
2年半ぶりのオペラ座~~~~~~~~~~~うわぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜い(狂)
オペラ座がKAATで上演されると発表されたときから、なぜか勝手に「開幕キャストは絶対に清水ファントム!」と思い込み、意気揚々と開幕週の土曜マチネのチケットを確保しました。
ところが稽古場レポートが出たときに「あ、岩城さんの存在をすっかり忘れてた…」(忘れるな!?)と自らのうっかりに気づき、写真の載せ方からもなんとなく【岩城ファントム・海沼クリス・岸ラウル】で開幕なんだろう…と思っていました。
が、私の予想に反して【清水ファントム・藤原クリス・宇都宮ラウル】で開幕。キャストを見た瞬間、静かにガッツポーズしました(ガッツポーズ)

2021年の秋劇場公演は、清水ファントムが公演期間中盤でデビューしたため、チケットは残席から選んでおり「とりあえず観られればいいや」みたいな席ばかりでした。
でもこの回は(謎の思い込みから)やる気満々で確保したので、1階席センターブロックの4列目。この作品をここまで至近距離で観たのが初めてだったので、またいろいろ感じ方が違って、とにかく目が足りなかったです。
今回は久々の生オケ上演だからなのか、主に音の面でこれから微調整していくのかなぁと思う部分がありました。特に役者さんの声とオケの音のバランスがちょっと気になりました。
オケの指揮者さんとカンパニーの息の合わせ方も、開幕直後だったので微妙だったかも?
個々のパフォーマンスは良いのに、全体で観るとなんとなく嚙み合ってないような印象を受けました。演出が変わったのかはちょっとわかりませんでしたが、やや感情を抑えめに、歌に重点を置いた演出になった気がしました。
私の初四季オペラ座はKAATだったので、観ながら「専用劇場じゃないとそういえばこんな演出だったな~!」というのを思い出せて、そういう意味では楽しかったです。
(ちなみに前回のオペラ座KAAT公演、まさかの7年前らしくて腰抜かしました。そんなに昔だっけ…)

以下、キャスト別感想です。
・2021年ぶりに観られて本当に嬉しかった…!のですが、秋劇場でのデビュー直後にあった荒々しさは鳴りをひそめ、良く言えば洗練された、悪く言えば少々無個性になっちゃった印象の清水ファントムでした。「美女と野獣」ビースト役を1回挟んだ影響なのか(=ビーストを演じたことで、ファントムの役作りを見直した…とか?)、今回の演出の方針に合わせたお芝居なのか、ちょっと無難になりすぎてる気もしました。
確かに秋劇場のときは、お芝居に熱が入ると多少歌がブレてたりしていましたが、あれはあれで感情がばーんと伝わってきて個人的には好きだったんだよなぁ。もうあのエネルギー溢れる清水ファントムには会えないのかしら…とちょっとだけ寂しくなりました。
・今回は特に、藤原クリス&宇都宮ラウルとの組み合わせで、二人とも年下&後輩さんなので、そういう要素も多少なりともお芝居の魅せ方に影響してるのかもしれないなと思ったり。
・1番変化を感じたのは発声の部分。デビュー直後にちょっと気になっていた、「あ」行の発声がどちらかというと明るい響きを持って聴こえる=「ノートルダムの鐘」のフィーバス隊長っぽくなってしまうのがほとんどなくなっており、いわゆる「ファントムらしい」発声に切り替わってました。
以前の発声の仕方だと「清水さんっぽい!」って思ってたので、もしかしたら「ちょっと没個性になった?」って思っちゃったのはここが変わったことが原因の一つかもしれません。
あとあんまりガナりを入れなくなった…かな?
・ちょいちょいある「なんかかわいい」みたいな部分は変わってなくて、そこもちょっと安心しました。笑
・♪POTO♪、以前はクリスティーヌの歌声を聴いてグッ…グッ…ってちっちゃいガッツポーズしてましたが、今回はクリスが歌うのに合わせて「あ」の形の口になってて、あの表情がすごく歌の先生っぽかったです。
・久々に聴く♪Music of the Night♪もすごく良かったんですが、やっぱり前の方がもっと抑揚のある歌い方だったような…。今回は歌としては上手なんですが…Bridgeで聴いたバージョンに近い印象でした。コンサートで聴かせる歌、というのかな…。
・藤原クリスティーヌの小さなお顔=清水ファントムの手のひら。サイズ感…!
・気を失ったクリスティーヌに、スーパーご丁寧にマントをかけてあげる仕草は1ミクロンも変わってなかったうえに、眠っているクリスティーヌの顔にそっと手を伸ばして触れそうになってるのを見て「ッアーーーーーー!」ってなりました(荒ぶるヲタク)
・クリスティーヌに仮面を取られた後、地面に這いつくばりながら彼女の方に向かっていくのはもちろん覚えてたんですが、手の力だけで進もうとするのって前からでした…?
足に全く力を入れずに腕だけの力で進んでいて、不気味度が増してた気がします。
・♪行かなければ お前のことをみんなが待つ♪で、クリスティーヌの手をつかんでずんずん歩く清水ファントムの一歩分が、藤原クリスの三歩分くらいで「身長差ーっ!!!」ってなりました(荒ぶるヲタク)
・♪All I Ask of You♪を聴いた清水ファントム、ペガサス像の隙間からヌル……って出てくる姿が妖怪っぽかったです。
その後の♪愛を与えた~♪は、秋劇場のときほどはっきり歌ってなくて、声量抑えめな印象なのでものすごく悲しそうに聞こえました。クリスとラウルのデュエットパートを聴いてあとの、怒りを表す唸り声もなくなってたのはちょっと残念だったかも…。
・2幕も30分くらいしないとほぼまともに登場しないファントムさん(真顔)
出番は多いけど持ち歌1曲だけのビースト&舞台上に出てる時間少なめだけどずっと歌うファントム、と考えると、フィーバス隊長はなかなかいい塩梅の役どころだったんだなぁ(遠い目)
・火の玉攻撃(違)も、秋劇場時代はもっと好戦的な印象でしたが、宇都宮ラウルがめちゃくちゃ「怖いもの知らずな若造」感がすごかったので、そこと熱く張り合うのはちょっと違うかなってなったのか、かなり余裕綽々な印象を受けました。
ちなみに火の玉の飛距離、めちゃくちゃ弱めだったので頑張って(?)
・清水ファントムの♪Point of No Return♪を久々に聴けただけでチケット代の元取れてます(?)
こちらも秋劇場のときはもっと吐息まじりの歌唱で色気が凄まじかった記憶がありますが、今回は「歌」として聞かせることを重視してそうでした。
あと多分黒マントの布量多くなってました(万歳)デビュー直後は他ファントムさんの衣装だったのか、明らかに布量足りてなくて「顔の下半分見えとるよ…」ってなってたもんな…懐かしいな…。
・クリスティーヌを地下室に連れ去るボートのシーンあたりからは、以前とあんまり変わってないかな~と思いつつ、もっと声色ころころ変えてたような気もします。2年半前の細かい記憶カムバック(切実)
・♪醜さは顔にはないわ~♪の藤原クリスの歌い方が(後で別途記載しますが)信じられないレベルのまっすぐさで、客席で観てるだけの私ですらなぜかたじろぎそうになったので、それを直に受けた清水ファントムの狼狽っぷりが、それまでの余裕綽々な雰囲気とガラッと変わってて面白かったです。
・ラウルを地下室に迎えるときの大げさなお辞儀は変わってなかった~!あれ実際に面と向かってやられたらイラっとしそう~!!(※褒めてます)
・♪助けてくださいどうか クリスティーヌ!♪のところ、前は嫌味な声色を使ってた気がしますが、今回使ってなかった気がします。
・自分の席の真ん前に、ちょっとの間ですが清水ファントムが立ち尽くす瞬間があって思ったこと:清水さんまた痩せた?(やめなさい←)見るたびにどんどこスマートになってゆく…。
・クリスにキスされた瞬間、全身で表すパニックっぷりも良き…。震える手でクリスを抱きしめようとするも、どうしても抱きしめることができず…切なすぎます。
・藤原クリスがなにかしらのアクションをしたのかもしれないんですが、キスされた後にファントムがクリスティーヌから離れてラウルの方によたよたと歩いていき、彼女を見た清水ファントムが口元に手を当てて何やらものすごく驚いた顔をしていたので「時差でキスされた実感が湧いてる!?」ってちょっと不思議でした。私が清水ファントムしか観てないからいけないんです(反省)
・清水ファントム、前はもっとボロボロ泣いてた記憶もあるんですが、それもあんまりなかったような。やっぱり感情表現をかなり抑えて演じてる気がしました。個人的にはもうちょい感情出してもろてもええですかね…ってなりました(何様)秋劇場の清水ファントムを知ってると、少々物足りなかったのが正直なところです。
・にしても、この時期上演されてる作品で清水さんが出演できる作品(JCSはいったん除くとして)どちらも特殊メイクバリバリ、かつ「醜い」とされるキャラクターで、私ならメンタル病みそうです(弱)でも「美女と野獣」はハッピーエンドだからいっか!(謎)
・カーテンコールでは、「クリス役者さんの方をぐいっと振り向き、ラウル役者さんの方をぐいっと振り向き、腕にぶんっと勢いをつけて舞台前方に歩いてくる清水大星」が健在でした。なんであんなにオーバーアクションなの…?あまりにもかわいすぎたので、前の座席の背もたれに顔面ぶつけそうになりました(危)
・そしてこの回のカーテンコールはなかなかの盛り上がりだったので、回数を重ねるごとに照れたような笑顔を見せる清水さんなのでした(可愛さのあまり心の中で大の字になるヲタク)
【クリスティーヌ・ダーエ:藤原遙香さん】
・初めて拝見した藤原クリスティーヌ。結論から言うと、個人的には海沼クリスの方が好みでした…が、これは本当に本当に「個人の好みによりけり」だと思います。全体的な印象としては「2017年横浜公演の山本クリス」に似てるなぁと。
・海沼クリスは比較的最初から芯のある強めなクリスだったのに対し、藤原クリスは可憐で少し頼りなさげで、ファントムとの出会いを通して歌手としても人間としても強くなるクリスティーヌでした。物語の展開にぴたっとハマってたのは藤原クリスだと思います。
・歌声も非常に美しかったんですが、藤原クリスは高音域にいくとややパワーダウンするのが気になりました。ただ、元々声楽を専門に習ったわけではないそうなので、それであの素晴らしい歌声を持ってるのはすごいと思います。
・1幕は基本的にぽけーっとしていて、最初にファントムの気配がしてカンパニーがパニックになるときも、1人だけぺたんと座ったまま遠くを眺めていて(…ってこれはクリスティーヌ共通の芝居かもしれませんが、藤原クリスで初めて気づいたお芝居でした)言葉は悪いかもだけどちょっと鈍臭い印象でした。笑顔はあまりなく、常に不安そうに口を少し開いた表情でした。
・イルムートでも、カルロッタが歌い直すときに他役者さんのクリスティーヌは不安そうにしつつもちゃんと芝居し直そうとしてたんですが、藤原クリスはもう芝居どころじゃなさそうでした。
・藤原クリス、2幕の方が個人的には好みでした。♪Point of No Return♪は、少女から大人の女性になった感じが出ていてドキッとしました(色気のある仕草がすごく上手かった…!)
そして地下室シーンでの「純粋なまま強くなったクリスティーヌ」の表現が本当に素晴らしかったです。
特に♪醜さは顔にはないわ〜♪と歌う、瞳のあまりのまっすぐさに心を打たれました。あんなド直球投げられたら、そりゃファントムさんおろおろするしかないわな…。
・首に縄をかけられたラウルの前に立ちはだかるクリスは、今までは「私がこの人を守る」というニュアンスで立ってるように見えてたんですが、藤原クリスは「もうこの人(ファントム)にこれ以上罪を重ねさせたくない」という気持ちでラウルの前に立ってるように見えて、そういう解釈もあるか…!と、新たな発見でした。
地下室から出るときも、ラウルに促されてるのにずっとずっとファントムのことを見つめていて、本当に慕ってたんだなぁと。
・藤原クリスは、ファントムに対して恩師として慕う気持ちが強そうでした。そしてそれは、大好きなパパが約束通り遣わしてくれた「エンジェルオブミュージック」だから、という父への想いが強いからなんだなという印象です。
だから山本クリスと印象こそ似てるんですが、ファントムとラウルとの間でふらふら迷ってるという印象はあまりなく、最初からファントムには尊敬の念、ラウルには恋愛感情と、棲み分けができてるクリスに感じました。
【ラウル:宇都宮千織さん】
・これまでアンサンブルとしてオペラ座に出演されていた宇都宮さんが、ラウルに初キャスティングされ、開幕いきなりデビューされました。かなり荒削り感はあったものの、とてもハマり役に感じました。
・まず圧倒的にビジュが強い…!愛嬌と端正さを兼ね備えた顔立ちが本当に華やかで目を引いてましたし、ガタイも良くて頼りになりそうでした。あれでオペラ座のパトロンになれるくらいの財産を持ってるなんて強すぎる(真顔)
とにかく若々しくエネルギッシュ。そして圧倒的な「陽」なので、こりゃファントムさん勝てませんな…という説得力がありました。
・声がとにかくでかくて、ところどころちょっと面白かったですwずっとフォルテッシモだったので、周りとのバランスをもうちょい考えたほうが良いかな?と思いつつ、他の役者さんにかき消されて何も聴こえないとかよりはマシだと思うので…。
ちなみに私は宇都宮さんを一度しか観たことがなく、それが2020年夏の「マンマ・ミーア!」スカイ役デビュー直後で、ソフィの悪夢のシーンでのウェディングドレス姿しか覚えていないという始末です。笑
【その他】
・やっぱりこの作品は、オークションシーンからのOvertureが天才的な流れだな…。専用劇場じゃないので、シャンデリアの導線がちょいとしょぼいのはやや残念ではありますが、舞台上部にかけられたグレーの布が取り払われて天使のモニュメントが現れる瞬間や、本当に単純な仕掛けですが実際に時間が巻き戻ってるような錯覚が味わえて、素晴らしい演出だなと改めて感じました。
・松尾メグの「ロンデジャンプね~~」のキュートな棒読みっぷりに静かに爆笑してましたw幕間でも「あんな言い方してたっけ?」みたいな感想が周りからちらほら聞こえてきたので、私だけじゃなかったんたろうな…。しかし松尾さん、2017年横浜公演から全く変わってないんですが、年齢重ねていらっしゃいます…?
・女性アンサンブル1枠に、「ウィキッド」の新生エルファバとして話題になった小林美沙希さんが…!東宝とか梅芸ではほぼありえない、他作品でプリンシパルキャストを演じている人がアンサンブルキャストを演じている、四季ならではのキャスティングですよね。カルロッタのお付きの人みたいな役柄でしたが、金髪が似合ってたのでエルサ役もどうですか?(唐突)