Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2024.9.6 ミュージカル「モーツァルト!」ソワレ公演:響きのひだに触れて

8/29〜9/6の8日間で、述べ5公演観劇した「モーツァルト」。この回で怒涛のM!詰め込み観劇ウィークは終了しました。

 

とんでもなく楽しかったですし観劇できて良かったですが、1公演ずつ自分の中でしっかり感想を落とし込む時間が取れなかったのはやっぱりもったいなかった…。私は観劇後すぐにメモにまとめられるタイプではなく、ある程度自分の頭の中で「今回の公演は全体的にこうだったな」をまとめてから細かく書きたいので、どうしても感想をまとめるのに時間がかかるんです。さくっと感想をまとめられる人になりたい(切実)

 

この回は、今期初の上手ブロックからの観劇。1階席のちょうど真ん中あたりの列だったので、役者さんたちの表情も、おおまかであればギリギリ肉眼でチェックできる距離感でした。


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以下、感想メモです。

 

・星アマデ、やっぱり「のっそり」感があってマイペースなアマデに見えました。若杉アマデと白石アマデは【天才】としてのプライドの高さがありそうなんですが、星アマデはちょっと毛色が違う風に見えるんですよね。

 

・この回を観劇する少し前、久々に2021年公演のブルーレイをかいつまんで見たんですが、古川ヴォルフのお芝居が全然違いました。

 

3年前の公演はもちろんあれで確立されてましたし、毎回満足度は十分ありましたが、今期の古川ヴォルフはお芝居の細やかさが段違いだなぁと。2021年公演ではLv.5くらいだった芝居がLv.10くらいになってて密度が濃くなってる印象です。改めて今期の古川ヴォルフのすごさを、2021年公演版を見ることで実感できました。

 

・直近の公演で毎回やってた、♪僕こそ音楽♪ラストで古川ヴォルフがアマデの肩に手をかける仕草、今回は最後の♪このままの僕を 愛してほしい〜♪まで全然やる気配がなかったので、「あ、やらなくなったのかな?」と思っていたところ、最後の♪い〜♪を伸ばしながら、ふと思い出したようにそっと手をかけててにっこりしてしまいました(にっこり)

 

・♪何処だモーツァルト!♪でテーブルの上に土足で乗っかった古川ヴォルフを見て、頭を抱えちゃう市村レオポルト。いつも古川ヴォルフしか目に入ってなかったので、パパがあんな仕草してたことを初めて知りました。

 

「ヴォルフガング、謝るのだ」「いや、謝るのは彼だ!」「私を殺す気か」の会話後も、古川ヴォルフの反抗が強くなったからか、市村レオポルトが古川ヴォルフの手をつかむ強さも増した気がします。

 

・ナンネールが市場でみんなにヴォルフのことを聞かれてるシーン、そういえばナンネールだけ貴族のお嬢様のようなドレスを着ててすごく浮いて見えるんですよね。モーツァルト一家が周りの人と、良くも悪くも違うことを表してるのでしょうか…。

 

アルコ伯爵が登場すると、市場にいる周りの人たちは失礼のないような振る舞いをするのに、ナンネールは真っ向から反発するのも、「あのヴォルフガングのお姉さん」ですよね。やっぱり幼少期に彼女も「天才」と呼ばれたプライドが残ってるんだろうなぁ。

 

・ママが亡くなって呼びかけるあの呼びかけ方、本当に一瞬なのですがこの回の古川ヴォルフのお芝居の中で白眉だなと思いました。完全に、小さな子どもが母親を呼ぶときの声のトーンや響きを持ってるんですよね…。

 

・2021年公演で観て好きな瞬間だった、♪残酷な人生♪のイントロでヴォルフの斜め上から降り注ぐ光(=舞台下手側の照明)が、今回も見られたので良かったです(小並感)

 

・♪影を逃れて♪、だんだん語るように歌うようになってて最高…!♪たおやかなシンフォニー〜♪を歌う直前に息を呑むような声を出して、アマデがつむぐ音楽(楽譜)を見ながらうっとりしたように歌うのが個人的にツボです。

 

・♪影を逃れて♪の

「響きのひだに触れて」と

♪愛していればわかりあえる♪の

「互いの奥深く 触れ合って」で

全く同じ動きしてたような…。「触れる」という言葉が持つイメージが、古川さんの中であの動きなのかな?と。

 

・ナンネールも実は大人になりきれてないんだな…と感じた回でもありました。旦那さん(ベルヒトルト)にパパからの手紙を読み聞かせる場面、まるで少女のような声をあげて喜ぶ大塚ナンテールを見て、そう思いました。

 

・「この金は?」「それは姉さんに送る金だ!」ってお金の袋を取り返そうとして落としちゃった古川ヴォルフ、拾い上げたその勢いで(?)その友達を両手でドンって押してました。笑

 

その後も♪前に金 貸してやったぞ〜♪で同じ友達を両手で押して、それに乗じて遠山シカネーダーも同じ人を両手で押してて、古川ヴォルフも遠山シカネーダーも、口元がちょっとニヤけてましたw

 

・♪心を鉄に〜♪リプライズのとき、あまりにも場内が静まり返りすぎたからなのか、♪あなたは去った〜♪の後の間で、ものすごく遠くから「ガタンゴトン…ガタンゴトン…」と、地下鉄が走る音が聞こえてきましたw突然のタイムスリップw

 

ちなみにこの現象、確か「王家の紋章」のときもあったので、帝劇建て替え後はタイムスリップしないよう願ってます。笑

 

・古川ヴォルフのメンタルやられてるお芝居、兆候は悪夢(仮面舞踏会)のシーン終盤から出てたことに気づきました。一瞬右目だけぴくっとさせてたので…。

 

・やっとこさ上手側から見られたので、2幕終盤のシーンが新鮮に見えました。「魔笛」を演奏してるときの古川ヴォルフ、あんなに笑顔だったんですね…あれが最後に「音を楽しんだ」瞬間だったのかな…。

 

・「レクイエム」を書こうとしてるときの古川ヴォルフの表情もくまなく見えました。悩み苦しむ自分を見つめるアマデを、心底憎々しそうに見る古川ヴォルフの視線にゾクッとしました。

 

・レクイエムが書けず、最初の楽譜を破らずにクシャッとして投げたら、ちょうどピアノのイスの前あたりに落ちてしまい、どうするのかな…と見てたら、拾い上げて思いっきり握りつぶして舞台の後ろに投げてました。この後の進行の妨げにならないようにする動きが、怒りが倍増してるお芝居にも見えて良かったです。

 

役者さんは演じる中でどんなに感情的になっても、頭の片隅のほんのちょっとの部分で段取りや「あれがあそこにあると、この後邪魔になるな」など、冷静に考えてる部分があるんだろうなぁ。

(と、このシーンを見ながら思いました)

 

・カーテンコールでの市村さんのポーズ、

高速でギャルピース

両ほっぺに手でハート作る

普通に両手でピース

あまりにもノリノリで笑いましたw