
ぶっ飛びミュージカルと噂の(?)「ラブ・ネバー・ダイ」、前回再演時は確か金欠で泣く泣くスルーしてしまったので、今回ようやく観劇できました!知り合いに「お話は本当にアレだけど、1回は絶対に観て!」と言われていたので、念願叶って良かったです。
なるほど、これは物語をどう思うかはさておき、一度は観るべきミュージカルだなと思いました。
まず何よりも舞台装置がすごすぎる。この作品、2010年が世界初演らしいんですが(そして今回のバージョンはその後のオーストラリア版らしいのですが)ともかく10年以上前にあの舞台装置を作りあげて上演したって、すごすぎませんか…?当時観劇した人たちはさぞかし度肝を抜かれたはずです。盆って二重三重にして回すのありなんだな(役者さんがめちゃくちゃ大変そうだったのですが、稽古どうやってたんだろう…)
MR!も派手ですごかったですが、あれはどちらかというと舞台の構造そのものではなくて装飾と雰囲気づくりがすごい作品なので…。そして裏を返すと、ぶっちゃけ舞台装置がこの作品一番の見どころでもありました(小声)
「オペラ座の怪人」を愛する人たちからは猛烈に批判を浴びたらしいストーリーですが、確かにこの作品を「オペラ座の怪人」の続編と認識して観てしまうと、受け入れがたい部分が山のようにありました。例えるなら「ト◯・ストーリー3」でとても美しく閉じられた物語を、金儲けのためなのかしょーもないプロットで作られてしまった「トイ・◯トーリー4」みたいな(シンプルに悪口)
ただし製作陣もラブネバを「続編」とは位置付けてないようなので、考え方としてはマーベル映画のマルチバース(=パラレルワールド)みたいな感じなのかも…?
個人的には「オペラ座の怪人」のファントムの妄想とか二次創作って考えるのが一番しっくりきました。だってラウルからクリスティーヌを取り返して、あまつさえクリスティーヌとの間に子供までできてるので。これを妄想と呼ばずしてなんと呼ぶんだい(?)
「オペラ座の怪人」の続編として観るとしんどい、という部分よりも、休憩込みで2時間半という上演時間の短さなのに、ストーリーがうっすいことの方が気になりました。テレビでお昼にやってる主婦層ターゲットの昼ドラみたいな印象でした。
「クリスティーヌが、時を経てもファントムのために歌うか否か」が、物語のカタルシスにあたる部分なので、それほどわくわくもドキドキもさせられないというか…(ここまできたらそりゃ歌うやろ…としか思えなくて)
あと1幕でファントムとクリスティーヌが再会するシーンは、さすがに「我々は一体何を見せられてるんでしょうか」(真顔)な虚無タイムでした。「オペラ座の怪人」の何が美しいかって、ファントムとクリスティーヌはあくまでも「音楽」でつながっていて、いわゆる男女間の欲がある愛でつながってるわけではないのが良かったのに、今作では再会するやいなや熱烈キスを交わすので面食らいました…w
特にこの回はクリスティーヌが真彩さんで、どうしても橋本ファントムとの歳の差を感じざるを得なかったので、余計違和感が…(平原クリスティーヌだったら、もう少し納得できるシーンになってたかもしれません)
とはいえ、世間一般の評価よりも多分私は楽しめた側の人間に入るのではないかと思います。「オペラ座の怪人」にそこまで深い思い入れがあるわけではないからなのか、「そんな文句言うほどひどいかな…」というのが率直な感想でした。再演があったら、またA席で観たいな~くらいには思ってます。
ちなみに今回のキャストで「オペラ座の怪人」を観てみたいし、劇団四季の現在の「オペラ座の怪人」カンパニーで今作を観てみたいなとは思いました。意外と逆の方がしっくりくるかも(?)

初見ということもあり、舞台から遠めの席だったこともあり、役者さんたちがそれぞれどうだったかあまり細かい感想はないんですが、印象的だった方のみメモを残しておきます。
橋本ファントム。観るなら石丸さんor橋本さんだな~と思い、「ムーラン・ルージュ!」の橋本ジドラーが好きだったので橋本ファントム回を選びました。
市村さん・石丸さんとは違って、王道ミュージカルな発声ではないんですが、楽曲によってはそれがとても活きてくる印象でした。そもそもアンドリュー・ロイド・ウェバーの楽曲ってわりとロック色強めだったりするので、橋本ファントムの声にぴったりだなと。特にグスタフを地下?に導く曲がめちゃくちゃかっこよかったです。
あと背が高くてすらっとしたイケオジなので、私がクリスティーヌだったら速攻でラウルを捨ててファントムについてゆきます(ハッピーエンド)
真彩クリスティーヌ。「ファントム」に続きまたもやクリスティーヌ。それこそマルチバースで生きるクリスティーヌみたいじゃないですか…!?こうなったら是非とも「オペラ座の怪人」のクリスティーヌも演じていただきたいものです(無理だけど…)
これまで観た真彩さんのキャラクターは、どれも比較的「陽」が強くて、ご本人もわりとその気質が強そうですが、今回はそこをぐぐっと抑えた大人の色気も漂うお芝居でした。
グスタフをぎゅっと抱きしめながら歌う楽曲がとても素敵でした。♪愛は死なず♪も良かったんですが、ゲネプロ動画を見るとやはりあのシーンは平原さんでも観てみたかったです。歌い方が真彩さん・笹本さんと全く異なるからか、動画だけでわかるくらい圧倒的に別格だったので…。
星風メグ。宝塚時代からすごく気になる娘役さんで(顔がものすごく好みという単純な理由)、今回が退団後はじめての舞台だったのでしょうか?声色の使い方がとてもうまく、ショーアップされた劇中劇で歌い踊る時の身のこなしも、人を引きつける表情や動きをしっかり把握されてるなぁという印象でした。
終盤の狂乱シーンも、それまでの雰囲気とは打って変わっていたので、お芝居の幅も広いんだろうなぁと。今後どういった舞台に出演されるのか、とても楽しみな役者さんです。
後藤グスタフ。後藤グスタフの歌や芝居がどうというよりも、グスタフという役柄に抱いた印象の話になりますが…。生々しい話をしてしまうけども、これ子役さんは大人の役者さんと同じギャラもらえるんだろうか…と思わずにはいられないほど、グスタフの歌も芝居も大変そうでした。
特に歌は、本当に大人の役者と同じくらいの割合で歌ってましたし、不可思議なメロディーラインをしっかりとらえて歌わないといけないですし、子供に背負わせるには明らかに難役すぎるのでは…。ただこの役がこなせたら役者としてものすごく糧にはなりそうだなとも思いました。