2019年の観劇納めは、2度目の「キレイ ―神様と待ち合わせした女―」でした。
2019年は「劇団四季以外の作品をたくさん見てみよー!」と意気込んだところ、思った以上にたくさんの作品を観劇しておりました。お金を費やした反省はしてますが、その分多くの素敵な作品に出会えたので後悔はしてません(きっぱり)
2019年初観劇は「グレート・コメット〜」、観劇納めは「キレイ」ということで、いくちゃんで始まりいくちゃんで終わった1年でもありました。
初見では、とにかく内容についていくのに必死でしたが、2回目は物語を知った上で観ることができたため、前回は長く感じた上演時間があっという間に思えました。
物語はやっぱり完全には理解出来ませんでしたが、それでも結末を知っていると、それぞれの登場人物のセリフもこちらの受け止め方が変わったりして、見応えがありました。
いくちゃんケガレと神木ハリコナは、相変わらず本当に本当に可愛らしかったです。死の匂いが充満する混沌とした世界で、たった2人、とてもキラキラしていました。2019年に観たミュージカルの中で、ベストな組み合わせは愛希シシィと井上トート(エリザベート)でしたが、それと同じくらいぴたっとくるペアだなと思いました。
あと前回は気づかなかったんですが、ケガレとハリコナがこっそりちゅーしよ!ってシーンは、客席最前列の目の前にある通路で2人がお芝居してるんですが、ちゅーする直前にハリコナがバランスを崩し、うっかり最前列のお客さんにハグしちゃう…って流れを毎回やっているようでした(なぜ前回は気づかなかったのか…)
今回はミドルエイジの女性に神木くんがハグしたところ、その女性が劇場中に響くようなものすんごい悲鳴を上げまして…。笑
舞台に戻っていく神木くんが、「なんだあいつ!!!!!!!!!すごい叫んでたんだけど!!!!!!!!!!!!」って焦っててめっちゃ笑いましたwそりゃいきなり神木くんにハグされたらびびるよなぁ…。
役者さんについては、前回とあまり印象が変わらなかったため、なぜか前回で感想を書いていなかった、カスミ役の鈴木杏さんだけ書いておきます。
【カスミ:鈴木杏さん】
・青年ハリコナ同様、かなりぶっ飛んだ役柄のカスミ。でも私が劇中1番共感できたのは彼女でした。普段生きてる中でぶつかる矛盾や不条理に思えること、心で思ってても決して口にしてはいけないようなこと。カスミはそういったことに気づかせてくれるキャラクターでした。おそらく客席にいる人たちと、最も近しいキャラクターだったのでは…。
・「ここにいないあなたが好き!」と、遠距離恋愛の相手を想うような歌がありましたが、多分「ここにいないあなた(を愛している自分のこと)が好き!」ということなんだろうな、と勝手に解釈してみたり。あの歌、歌詞もメロディーもものすごく変だけど、私は結構好きです。笑
・エビの歌はどんな顔して聞いていいのかわからなくて前回も今回も困惑しました。笑
・カスミを演じる鈴木杏さんは、チャーミングさとウザさの狭間をうまく行ったり来たりする演技がお見事でした。
その他ベテラン勢の役者さんも本当にすごくて、特にカネコキネコ役の皆川さんの肝っ玉母さんぶり(皆川さん男性ですけども…)が印象的でした。
荒川良々さんのキャラがたとえ話をするシーンがあるんですが、どうやら毎回アドリブで変化するようで、今回観た時は「大掃除で窓ふきしてると、外側を拭いた後は内側の汚れが気になるし、内側を拭いた後はまた外側の汚れが気になってくる」っていうのが共感しかなかったですwあれ毎回考えて話してるのかな…。
そういえば劇団四季「アラジン」のカシーム役や「エリザベート」のトートダンサーを務めている乾さんが、割と重要な役割で出演しててびっくり!(劇中で1番最低最悪なキャラでしたが)
時系列がやや難解だったり、シュールすぎる世界観だったり、扱う内容が割と重たかったり(特にケガレが監禁中に受けた仕打ちとか…)、あまり他人に気軽におすすめできないですが、個人的には比較的好きな演目でした。再演したらまた是非観てみたいです。