月曜のキャスト変更では神永ジーザス&吉岡ユダがキャスティングされており、「前回と同じ組み合わせか~」って思っていたところ、週半ばで再度変更があって佐久間ユダになりました。
おかげさまで今期はこの時点で3回観て、ジーユダの組み合わせが加藤×佐久間→神永×吉岡→神永×佐久間と、全4パターンのうち3パターンはコンプできました。
新キャストのお二人が決して悪いわけではないんですが、今回の(私の中の)定番ペアを観て「私が観たかったJCSはこれだ!」と思ってしまったのが正直なところです…。
神永ジーザスと佐久間ユダはそれぞれ、私が観た中でのベスト回だったかと言われると、神永ジーザスは少なくとも♪ゲッセマネ♪は前回の方が好みでしたし、佐久間ユダは♪スーパースター♪が飛びぬけて良かったんですが(後述)、そこに至るまでのお芝居とか歌唱に関しては、2019年のあの時の方が…と感じました。
でも前々回・前回で感じた「ジーザスとユダの温度差」みたいなギャップがなく、パズルがぴたっとはまるような感覚になったので、本当に唯一無二の組み合わせだなと。
特に最後の晩餐シーンが極上のツラさを感じられる組み合わせなんですよね…。2階席から観ると、地面にへたり込む2人の背中に背負う哀愁がそっくりで、「似たもの同士なのになぁ…」としんみりしてしまいました。
そして、神永×佐久間ペアは本当に本当に本当にビジュアルが強すぎます(真顔)歌とあ芝居の力が絶対なのは言うまでもないんですが、パッとその人が登場したときの、キャラクターとしての佇まいというのもすごく大事だなと感じました。神永さんも佐久間さんも、そこに「いる」だけで、ものすごく絵になる役者さんですよね。
特に、佐久間ユダがカヤパたちにジーザスの居場所を告げ口しに来るシーンの冒頭、八百屋舞台の真ん中てっぺんに立ち、後ろから光を浴びる佐久間ユダのスタイルの良さに、毎回新鮮にびっくりしております。
そして2人して全然ビジュアルが変わらない…!
今回の座席は、2階席の後方センターブロックでした。舞台上手側の一部が、前列の男性の頭で見づらかったんですが、やっぱり自由劇場はこじんまりしてるよなぁ。
♪彼らの心は天国に♪の♪天国を~夢見すぎたのだあ~あ~~ああああ~~~~~あ♪と、♪スーパースター♪の♪そちらじゃみなさんどうです~♪あたりからしばらくの間、佐久間ユダの目線をばっちりいただいたので最高席でした(?)天国シートって呼びたい(??)
アンサンブルキャストも新キャストさん多めで、どうしても2018年・2019年で感じた群衆の熱量がちょっと足りてないな…と思ってたんですが、この回の、少なくともジーザスが捕まった後の群衆に関しては、全体から感じる圧が一段ギアアップしてて良かったです。
逆に、ジーザスへの熱狂ぶりはまだまだ上げられそうでしたし、過去公演で毎回恐怖を感じていた、病める群衆がジーザスに群れで襲い掛かるシーンに関しては、あの蠢く塊としての恐ろしさをやはりあんまり感じないので、序盤からもっと狂気を見せてほしいなぁとも思いました。
今思うと2018年・2019年のJCSの座組ってかなり良かったんだなぁ。
四季JCSは「ヘロデの楽曲後以外は拍手ご法度」な、誰が作ったかよくわからん暗黙の了解があるんですが、この回は思わず拍手したくなるシーンがたくさんありました。四季でJCSコンサート版やりませんか…。
以下、キャスト別感想です。
【ジーザス・クライスト:神永東吾さん】
・一発目の♪なーーーぜーーー知ーーーりたい♪から声の圧がやばかった…!例えが難しいんですが、ものすごく研いだ刃物で空気をひと突きするような、ハッと目が覚めるような声でした。
群衆に向かって語り掛けるときの、圧を感じる硬質な声と、一人でいるとき&神に語り掛けるときの穏やかな声との使い分けがはっきりしていて、「神の子」でもありながら「1人の青年」でもあるというのが、その使い分けで伝わってきました。
捕まったあとは、例えば捕まってしまったジーザスを助けに行こうと「武器を持て」と色めき立つ人に対して「剣を捨てろ」と言い放つんですが、冒頭と同じく圧を感じる声なのに、どこか虚勢を張ってそうな響きも感じられて切なかったです。
・あと神殿で市場を開く人たちへの、怒りの\WAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑/(超絶ハイトーン)
が、過去一ド迫力でした。あの声が来るのがわかってたのに、声量やばすぎて「!?!?!?!?!?!?!?」ってなりました。何をどうしたらあのトーンであの声量出せるんだろう…。
・冒頭、どこかのタイミングでユダがジーザスに「わかってくれよ」と言わんばかりに、地面に手をついてジーザスを見つめるんですが、ゆ~~~っくりとユダの方を向き、じ~~~っとユダを見つめるその視線が、どこかヒヤッとするような、じっと見つめたらいけないような雰囲気があり、佐久間ユダも耐え切れず(?)顔をそらしてました。
前回も神永ジーザスの視線はすごく印象的てしたが、今回もあの「何かを考えてそうにも見えるし、何も考えてなさそうにも見える」視線のインパクトがありました。目を合わせたら100%こちらが負けるようなあの視線は、神永ジーザスならではだよなぁ…。
・♪ゲッセマネ♪は、前回間近で観た&聴いたからということもあり、前回の方が熱量を感じられたんですが、今回は♪死に様~~~~~♪のロングトーン後にある一瞬の空白で、何もかも諦めたかのような、疲弊したため息をひとつついていて(単純にロングトーン後だから一息ついただけかもしれませんが)、その後の♪身も心も疲れ果てた♪への流れがすごくしっくりきました。
・死ぬ時のお芝居、なんかやばかったな…!?加藤ジーザスは「なんか…白目むいてるな…」と思ってましたが、今回の神永ジーザスも同じようなお芝居をされてました。前からそうだったっけ…?
・2019年公演ではもっと「神々しい」印象が強かったんですが、今回はとても人間味を増してる印象でした。だからなのか、息絶えたジーザスの下で泣き崩れるマリアや、彼を最後まで神とあがめていた人たちの姿を見て、(神としてか、人としてかはわからないけど)彼を心底愛していた人たちがいたんだなと思って、すごく泣けてきました。
・2012年がジーザスデビューだったらしいので、断続的とはいえ、もう12年も演じられてるんですね…そりゃ強いわけですな…。ハマり役だと思うので、今後もできる限り続けてほしいです。
【イスカリオテのユダ:佐久間仁さん】
・神永×佐久間ペアは2019年から何度も観てるし(数えたらジャポ合わせて8回目でした)、今回は全体を観よう!って開演前は思ってたのに、結局♪序曲♪から佐久間ユダが出てくるとずっと彼を観てしまいました!!!!!!!!!!!!この!!!!!!!!!!!視線泥棒め!!!!!!!!!!!(盛大な責任転嫁)
・今回もジーザスへの激重感情大爆発ありがとうございました(五体投地)やっぱり「LOVE」なんですよねぇ(?)
・週末マチソワのソワレ回だったからか、特に高音パートは若干声がかすれてた部分もあり(それが彼の場合はロックな雰囲気増し増しになるので良きなのですが)、全編を通してシーンごとのお芝居のテンションにややムラがあるように感じました。
説明が難しいんですが、ユダ最期のシーンまでに少し緊張感が途切れた部分があったような印象で、最期のシーンのあのテンションに持っていくため、無理やり気持ちをそこに合わせていくようなお芝居に見えました。観た感じの印象なので、私の勝手な感想なんですけどね…。
・普段はほとんど明瞭に聴こえる歌詞も、この回はわりと発音が甘かったり、はっきり発音できてないような箇所も、本当に数か所ですが私が聴く限りではありました。
・♪今宵安らかに♪でマリアやジーザスの言葉を聞いている佐久間ユダ、何か言いたそうに口の端が神経質そうに動いてました。
・ユダの最期のシーンって、四季版はなぜ直接的な描写を避けるんでしょうか…?あの演出だと「どう死んだか」がよくわからない気が…(ってこれ初見の感想で書いたかもしれませんが)
映画でも海外コンサート版でも、木に紐をつるして首をくくる姿を明確に描いてるんですよね。四季版の、地面にユダが呑み込まれる絵面と、ユダ役者さんのお芝居のインパクトはめちゃくちゃ強いんですが、あれだと彼自身の意に反して死んでるような印象も受けるような…(♪堕ちて堕ちて地獄へ♪が実現したことへの恐怖、という捉え方もある気もしますが)
・2019年の佐久間ユダ初見の回で、私は彼の♪スーパースター♪に衝撃を受けたんですが、その衝撃再びだった今回の♪スーパースター♪でした。いやぁ…いいものを観ました(?)
初見での印象は「俺の言うことを聞かないから、俺が言うとおりになったじゃないか!やーいやーい」ってジーザスを煽ってるように見えたんですが、今回はなんだか「あの世に逝ってからもずっと怒ってます?」という印象でした。
死してなお、ユダにはジーザスの「考え」がわからず、「考え」を教えてくれないジーザスに対しても、「考え」を理解できない自分に対しても苛立ってるんだろうなと。
十字架を背負いながら歩いてくるジーザスの姿を見た佐久間ユダが、首をうなだれて「やれやれ」みたいな仕草をしたり、ノリノリで歌うソウルガールズたちに厳めしい表情で人差し指を突きつけたり、随分トゲトゲしい雰囲気でした。
・♪考えを~~知りたいだけ~~♪で、自分のこめかみを人差し指でトントンする仕草大好きマン。
・カーテンコールでの佐久間さん、「ノートルダムの鐘」でもゆるゆる笑顔とお手振りがかわいくて大好きなんですが、今回は何回目かのカーテンコールでくるっと上半身だけを客席に向けて、右手だけ振りながらふいににこっと笑顔になった瞬間、その姿があまりにも私のツボど真ん中でした。かわいかった…。しかしもうこれ以上推し役者さんがいると大変なので…(とはいえ、推しの清水さんよりも多分観てる回数が多いのは佐久間さんなんですよね…たまたまなんですけど…)