Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.02.16 ミュージカル「イヴ・サンローラン」:マラケシュに住みたい

 

世界的に著名なデザイナー、イヴ・サンローランの人生のハイライトシーンを切り取った、日本オリジナルのミュージカル。

イヴ役を海宝さん、ピエール役を上原さんが演じている回を観劇しました。

 


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以下、初見の全体的な感想です。

 

・今まで劇団四季のディズニー作品や、再演のミュージカル、もしくはBWですでに公演されているミュージカルの日本版しか見てこなかったので、どんな作品になるか全く分からない初演のミュージカルは初めてでした。

 

・演出の荻田さんは、元々宝塚を演出していることで有名な方だそうで、ところどころ「なるほど…」という場面がありました。なんというか、生々しさを抑えた現実味のない(??)見せ方だな…と思える部分があり、そういうところで特色が発揮されているような気がしました(とはいえ私宝塚は未見なので、あまり詳しくはわからないのですが)

 

・ストーリーがあまり無い、ので好き嫌いがはっきり分かれそうでした。個人的には嫌いではありませんでしたが、再演がもしあってキャストが変わったら…と考えるとちょっと悩むかな…。

 

・歌は同じ曲がいたる場面で歌われていて、リプライズみたいに使ってるのは面白いなと思いましたが、正直印象に残るような歌は無かったです。ジャンルの違う曲が多かったので、聴いてて飽きなかったけど、裏を返せば統一感がないとも言えるような気がしました。あとどの歌も歌いこなすのがちょっと難しそうでした。

 

・セリフがないぶん、ダンスがかなり重要な役割を占めていました。動きで語る(?)ような印象。

 

・個人的にう~~ん…と思ったのは2つ。1つは全体を通してナレーター的な役をする「ルル」という女の子の存在。役者さん自体はかわいらしく、キャラクターも合っていたのですが、この子が狂言回しのような存在で、舞台上をちょこまか動くので、特に1幕はえらく忙しない印象でした。逆に2幕は彼女の出番が減るので、少し落ち着いて見られた気がします。

 

もう1つもルルちゃんについて。カーテンコールのときの彼女の衣装はいったい…??それこそもろ宝塚!みたいな衣装でした。どうもイヴ・サンローランが実際にああいう衣装をデザインしたことがあるそうなのですが、正直登場した瞬間、ぽかーんとしてしまいました……。

 

・海宝さんのイヴは個人的には結構衝撃的でした。役が役なだけに、あんな場面やそんな場面はあるのだろうとやや構えてはいましたが、やはりそれなりに濃ゆくてですね(真顔)特に2幕の浮気シーンは、お相手とのダンスで表現されてましたが、「そのお顔はこんな大勢の前で見せていいやつですか…?」みたいな表情がたくさんで、直視していいのか迷いました。

ちなみにお隣にはなんと小学生低学年とおぼしき女の子が1人で座ってたんですが、彼女の視界を遮ろうかどうかも一瞬迷いました(親御さんは別席に座ってました)とにかく見ながら内心焦ってました。笑 

 

・海宝イヴ、歌は言わずもがなでしたが、それ以上にびっくりしたのはダンス!あまり踊りのイメージが無かったので、ばりばり踊るアンサンブルさんたちに混じってばりばり踊る姿に新鮮味を感じました。

 

・イヴは基本的に「自分に才能がなくても愛してくれる?」みたいなめんどくさい人なんですが、海宝イヴは庇護欲を掻き立てるような可愛らしい乙女なイヴでした。お姫様抱っこされる側も似合うんですね~。

 

あと海宝さんの美しい手が、さらに魅力的に見える動きがたくさんあって眼福でした。

 

・ピエール役の上原理生さんは「ザ・漢(おとこ)」。メンタルがお豆腐なイヴを、精神面でも金銭面でも支えるめちゃくちゃ出来た男でした。そして声が!!めっちゃいいの!!知ってたけど!!!実は生で歌声をお聴きするのは初めてだったので、びっくりでした。電話で「Hello?」(フランス訛りだからアロ?に聞こえる)って問いかける声がまーーーーー色っぽいんですわ!!(興奮)

 

なかなか独特な作品でしたが、海宝さんの新たな一面を見られたので、そういった点では良かったです!