Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2025.1.28 ミュージカル「レ・ミゼラブル」ソワレ公演:5年ぶり(?)に登場した新バルジャン



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飯田バルジャン回をやっとこさ観劇できました!

 

バルジャンは今期3人とも2回ずつ確保できていますが、吉原→佐藤→吉原→佐藤→飯田→飯田(予定)と、観る時期がかなり偏ってるのが残念…(とはいえ、そこを考慮してチケット取るのは至難の業なのできっぱり諦めますが)

 

前回のレミゼは全然しっくりこなかったんですが、今回は見どころも多くて「やっぱりレミゼはいいなぁ…」(n回目)と思えたので、やはり組み合わせは大事ですねと改めて感じました。

 

今回面白いなと思えたのが、物語の主軸となる3人(バルジャン、ジャベール、ファンテーヌ)が今期からのキャストで、他の役を2期目・3期目、もしくはそれ以上務めているベテラン勢が固めた組み合わせだったんです。なので新鮮味もあれば、安定感もあったので、個人的にはかなり良い組み合わせでした。

 

座席はまたもや晴香ちゃんFCから素晴らしき席をいただき、1階席前方下手側のサブセン通路で楽しみました。オペラグラスなしで全体を楽しむも良し、1人にロックオンして楽しむも良しな席でした(最高!)そしてこの距離感だからこそ、特に飯田バルジャンのお芝居の良さを発見できた気がしました(後述)


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今期初見キャストをメインに、各キャストの個別感想です。

 

ジャン・バルジャン:飯田洋輔さん】

・バルジャンの新キャストって、2019年のしゅがーさん以来でしょうか…?四季で何年もトップを走ってこられた役者さんではありますが、やはりどこか初々しさを感じました。

 

ちなみに私は四季時代をほとんど存じ上げず、ALWコンで観たのと、JCSで飯田さんが急遽カヤパ様を演じた回を観たのみです。ファントムも観たかったなぁ(今さらすぎる)

 

・冒頭、囚人時代から出獄して司教様に出会うまでのシーンは、意外と(?)今期バルジャンの中では一番荒々しくて、そりゃ宿屋は泊めてくれないだろうし、仕事しててもすぐやめさせられちゃうだろうなぁ…という印象でした。

 

2019年の吉原バルジャンを観たときも同じことを思いましたが、19年もの間、人として扱われなかったせいで、ほとんど人間としての尊厳を失っていて、まるで手負いの獣みたいな状態で仮出獄を許されるんですよね。

 

「誰かに触れる/触れられる」というコミュニケーションが、19年の間に「誰かに触れる=殴る」「触れられる=殴られる」になってしまったせいで、司教様に肩を叩かれたときも(その後、建物の中に入るように肩を押されるときも)ものすごく嫌そうな表情と仕草で振り払ってたのが印象的でした。

 

司教様が銀の燭台をバルジャンに与えて去るとき、「お前の魂は私が買った」と言い残すんですが、司教様にそっと頭を撫でられた飯田バルジャンが、触れられているのに嫌がらずに司教様の目をじっと見つめていたのは、彼がようやく「人間」として生き返り、新たなスタートを切ったんだと感じられる表情でした(長文)

 

ちなみに♪独白♪を歌ってるときの表情、どことなく弟さん(が「ノートルダムの鐘」でカジモドを演じているとき)と似ていて「やっぱり兄弟なんだなぁ」と感じました。

 

・で、飯田バルジャンを観ていて初めて「バルジャンって、生まれ変わる決意をした瞬間から別に聖人だったわけじゃないんだよな」と思えました。というのも、ところどころでとても人間臭い表情や反応があったので。

 

コゼットに初めて声をかけるとき、あまり子供と触れ合ったことのなさそうな、少しギクシャクした様子が見られたり、マリウスからコゼットへのラブレターを読んで複雑な表情どころか、ちょっと嫉妬交じりの怒ったような表情を見せたり(原作のバルジャンっぽい?)、囚人として生きた19年間を取り戻すかのように、「人として生きて成長していく」のをまざまざと見せられてるなぁと感じました。

 

・ファンテーヌの最期のシーンでの、飯田バルジャンのお芝居がとんでもなく素晴らしかったです。今回一番泣けたシーンでした。

 

娼婦になったファンテーヌを助けようとして「あのとき工場で私を見捨てたのはあなたよ」と責められてる間、飯田バルジャンは恐らく自らが知らず知らずのうちに犯してしまった過ち(と呼ぶべきかはさておき)の大きさに耐えきれず、木下ファンテーヌの射るような視線と言葉を避けるかのような泳いだ目をしていたんです。

 

それがファンテーヌの最期では、もうすぐ命の灯が消えてしまうファンテーヌの言葉の1つ1つを、しっかり目を見て頷きながら、泣き笑いの顔で聞いていました。まるでファンテーヌの言葉を魂に刻み込むかのような表情で…(涙)

 

木下ファンテーヌを抱きしめてるときの表情も、今回の座席からはしっかり見えたんですが、自責の念にかられたような悲痛な表情で涙を流してました。

 

直後にジャベールとの♪対決♪がありますが、歌い出しからしばらくは少し涙まじりの歌声で、ジャベールと対峙する声にはなってなかったのが、個人的にはとても良かったです。

(あのシーン、もうちょい余韻が欲しいなといつも思ってます…)

 

・歌は、全体的にもう少しパワーが欲しいなと思ったのが正直なところです。特に、しゅがーさんと同じく♪独白♪の高音パートはちょいとニガテそうに聴こえたので…。でもそれを補ってあまりある素敵なお芝居が見られました!

 

【ジャベール:石井一彰さん】

・プレビュー公演以来の石井ジャベール。プレビュー公演での人一倍の熱い歌とお芝居に度肝を抜かれましたが、さすがに今回はもう少し落ち着いた(?)印象を受けました。

 

・特に1幕は、ひとつひとつがきっちりとした丁寧さがあり、四角四面の融通が利かない男の印象になるので、その牙城がバルジャンによって崩されていく様子がとてもわかりやすいジャベールでした。

 

最期のシーンの歌い出しは、ほぼセリフのようにかなり間を取りながら吐き出すように歌うので、指揮者&オケが合わせるのが大変そうだなぁという小並感(?)

 

・そしてとにもかくにも顔が良すぎる件(小並感リプライズ)伊礼ジャベールも顔が良すぎますが、石井ジャベールは素顔がめちゃくちゃお若い印象なので、素顔の写真を見てると「マリウスかアンジョルラスでも良かったのでは…?」と思っちゃうくらい。本当に男前すぎます。

 

【ファンテーヌ:木下晴香さん】

・良すぎたー!!!!!!!♪夢破れて♪があんなにも心に染みたのは初めてかもしれません。

 

過去2回観たときは、歌唱力での表現に、表情や仕草での表現が追いついていない印象で、(言い方が良くないのが申し訳ないんですが)正直カラオケ感があったんですが、今回はファンテーヌの、希望に満ちていた「あのとき」と、そこから地獄に落とされた「現実」の落差を感じられました。今回で観るのは最後でしたが、絶対次回の再演にも出演してほしいです!

 

【コゼット:加藤梨里香さん】

・バルジャンが最後に「お前を愛した母が預けた子だ、私は父じゃない」と真実を告げた直後、首を横にぶんぶん振りながらの加藤コゼットの「パパ…!」に泣きました。

 

あと加藤コゼットがわりと強気なコゼットなので(個人感)、飯田バルジャンがめちゃくちゃ手を焼いてそうだったのがとても良きでした。

 

【マリウス:三浦宏規さん】

・こんなに…立派に成長して…(涙を拭く保護者ヅラしたミュージカルヲタク=私)

 

・2021年に1度だけ観た三浦マリウス。2期目でしたがまだまだ初々しさがあり、歌もお芝居ももう一声…!な印象があったんですが、今回は登場時の♪誰が導くか 誰がこの国を♪のあまりの力強さに「ほ、ほんまに同じ人か!?」とびっくり仰天しました。この3年くらいでとんでもなく成長している…!レ・ミゼラブルのマリウス」という役に呑み込まれなくなったんだろうなと感じる、堂々たるパフォーマンスでした。

 

特にこのシーンが良かった!というよりは、全体的にめちゃくちゃ良かったんですが、強いて言えば♪恵みの雨♪がすごく良かったです。3年前の生田エポとの、すれ違いまくってた♪恵みの雨♪が悪い意味で印象的だったんですが、今回は本当に素晴らしかったです。

 

途中までなんとかエポニーヌに生きてほしいという気持ちで励ましてるのに、終盤になるともうエポニーヌが生き延びることは無理だと感じたのか、最期を迎える彼女に必死に笑いかけようとする表情がすごく切なかったです。

 

【エポニーヌ:屋比久知奈さん】

・マリウスが同じく三期目(ですよね?)の三浦マリウスだからか、とても息が合っていて前回観劇時よりも今回の歌や芝居の方が好きでした。もうさすがに今期で卒業だろうなぁ…。

 

【アンジョルラス:木内健人さん】

・石井ジャベールと同じく、1幕はきちっきちっとした仕草が印象的で、乱れたシャツの襟をきびきびとした動作で直してたのが妙に印象に残りました。シャツの襟が乱れるのすら嫌がる人が、あんなぼろぼろになってバリケードで戦うなんて…。

 

・♪Drink with me♪(邦題なんだっけ…)で荒ぶるグランテールをハグして耳元で何かつぶやきながら落ち着かせようとしてたんですが、他のアンジョもあんなことしてましたっけ?肩に手を置いて落ち着かせるくらいな気がしたんですが…。

 

バリケードで撃たれて落ちる瞬間、片手が何かをつかもうと空を切っていて…。彼は一体何をつかもうとしてたんだろうなぁ…(しみじみ)

 

【テナルディエ夫妻:駒田一さん&谷口あかりさん】

・結婚式のラスト、2人で歌って踊ってポーズするときに、谷口夫人が駒田テナの肩に頭をこてんと寄せてて、図らずもめちゃくちゃきゅんきゅんしてしまいましたw

(この2人の帝劇での組み合わせが、早くもこの回でラストだったそうです)