Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

映画「記憶にございません!」:最近の世情を見てると笑えない

映画「記憶にございません!」

 

監督:三谷幸喜

出演:中井貴一ディーン・フジオカ石田ゆり子草刈正雄佐藤浩市小池栄子斉藤由貴木村佳乃、吉田羊、山口崇、他

 

<あらすじ>

第172代内閣総理大臣・黒田(中井貴一)は、そのあまりの横暴ぶりから、支持率2%台の【史上最悪の総理大臣】のレッテルを貼られていた。

ある日、演説中に何者かに石を投げられ、その石が頭に直撃、そのまま記憶を失ってしまう。黒田が記憶喪失になったことは、彼の秘書官3人のみが知っている。

秘書官の1人・番場(小池栄子)は、記憶喪失を支持率アップのチャンスと捉え、もう一度政治に真剣に向き合うよう、黒田にアドバイスする。

黒田は番場の言うとおり、政治家として生まれ変わろうとするが、タブロイド紙の記者や愛人への対応、外国の大統領の接待など、数々の問題が黒田に襲いかかる…。

 

<感想>

コンセプトが面白そうだったので、結構期待して見てみたのですが、「盛り上がりそうで盛り上がらない」という調子で終始進んでいき、終わってみたら「あれ、意外と面白くなかった…?」でした。

 

序盤でもう少し黒田総理の「クズっぷり」を見せた方が良かったんじゃないかな…。始まってわりとすぐに記憶をなくしちゃうので、記憶をなくす前と後のギャップをあまり感じられませんでした。

(テレビで放送されていたのを見たので、もしかしたらカットされてたんですかね…?)

 

しかし、ここ最近のあれやこれやを見ていると、現総理も一度記憶をなくs…(以下略)

考えうる限り最悪の事態

www.ken-on.co.jp

 

いつか「この日」が来るのでは…とは思っていましたが、ついに最悪の事態が起こってしまいました。

 

応援している役者さんの1人、古川雄大さんがコロナに罹患されたとのこと。

それも、自身初のソロミュージカルコンサートの開催が間近に迫った昨日のことでした。

 

私は8月31日、9月2日、9月4日の昼・夜公演と、合計4公演観に行く予定でした。

 

このブログの最初の記事にも書いているとおり、私は何人か応援している役者さんがいます。

 

ということは、必然的に「推しがコロナに罹ってしまう」という事態は、遅かれ早かれ1度は起きてしまうのだろうとは思っていましたが…。

(芸能界はどうしても不特定多数の人と関わりを持たざるを得ないと思うので)

 

より多くの人が関わっていたであろう「モーツァルト!」の時でなくて良かったと思う気持ちと、罹患してしまうのがもう少し前であれば、(未発表のお仕事があればそれはともかく)コンサートへの影響は少なかったかもしれないという気持ち。とても複雑です。

 

…とはいえ、正直「こうなるのではないか」という気持ちはどこかにあったので、薄情に思われそうですが、思ったほど落胆はしていません。

 

こんな状況でも、楽しみにしている舞台やコンサートの開幕が迫ってくれば、それなりにわくわくしたり、「こんな感じかな」「あんな感じかな」と、自分の中でビジョンが見えてくるのですが、今回のコンサートは全くそのビジョンが浮かんでこなかったので、嫌な予感しかしませんでした。こんな予感、的中しないでほしかったけど…。

 

今はとにかく、古川さんが後遺症などなく、元気に復帰されることを願っています。

映画「ソウルフル・ワールド」:あなたの人生にきらめきを

映画「ソウルフル・ワールド」

 

監督:ピート・ドクター

声の出演:ジェイミー・フォックスティナ・フェイ、他

 

<あらすじ>

ニューヨークでジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師ジョーは、夢が叶う直前にマンホールに落下してしまう…。 彼が迷い込んだのは、ソウル<魂>たちが地上に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める世界だった!

そこでジョーが出会ったのは、やりたいことを見つけられず、“人間に生まれたくない”と 何百年もソウルの世界に留まっている“22 番”と呼ばれるソウル。 夢のために地上での人生を取り戻したいジョーは 22 番に協力を求めるが…。

奇跡の大冒険を繰り広げる二人が、最後に見つけた<人生のきらめき>とは…?

https://filmarks.com/movies/84807

 

<感想>

人生に疲れた大人たちへ。

今すぐこの映画を見てください。

 

これ完全に「かつてディズニー&ピクサー作品を楽しんでいた『元・こどもたち』に向けた作品」なのでは…!?と思うくらい、大人向けのストーリーでした。むしろ子供が見てもあんまり楽しめる要素なさそうな気が…。

 

ディズニーって、昔は「願えばいつか夢が叶う!」というテーマの作品が多かったのですが、時代の変遷に合わせているのでしょうか。この作品では「夢を追うだけが人生ではない」と、追いかけていた夢に手が届かなかった大人たちに、そっと寄り添うメッセージを投げかけてくれていました。

 

有名じゃなくても、裕福じゃなくても、天才じゃなくても、誰だって何かしら「きらめくもの」を持ってるんだ。

 

くじけそうなとき、落ち込んだときに見たい映画の1つになりました。

2021.6.25 NODA・MAP 第24回公演「フェイクスピア」ソワレ公演:コトノハの着陸点

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※ネタバレしておりますのでご注意ください。この作品は、何も知らずに見るのが正解です(多分)

※未見の方は、ぜひともこれから予定されているWOWOWの放送を見てください(切実)

※あらすじとか一切書いてないので、未見の方はこの記事だけ読んでもちんぷんかんぷんかと思います。

※考察は一切できない人間なので、浅い感想しか書いてません!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年末に観た「チョコレートドーナツ」以来の演劇作品。

 

天保十二年のシェイクスピア」の後、一生さんはしばらくまた舞台はやらないんだろうな~と勝手に思っていたところの「フェイクスピア」上演決定。ほんの1年と少しで、また生のお芝居が見られるなんてー!と、発表されたときはかなり嬉しかったです。

 

さらに、NODA・MAPは以前からすごく気になる存在(?)で、特に松たか子さんと広瀬すずちゃんが出演されていた「Q:A Night at the Kabuki」が非常に気になっていたものの、チケット取れないんだろうなぁ…と諦めていました。

 

今回は一生さんご出演とのことで、NODA・MAPも一生さんも一緒に楽しめるなら一石二鳥じゃん!?と、気合いを入れて2回分のチケットを確保しました。

 

今回の席は、劇場のど真ん中。舞台からの距離もほど良く全体がしっかり見えて、まっすぐ目の前が舞台のセンターでした。

 

前列に座ってたカップルの観劇マナーがかなり悪く、彼女はほぼ全編にわたって前のめりで観劇、後半は疲れたのか、ときどき彼氏の肩に頭をもたせかけていました。彼氏は終始退屈そうな様子。さらに2人して、上演中に堂々とペットボトルのお茶を飲むという…(唖然)

 

上演中話すことはありませんでしたし、前列との段差があったからか、幸いものすごく視界を遮られることもありませんでした。とはいえ、観劇を楽しんでる様子もなかったので、彼らは一体何を目当てで観に来たんだろうか…。誰かのファンというわけでもなさそうでしたし、とても不思議なお客さんでした。

 

 

さて、全体的な感想です。

構成が恐ろしいほどうまくできていて、よくわからないけど何となくわかる、という不思議な世界観でした。純粋に面白かったです。

 

終演後は、役者さんたちのあまりの熱演っぷりに大感激して、そのことに対してはスタンディングオベーションで拍手を送りました。

 

が、一方で「これ、面白かったって言ってもいいのかな」という、もやっとした後味も残りました。

 

内容について、野田さんご本人が「不謹慎だとわかっている」というニュアンスのことを宣伝チラシに書かれているように、正直この題材をああいう風に使うことに、怒る人がいたっておかしくはないと思います。

 

開幕前は、あらすじについての情報がほとんどなく、開幕後もSNS上ではネタバレを避けたようなぼんやりした感想が並んでいました。

 

けれど、その中に「頭上げろ」「頭下げろ」という言葉があり、「あ。もしかしたら日航機墜落事故の話なのかな…?」と、予想はつきました。

 

そして予想通り、あの事故をモチーフにした作品でしたが、当時私はまだ生まれてもいないため、自分でもよく気づいたな…と観劇後に思いました。

 

幼い頃ドキュメンタリー番組か何かで、このボイスレコーダーの音声を聞いた記憶があり、そのときに「頭上げろ」という言葉を聞いていたのだと思います。

 

「この人は、あと少しで死んでしまうんだ」とわかっている人の声を聴くのは、事故当時に生まれてなかった私にも、相当なインパクトを残しました。

 

この作品のクライマックスでは、事故当時の機内の様子を断片的に再現したシーンを、一生さんはじめ出演者の方々が、キャスターつきの椅子と、金属のパイプ数本と、大きめのスーツケースいくつかで、おそらくボイスレコーダーに残っていた音声を完コピしながら創り上げていました。

 

このシーンは本当にインパクトがものすごくて、今までミュージカルを観たときには感じなかった衝撃を全身に食らいました。多分、この先ずっと忘れられない光景です。

 

観劇後にさまざな感想を拾って読んでみましたが、絶賛評が8割で、否定派は2割くらいの印象でした。

 

否定派の人たちは、やはり「なんで日航機墜落事故をネタにしたの?」という部分に引っかかる方が大半のようでした。

 

この題材を扱うことについて、あまりよく思わなかった人たちが、どこに引っかかったのかな〜と考えてみましたが、ボイスレコーダーに記録されていた「生と死のはざまで、神様に向かって戦いを挑み、【本物のことば】を発していた人」の発言が、少なくとも物語の前半では「笑い」に転換されてしまっていたのは、私も少し引っかかりました。

 

「頭下げろ」は、冒頭ではイタコさんに土下座させようとしているような言葉になっていましたし、箱の中から聞こえてくる「がんばれ」に対して「何これ~~」みたいに嘲笑するようなセリフもありました。

 

(もちろん観客に対して、そういう風に茶化しておかないと、最後にカタルシスを与えられないからという狙いもあると思います。でもその言葉は「かつてこの世で生きていた、フィクションの登場人物ではなく、血の通った実在の人物の言葉」と思うと………)

 

一方で、確かにたった36年前の事故を題材にするのは、遺族や関係者のみならず、当時を知る人は客席にもたくさんいたでしょうし、取り上げるには少し早すぎる気もしました。でも調べてみると、他の劇団もこの事故を題材にした作品をもっと前に作っているようで、じゃあ同じくほとんど不慮の事故といってもいい「タイタニック」で、現代に生きる私たちが感動して涙するのと、この作品は何が違うのかと言われたら、私はどうとも答えられないな〜とも思ったり。

 

ただ、「タイタニック」と決定的に違うとすれば、当事者の言葉を前半は笑いの要素として使ったこと、それから「頭上げろ」という言葉が、自殺志願をしていた人に対して「生きろ」と呼びかける、やや飛躍したポジティブな希望の言葉に(勝手に)変換されていたことかもしれません。

 

野田さんはきっと頭のいい人なので、「遺族や関係者が見たらどう思うか」ということを、考えなかったわけではないと思います。少なくとも作品のチラシに書いてある通り「この題材を扱うのは不謹慎である」と自分で分かりきっていて、それでもなおこの内容で1つのお芝居を創り上げたかった。

 

それは劇作家としての意地なのか、傲慢さなのか、どちらともとれると思いますが、5年前でも5年後でもなく、「今」どうしてもやりたかったんだろうなという、その気持ちは作品を通じてひしひしと伝わってきました。

 

(「不謹慎」という言葉自体、最近ではなにかとすぐに使われているので、言葉が軽くなったことに対する野田さんの皮肉、みたいなものもあるのかもしれません)

 

ここまで散々書いてきましたが、扱われている題材について、「それを扱うことの是非」を問うのは、事故当時生まれてもなかった私があれこれ言うことでもないと思うので、とりあえず置いておいて…。

 

劇中で発するセリフのすべてが、他のセリフや、劇中のテーマに蔦のように絡みついている作品でした。言葉のシャワーを存分に浴びたせいで、全身で受け止めたはずが、私のキャパが足りてないがために、7割くらいは劇場内に落としてきた気がします(真顔)

 

散りばめられた「コトノハたち」が、着地点(結末)に向かって全力で走っていくイメージ。何回観ても「あぁ、この言葉はあそこに繋がっているんだな」という発見ができそうでした。

 

あのクライマックスをまた観なくてはいけないのか、と思うと、2回目を観るのはなかなか気持ちが重たかったのですが、全編にわたる「ことばあそび」をまた聞きたい気持ちの方が強かったです。

 

内容については、書いていくと本当にきりがないので、一生さんの素晴らしさについて書いていきたい…!

 

【mono:高橋一生さん】

「声の魔術師」って肩書つけてもいいですか??????

お芝居の質が高いことは重々承知の上でしたが、声の使い方に毎回目を(耳を)見張ってしまいます。ちょっとした声色の変化にドキッとさせられる、本当にすごい役者さんだと思います。

 

・一生さん登場後に真っ先に思ったこと。

「髪の毛どした?????????」

3月まで放送されていたドラマ「天国と地獄」の(ヘアスタイルの)面影が一切なく、もふもふプードルを頭に飼ってるようなヘアスタイル。梅雨の時期だというのに、うっとおしくないんでしょうか…。それとも「天保~」が公演途中で中止になっちゃったから、願掛けで公演期間中は髪切らない!とかなのかなぁ…。

(でも一生さんって願掛けとかしなさそう)

 

・橋爪さん演じる楽(たの)との小芝居シェイクスピア、めちゃくちゃ楽しかったです。あれフル尺で観たいな~~~~。大掛かりなお芝居じゃなくて、橋爪さんと一生さんの二人芝居で観たいです。

 

リア王」「オセロー」「マクベス」「ハムレット」。それぞれちょこっとずつでしたが、すごく贅沢でした。「オセロー」は、実は元のお話をほぼ知らないのでふんわりとしかわからなかったんですが、それ以外はがっつり「天保十二年のシェイクスピア」でもやってたので、「これ知ってる!」ってなりました。

 

それにしても去年からシェイクスピアにゆかりのある一生さん。今回は「ハムレット」以外はすべてヒロイン役でした。ドラマ「天国と地獄」でも、大半は女性として生きていた一生さんの、舞台での女性のお芝居が見られて嬉しかったです。ガワはれっきとした男性なのに、なぜあれほどまでにかわいらしく、時には妖艶にも見えるのだろうか……………。

 

・声が本当にピカイチすぎます。あの中でたった1人、どのシーンでも明瞭にセリフが聞こえてきました。劇団四季みたいに母音法を使ってるわけじゃないのに…。客席に背を向けて声を出しても、なぜかばっちり声が飛んでくる不思議。どんな風に発声してるんでしょうか。

 

・あとこれは「天保~」でも思いましたが、身体能力が異様に高くないですか?????めちゃくちゃ筋肉あるとか、踊りができるとか、バク転バク宙ができるとかではないんですけど、体幹がものすごく強いなという印象があります。スローモーションで動きながらセリフを言ったり、舞台上を縦横無尽に駆け回ったり、突拍子もない姿勢で叫んだり。基礎体力(みたいなもの)がとてつもなく高いんだろうなと思います。

 

・野田さん演じるフェイクスピアが嵐のように去っていった後、白石さんと2人のシーンで何かにツボったらしい一生さんが、着ていた衣装の襟元で口元を隠してにやにやしてて、そのあとの台詞も半笑いで言ってたところ、白石さんがすかさず「台詞忘れちゃうから笑わないで!!!!!」って突っ込んでて笑いました。白石さん、開幕当初に1公演だけ全編にわたってセリフが飛んでた回があったそうですが、それを自虐ネタとして扱えるのすごすぎるな…。ベテランの器ですね。

 

あと口元を襟元で隠してにやにやにやにやしてる一生さん、最っ高にかわいかった…(拝)

 

パイロットとして出てくる時の白シャツーーーーーーーー!!!!!!半袖!!!!!ありがとう!!!!!!!(謎)

 

・事故再現シーンは(一生さんのみならずですが)よくぞこのお芝居を、毎日何度も続けられているなと。ノンフィクションの力を借りたお芝居ってどうなんだろう。それこそ「おんな城主直虎」の小野政次とかは、ノンフィクションの人物ですが何百年も前に亡くなっていて生き証人がいないわけで(それこそ「文字で書かれた記録・ことのは」しかないので)、今回の役とは勝手が違うのだとは思います。

 

一生さんだけでなく、皆さんお芝居するにあたって、ボイスレコーダーに残された壮絶な音声を聞いたのでしょうか。それともあえて聞かずに挑んだのでしょうか。どちらにせよ、本当に覚悟がないとできないお芝居ではないかと思います。

 

・最後に楽が「生きるよ!!」って言った瞬間、にっこり笑った一生さんの表情が脳裏に焼きついて忘れられません…。思い出しただけで泣きそう…。

 

・一生さんのお芝居の素晴らしさを表現する語彙力は、私の中には残念ながらないのですが、無理に言語化するのであれば「隙が無い」と言えばいいのでしょうか。

 

役者の仕事としてセリフを覚え、動きの段取りを覚え、そこに感情を乗せるというのではなく、作品にすっと入り込んで、その世界を生きているという印象を強く受けます。

 

だから一生さんが発するセリフはセリフでなくて、その人物が、その世界にいて、その場で思ったこと感じたことを口から吐き出してるし、感じたままに動いているように見えます。

 

一生さんは「高橋一生」としての人生をきちんと生きられているのか、お芝居を見てると時折不安になります。人生すべてを「誰かを生きるため」に捧げていそうなので。

(なんとなく浮世離れして見えるのもそのせいな気がします)

 

【その他メモ】

・御年80歳の白石さん、橋爪さんはともかく、他の方々のセリフの言い方、発声はもう少しどうにかならんかったのかな、というのが率直な感想です。

 

前田敦子さんはなかなかいい味出てましたし、元アイドルとは思えないくらいの女優っぷりだったんですが、喉つぶしちゃいそうな声の出し方で聞いててひやひやしました。

 

野田さんは……きっとあの感じが好きな人が大多数なんだと思いますが、セリフがめちゃくちゃ聞きづらかったので、笑いどころも何言ってるかいまいちわからず、笑えないということがありました。

 

・場面転換の幕の使い方のあざやかさはすごく好きです(ブレヒト幕というそうですね)白い幕が舞台上手から下手、舞台下手から上手に引かれると、あっという間に場面が変わるんです。いちいち暗転しないのでこちら(客)の気持ちも途切れないですし、明らかに場面が変わることも把握できて、良い方法だなと思いました。

(セットが大転換するミュージカルには全く向いてないと思いますけど)

 

いろいろと考えさせられる、良い観劇体験になりました。

小説「脳男」:タイトルのインパクトとは裏腹に

「脳男」:首藤瓜於

 

(あらすじ)

連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。

逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。

男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが…。

 

(感想)

生田斗真さん主演の映画を見ていたため、比較的スムーズに読むことができました。というか、あまりにも淡々と進むため、スムーズを通り越して印象に残りづらかったです。

 

文章で読むよりも、映画やドラマ、マンガで楽しんだ方が良さそうな物語に思えました。映画は実はあまり面白いなと思えなかったのですが、小説を読んだ後だと「あれって結構うまく作ってたんだな…」と思います。

(映画は、面白さはともかくキャスティングと雰囲気は好きでした)

 

文章の書き方として、私はプロではないのでどうこう言える立場でもないのですが、どうしても気になる点が1つ。登場人物が疑問文を話すときに、なぜか語尾に「?」がついていなくて、それだけで結構読みにくかったです…。

 

たまにこういう書き方の作家さんいらっしゃいますが、個人的には「?」マークありの方が読みやすいです…。