マリウスらしい」マリウスなのかもしれません。多分50m走とかめちゃくちゃ遅いと思う(*勝手なイメージです)

 

堅物という肩書がぴったりな竹内マリウス。歌は、ところどころもう少しパワーがあると良いのでは…と思う部分もありましたが、レミゼ初出演でここまでのレベルに持っていってるのは純粋にすごいと思います。ビジュアルも、目鼻立ちがくっきりしている方なので舞台映えしてました。

 

【エポニーヌ:唯月ふうかちゃん】

ふうかちゃんエポが健気すぎて、私の全母性があふれ出す…(謎)

2年前とあまり印象は変わらず、マリウスの前ではお茶目な振る舞いでにこにこして、1人になったときに抱えている孤独や叶わない恋心を寂しそう&悔しそうに吐露する姿のギャップが良かったです。

 

♪On My Own♪の♪知ってる 夢見るだけ♪のフレーズをきっかけに、それまでのどこか夢見がちな歌声とがらっと異なる声質になるのがすごかったです。

 

【アンジョルラス:小野田龍之介さん】

なぜかずーーーーーーっとご縁が無くて、そもそも舞台での活躍を観たことがなかった小野田さん。やっとこさ観られました…!いい意味で年齢不相応な貫禄があり、そこに立っているだけで安心感がある役者さんでした。

 

カリスマ性も抜群だったので、「なぜ革命が成功しなかったんだアンジョルラス2号」に認定しました(ちなみに1号は上山アンジョルラス)

 

歌はどの音域を出しても安定感があり、2年後・4年後にバルジャンやジャベールにキャスティングされても、全く不思議じゃないと思います。

 

あと今回、初めてマリウスとコゼットの結婚式での、アンジョルラスのバイト(給仕係)に注目してみたんですが、あまりにも愉快すぎて観ててめっちゃ楽しかったです。カニを大事そうに抱える小野田さんに爆笑でしたw

 

【テナルディエ夫妻:駒田一さん・森公美子さん】

この2人は掛け合いのテンポが息ぴったりで、本物の夫婦感が強かったです。お2人とも、レミゼ歴長いですもんね…。

映画「引っ越し大名!」:命がけだよ 引っ越しは

映画「引っ越し大名!」

 

監督:犬童一心

出演:星野源高橋一生高畑充希小澤征悦濱田岳、西村まさ彦、松重豊及川光博、他

 

<あらすじ>

江戸時代の姫路藩

書庫にこもって本を読んでばかりの引きこもり侍・片桐春之介(星野源)は、突然【引っ越し奉行】に任命される。引っ越し奉行とは、すべての藩士とその家族全員で別の国に引っ越し(国替え)をする際の総責任者である。

突然の大役に怖気づく春之助は、幼馴染で武芸の達人・鷹村源右衛門(高橋一生)や前任の引っ越し奉行の娘である於蘭(高畑充希)に助けを借りることに。

こうして前代未聞の引っ越し準備が始まった!移動人数10,000人!距離600Km!予算なし・・・!

果たして春之助は、この超難題プロジェクトを知恵と工夫で無事に成し遂げ、国を救うことができるのか?!

https://filmarks.com/movies/79463

 

<感想>

現代に生まれて良かった~~~~~~~!

 

というのが観賞後の第一声でした。笑

 

今も仕事の都合で転勤する、という「自分都合でない引っ越し」というのは存在しますが、江戸時代は「会社」という概念がそもそもないため、「自分が住む領地のお殿様が、さらに上にいる偉い人(この時代だと徳川幕府か)に『国替え』を命じられたら、お殿様に付き従って自分たちも引っ越さなくてはいけなかった」そうです。

 

理不尽すぎてやってられない(現代人より)

 

誰一人として逆らわなかったんでしょうか…だってせっかく耕した田畑とかあるじゃん…。その土地でどう暮らしやすくなるかとか、多分めっちゃ考えて工夫したじゃん…。

 

劇中では、みんな最初は「どうしよう~~~」と大パニックになるのですが、なんやかんやで楽しそうだったので、昔の人すごい~~と思いながら見てました。笑

珍しく陽キャだった一生さんが素敵!!