Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2024.9.28 ミュージカル「ファンレター」マチネ公演:ぼくの春を今送り出す

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「ファンレター」5回目の観劇。ハマってるな~と思った時点で、観劇できるのはもう残り1公演という…(真顔)

 

以下、簡単な感想メモです。

 

・セリフが上滑りしてたり、歌声がひっくり返ったりと、特定の誰がというより全体的に少しお疲れモードに感じた回でした。

 

・初めて下手サイド席に座ったため、今まであまり見てなかった海宝セフンの1幕序盤の表情がよく見えました。ヘジン先生に初めて会ったときのヲタクモード全開な顔とか…。

 

・ヒカルが実体を持ってから初めて手紙を書くとき、木下ヒカルが口頭で文章を作ると、その口調に合わせて海宝セフンが口パクしながら手紙にしたためてたことに初めて気づきました。

 

・最初の留置場シーン、ユンが「俺はどこに行っても目立つからな。詩を書けば批評されるし…それから愛もだ」という、あのセリフがよくわからない…。「愛」についての話は確かにヘジン先生とは少ししてた気がするけど、「自分は目立つ」という理由に「(自分の?)愛」を入れてくる意図が謎でした。

 

・死にかけているヘジン先生が書いた文章をヒカルが読み上げてる間、恍惚とした表情をしている海宝セフン。客席からはもちろん2人いるように見えますが、実際その場にいたら身体はセフン1人分で、あくまでも彼の中でヒカルとやり取りしてるんだろうなとわかる表情でした。

 

しかし窓を全部閉めきった暗い部屋で、ランプの明かりだけが灯ってる中、死にゆくヘジン先生に「先生、一緒に小説書きましょう」ってにこにこしながら語りかける海宝セフン(話してるのはヒカル)を想像したらゾッとする…。

 

・1幕ラスト、曲も振り付けもあまりにも好きすぎるんですが、海宝セフンの表情が狂気のかけらを抱きすぎてて、こんなこと誰かに言う言葉じゃないとは思いつつ、そしてこれは褒め言葉なんですけど本当に気持ち悪かった…………………………。

 

・今さらだけど楽曲が良すぎる…!韓国版でもいいからサントラ欲しいです。できれば日本版キャストで欲しいけど…。

 

・浦井ヘジン先生、この回は(少なくとも)登場時はやわらかな雰囲気をまとった、生真面目な作家さんという感じで、セフンが表現する「春のような人」の印象に近くなってました。

 

・ヒカルって、やろうと思えば多分もっと妖艶&セクシーに表現できそうなんですが(実際韓国版の断片的な映像を見ましたが、ヒカルは2幕終盤はそれなりにメイクをして真っ赤なドレスを着て、セフンとヘジン先生を手玉に取るような振りがつけられてたので…)「海宝さんが演じるセフン」から出てくるのは「晴香ちゃんが演じるヒカル」で間違いないよなぁと感じました。黒づくめで肌の露出が極端に少ないワンピースに、ひっつめたお団子ヘア。ミステリアスでヒヤッとする空気感をまとってるのが本当に素敵でした。

 

・物語の最後に、セフンは「自分の春を送り出す」と歌って、ペンを捧げるヒカルを振り返るけど、あれは「ヘジン先生への気持ち&ヒカルと決別することで、『もう一度ペンを取る』意欲がわき作家として活動する」という認識で良いのかな…?いろんな受け取り方ができそうなラストシーンだなと感じました。