Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.12.21 ミュージカル「キレイ ―神様と待ち合わせした女―」:ケガレてケガレて私はキレイ

 

「キレイ ―神様と待ち合わせした女―」初観劇。

いくちゃんが主演ということで頑張ってチケット確保しました。

 

今まで聞いたことのない作品だったんですが、どうやら2000年から上演されており、今回が4度目の再演とのこと。人気作なんですね!

 

とにかく超豪華キャストだったので、運良くチケットが当たれば観に行きたいな~くらいの気持ちでしたが、ありがたいことに2公演当選しました。思えば2018年~2019年は、「これは当たらないだろ~」みたいなイベントや演目に行けてたので、かなり運に恵まれた年だったな…。

 


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全体的な感想。

 

同じ年に観た柚希さん&窪田くんの「風の又三郎」よりも難解な気がしました。とにかく登場人物&情報量が多くて、ストーリーについていくのに必死。何が起こっているのか、全く意味が分からないってことはなかったんですが、「この演目が何を伝えたかったのか」は全然つかめませんでした。摩訶不思議すぎて終始脳内が「??」状態。

 

マジシャンはなんでケガレを誘拐したのか。

(身代金目的なら10年も監禁しないような…?マジシャンが「本部」と呼ぶところはどうやら彼の実家?みたいだったし…)

ミソギはケガレ(=地下に置いてきた自分の「裏」側)に会って、そのあとどうなったのか。

 

せっかく頭が良くなったハリコナは、スズメバチに再度頭を刺されてIQが戻ってしまった挙句、どうやら宇宙空間で爆発して花火になっちゃったようですし…。

(花を咲かせる能力=最後は自分が「花」を咲かせちゃったっていう皮肉…)

 

総括すると「で、結局何だったの?」という感じは正直否めませんでした。

1回観ただけだと楽しみ方も理解も難しい演目、という印象です。

 

 

以下、キャスト別感想。

【ケガレ:生田絵梨花ちゃん】

・2019年は、舞台の上で活躍するいくちゃん(合計4役)すべて観ることができました!!その中でも、ケガレが1番似合ってたのではないかな~という印象です。歌う量としては、他の3つの役の方が圧倒的に多かったんですが、いわゆる「お嬢様でない」ケガレが、キャラクターとして非常にハマっている気がしました。(厳密に言うとケガレも本当はお嬢様なんですが…)


・「グレート・コメット」でのナターシャ役では、お芝居もなかなか上手だなぁと思ったんですが、「ロミジュリ」のジュリエット役、「レ・ミゼラブル」のコゼット役は、劇場自体も大きかったせいか、あまりお芝居で伝わってくる部分がありませんでした。特にコゼットは、3回見たけど相手が海宝さんで変わらなかったからなのか、お芝居にも変化がなくて見ごたえに欠けるなぁ…とも思っていました。ジュリエットも、個人的には葵ジュリエットの方がお芝居的には好みでしたし…。

というわけで、これまで見てきて「歌は好みなんだけど、お芝居があと一歩かなぁ」という印象が、私の中では強かったいくちゃん。

でも今回のケガレは本当に良かったです!!純真無垢だけど卑しくて、「生きてやろう」という信念を持った、等身大の女の子がとても上手く表現できているなぁと感じました。

 

・ケガレがハマり役に感じられたのは、共演者の年齢も関係している気がします。ナターシャもジュリエットもコゼットも、お嬢様キャラなのはもちろん、相手役となるほとんどの方が5つ以上離れた年上の俳優さんで、どうしても「可愛い妹」みたいなイメージが拭えなかったからかもしれません。

レミゼに関しては、いくちゃんより年下の三浦マリウスがいらっしゃいますが、未見なのでどんな感じだったのかわからず…)

今回はあまり年齢差がなく、お芝居の経験は豊富でも舞台は初挑戦、さらに実年齢より幼く見える少年のようなルックスの神木くんが相手だったため、いくちゃんものびのびとお芝居出来ているのかな~と感じました。

これまでも別に遠慮してたわけではないとは思いますが、神木くん相手だとより気兼ねなく演技できてるのかな?と思いました。

 

・少年ハリコナとケガレが隣同士で並んでる時、お互いにこにこしたりちょっかい出し合ったりしてて、隣に並んでるだけでもすごく絵になる2人でした。神木くんのほっぺをむにむにってしてるいくちゃんの図が天才的にかわいかったので、私の部屋の壁に額縁に入れて飾りたいくらいです(語彙力)

 

・あと地下に置いてきたケガレの半身の声もいくちゃんが担当………してたことにクライマックスで気づいてびっくり( ゚Д゚)声色は似てたけど、違う人が担当してるのかと思ったくらい、話し方が別人でした。

 

・ちっちゃい女の子が着るみたいな、黄色いふりふりドレスが似合ってしまうのはさすが現役アイドル。

 

 

【少年ハリコナ:神木隆之介くん】

 ・♪俺よ~りバカがい~~~た~~~♪

 

・舞台初挑戦だそうですが、全然そんな感じに見えない肝のすわりっぷり

むしろ「今まで舞台やったことなかったんだっけ??????」ってくらい、堂々たるお芝居をしていた神木くん。舞台俳優としてはベテランじゃないのにベテランの風格が漂ってました(さすがすぎる)


・声はよく通るし、歌も上手いし、踊りもキレキレで、何よりお芝居が本当に良かったです。あととにかく可愛い。


・ずっとバカにされて生きてきたハリコナが、ケガレに出会って歌う♪俺よりバカがいた♪は、かなり序盤での見せ場でしたが、しっかり観客を惹き付ける魅力に溢れてました。

 

・天真爛漫を絵に描いたようで、カーテンコールの時は客席に向かって100点満点の笑顔を振りまきながら捌けていってました。物心つく前からこの世界にいるだけあって、活躍の場が変わっても、積み重ねてきたものがたくさんある分、特に引け目を感じることもないんだろうなぁと思いました。本当にすごい…。

 

・今回青年ハリコナを演じた小池徹平さんが、かつて少年ハリコナを演じてたのと、阿部サダヲさんは少年ハリコナ→ダイズ丸→マジシャンという変遷をたどっているようなので、神木くんもぜひ続投してほしいです。

 

 

【青年ハリコナ:小池徹平さん】

 ・「キンキーブーツ」のチャーリーのイメージが強かったので、今回見てて一番度肝抜かれました。あんなぶっ飛び演技も出来る役者さんなんですね!?!?(そういえばいつぞやのドラマで、サイコパスみたいな役を演じてたような…)

 

・中盤、スリットの入った真っ赤なドレスを着た美人さん来たな~と思って、オペラグラスでのぞいたら小池さんだったので腰が抜けました(真顔)

 

 

【マジシャン:阿部サダヲさん】

 ・マジシャンというキャラクターがいまいち理解できませんでしたが、阿部サダヲさんの「登場するとついつい見てしまう謎の吸引力」は堪能できました。笑

 

 

【ミソギ:麻生久美子さん】

・実は名前以外よく知らなかったんですが、いくちゃんのケガレの面影を残しつつ、大人の色気を醸し出してて素敵でした。

 

ところでこれ、くくりは「ミュージカル」で良いんですかね…?楽曲がものすごくたくさんあったイメージがなかったので、音楽劇なのかなと思ったのですが。

(ミュージカルと音楽劇の違いもあんまり理解できてないけど←)