Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2025.11.19 ミュージカル「エリザベート」ソワレ公演:♪ 僕はママの鏡だから ♪から想像した「If」の世界

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1週間ぶりの「エリザベート」観劇は、チケットぴあ・おけぴ合同貸切公演&明日海シシィ東京公演My楽でした。

 

11月に入ってからはずーーーーっと明日海シシィの回だったなぁ。なんだか愛着が湧きました(?)し、さまざまな気づきをくれるお芝居が多かったので、第一印象と同じく「観ていて楽しいシシィ」でした。

 

 

キャスト別感想

エリザベート:明日海りおさん

愛らしさ満点の少女時代

1幕はバートイシュルのシーンがやはり秀逸!思わずふふっと笑っちゃうような行動が多くて、何度観ても目が離せませんでした。

 

いつもは飛んでる小虫を握りつぶしてましたが、今回はどうやら虫に逃げられてしまったようで、逃げた虫を目できょろきょろと追いかけてました。笑

 

お見合いの席で配られるマカロンはタワーごと受け取ろうとしてましたし(あまりにも予想外の行動だったので本気で吹き出しましたw)、スカートの裾をバサバサと派手に動かしながら涼もうとしてましたし、ゾフィーが姉のヘレネと比べて「まずい方よ!」と称するのも納得の振る舞い。

 

そして、ちゃぴシシィがよくやっていた、ヘレネがフランツにプロポーズされそう!と勘違いして、ちっちゃく拍手する仕草、明日海シシィもやってて可愛すぎました…!

 

♪ 計画通り ♪の♪ 間違いでしょう〜 ♪からフランツとのやり取りをして、フランツの気持ちに応えるためにもう一度その手を取る表情とポーズもとってもひょうきんで、ゾフィーの【計画】がガラガラと音を立てて崩れる様が見えるようでした。笑

 

あと今回初めて気づいたんですが、♪ あなたがそばにいれば ♪に入る前に、オフマイクでフランツに「キスしてもいい?」と聞かれてるようで、それに対して明日海シシィが超高速で縦に首をコクコクコクコクしてて笑いました。笑

 

時間の余白を想像させるお芝居

エリザベート」は、あっという間に10年とか18年が経過してしまいますし、場面自体も結構飛び飛びなので、「描かれない空白の時間」に何があってそうなったのか、を表現するのがとんでもなく難しそうなんですが、明日海シシィはその余白部分を想像させるのが上手いと思いました。

 

特に2幕の精神病院のシーン。ドヤ顔で歌う♪ 私が踊る時 ♪からああなってしまうシシィの気持ちの動きがいまいちわからず、個人的にあまり好きなシーンじゃなかったんですが、明日海シシィはここでメンタル不調のスイッチが入るのが明確にわかったんですよね。

 

いつぞや観劇した際にも感じたのですが、「この女、正気のふりをしている!」と患者たちに叫ばれ、「ああそうだったのか、私は自由気ままに振る舞う狂気を持つ勇気がないだけで、彼らと同じなのだ」と気づいて、そのまま不安定になっていく…という流れに感じました。

 

精神病院での出来事をきっかけに「すべてに勝利した私」が、勝利の果てに実際に手にしたのは孤独だけだったと気づいてしまった、という気持ちの移り変わりがわかりやすくて、初めて腑に落ちた気がしました。

 

まさかのハプニング発生

最後通告、フランツが切々とシシィへの想いを歌ってる間に猛然と手紙を書く明日海シシィ。

 

が、なぜか羽根ペンがすぽーんとその手を離れて、なんと舞台セットの下(地面)まで真っ逆さま。さすがの明日海さんも「あ」って顔になり、私も同じく「あ」って顔をしてしまいました。笑

 

ちなみにこの真っ逆さまに落ちていった羽根ペンは、♪ ミルク ♪の最中に加藤ジュラが回収していきました。

 

もしもあのとき……

♪ 僕はママの鏡だから ♪で、自らの窮状を必死に訴えかける伊藤ルドルフの両手を、明日海シシィがぎゅっと握ってあげていて、思わず泣きそうになりました。

 

でもその後、ルドルフの口から「パパ」と出た瞬間にスッとその手を離していて…(涙)明日海シシィの背中を一生懸命追いかける伊藤ルドルフの背中も相まって、シシィがあの時あの手を離さなかったら、という「もしも」の展開を想像してしまい、一段と悲しいシーンになってました。

 

トート:古川雄大さん

FC貸切公演で話していた「自分が目指したいトート像」に、少しでも近づけるように挑戦してそうな印象でした。

 

あの日「ホントは何もしないトートっていうのをやりたかったけど、自分には歴代トートのような『圧倒的』な何かを持ってない。だから稽古場では削ぎ落としていったんだけど、結局初日になったら全部盛りになっちゃって」と笑いながら話してましたが、きっと本人的にはもっと違う風に演じたいんだろうな…というのは伝わってきました。

 

というわけで(?)初日からここまで演じてきて、「このシーンはこの仕草・表情」と型が決まってるような部分を崩していて、なるべく削ぎ落とす方針で演じてるように見えました。

 

前回からガラッと印象が変わったのは♪ 最後のダンス ♪で、シシィを見つめる古川トートの瞳や表情がどことなく切なく見えました。本当はシシィが自ら手を取って踊ってくれることを望んでるのに、「君がそうしてくれないから俺はこうせざるを得ないんだよ?」みたいな歌い方に聴こえました。

 

それもあいまってなのか、楽曲自体も「この曲、こんなに切実な感じの歌だったかなぁ」と、聞こえ方まで変わってきたのがとても不思議でした。

 

でもお芝居を削ぎ落としてても、「泣かないで…」(背筋がぞわぞわするささやき)とかシシィの机に足乗っけるお行儀の悪さとか、体操室シーンでの肋木セクシーポーズは変わってなくてありがたいです(拝)(雑ネーミング)

 

私は今期、涙を流す古川トートをまだ目撃してないのですが、どうやら♪ 愛と死の輪舞 ♪と、その後の♪ 確かにそこにいるわ あなた ♪のくだりで泣いてるらしく…。2022年公演ではシシィが泣いてると古川トートも無表情のまま泣くみたいな印象でしたが、今回はシシィの生命力の強さに触れて泣いてるのかな…?

 

あとこれは3年前も同じことを思った記憶がありますが、♪ 返してやろう その命を その時お前は 俺を忘れ去る ♪はずなのに、シシィは命を吹き返した後でも自分のことを覚えてくれていて、そのことに泣いてるのかなと。きっと自分では「感動して/嬉しくて泣いてる」という意識はないんだろうと思いますが…。

 

ちなみにこの回、古川トートはシシィに呼びかけられても半身だけ彼女の方に振り返り(身体は舞台上手側を向いたまま、顔だけちょっと振り返る感じ)、そのまま自分の頬を撫でてはけていきました。初日からこれまでは、シシィの方に歩み寄ろうとする動きをする回もありましたが、本当に削ぎ落としてきたんですね…。

 

・1幕の♪ 闇が広がる ♪終わりで、シシィに振りほどかれた手を宙に掲げてじっとりとした視線で眺めてから、その手で自らの頬を撫でる古川トート。その後ゆーーーーーっくりと退散していきました。

 

・古川トート、ネイルの色変えました?ポスターで付けてたブルーネイビーっぽくなっててかわいかったです。

(ここまでは黒っぽかったような…?)

 

・この日のラスト、シシィの魂が自由に飛び立ったと同時に、古川トートも抜け殻みたいになってしまったように見えました。息絶えたシシィを「どうして…?」って感じでじーーーーーっと見つめてました。本当に毎回全然違うなぁ…。

 

フランツ・ヨーゼフ:田代万里生さん

・田代フランツ、美声が復活してて良かった…!前回あたりまではやや心配な感じだったので…。

 

・涼風ゾフィーの「義務を忘れた者は!滅びてしまうのよ!」を聞いた田代フランツのでっっっかいため息よ…ある意味ゾフィーの息の根を止めてる気がします…。

(ため息+♪ もうあなたの意見を〜 ♪を聞いてる涼風ゾフィーの大ショックを受けた顔が、それをよく物語ってるような…)

 

・前回観た時も思ったんですが、ルドルフに蟄居を命じるシーン、激昂するというより息子に裏切られた無念さのほうが強く伝わってきて、挫折したルドルフにさらなるダメージが加わりそうな言い方が印象的でした。

 

ルイジ・ルキーニ:尾上松也さん

・初日からずっと思ってたんですが、冒頭で首を絞めていた縄を外してからしばらく、裁判官と話すときの「締まってた首を急に開いて話してます」感たっぷりのゼーゼーした声がうますぎませんか?????

 

・♪ 不幸の始まり ♪冒頭で、ルキーニをトートダンサーズが囲んでるんですが、黒羽ルキーニだと首に手をやってダンサーズに操られてる感じだったのが、尾上ルキーニは逆にダンサーズすら操ってる感じがあり、謎が深まりました(真顔)

 

・シシィの結婚式の舞踏会シーンでシシィ以外が順にはけていくときも、尾上ルキーニは自分のタイミングで勝手にはけてゆき、黒羽ルキーニは音楽の切り替わりの瞬間、かぶっていた白いカツラを忌々しげに取ってはけていってました。すごい。全然違う(横転)

 

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この回はチケットぴあ&おけぴの貸切公演だったため、カーテンコールでは明日海さんと古川さんからご挨拶がありました

 

素はとっても【不思議ちゃん】なお二人なので、果たして挨拶が成り立つのか…と若干そわそわしましたが、先ほどまで緊迫感溢れる芝居をしていたとは思えないほど、のほほんとしたご挨拶をしてくれました。

 

特に可愛かったのが

 

明「古川さんは(東京公演の出演が)あと6回らしいですよ」

古「え、6回!?」

明「あ、なんか嬉しそうですねぇ」(にやにや)

古「そんなことないですあと12,3回できるかと思ってたのに…」

明「ちなみに私と古川さんの組み合わせは、東京公演だとあと1回らしいです」

古「そうなんですか?」

明「あ、なんか嬉しそうですねぇ」(にやにや)

古「違う違う」

 

ゆるゆるツッコむお姉さんな明日海さんに、たじたじになる古川さん。共演を重ねてすっかり良きコンビ(?)になってました

 

あと幕が閉まる前、2人で歓声おねだりのポーズをして、客席から全力の\フゥゥゥゥゥ/が聞こえると、古川さんがにっこり笑って親指立ててたので、この日の「エリザベート」はハッピーエンドでした!!!!!