Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2024.2.11 ミュージカルピカレスク「LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」マチネ公演:祝★大千穐楽 in 古川さんの故郷・長野


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「古川雄大のためならどこへでも」精神を1年ぶりに発揮して、「LUPIN」長野公演&大千穐楽に行ってきました。

 

本当は帝劇公演のあと、名古屋・大阪(はごりごりの年末年始だったので無理でしたが)・博多にも行きたかったんですが、帝劇だけで7回も観ており、12月~1月は地味に他演目もあり、何よりアテプリ2が最優先だったので、大千穐楽のみで我慢しました。偉いぞ私(自画自賛


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長野は車で何度か訪れたことがあるのですが、新幹線で行くのは初めて。上野駅から乗りましたが、1時間半くらいで意外と近かったです。この距離だったらソワレも行けそうだなぁ(で、実際このあと6月に行われた、古川さんの長野でのライブ夜公演に日帰りで行きました!)

 

会場となったホクト文化ホールも、長野駅から徒歩10分程度と素晴らしきアクセスの良さ。

 

座席は1階席後方でしたが、前の席の人の頭が一切舞台にかぶらず、おそらくどの席から観ても舞台全体が欠けることなく見渡せました。都内の劇場も見習ってほしいくらいの見晴らしの良さでした。

 

逆に欠点…というか、元々ミュージカル用に作られたホールじゃないからだと思うんですが、音の反響がすごすぎてわんわん響いちゃってたのは厳しいなぁと。客席の手拍子の音も響いちゃうので、正直現地では手拍子ありの歌が聴きづらかったです。配信では拍手の音をそこまで拾ってなかったので、音に関しては配信で見る方がクリアに聞こえました。

 

古川さんの故郷での公演ということで、きっと村の人たちも「古川さんちのゆうたくん」を見に来てたんだろうなぁと思える、なんとなくアットホームなあたたかさを感じました。実際2月にしては気温も高めで、春のような気候だったこともありますけど…笑

 

帝劇公演以来、ほぼ2か月ぶりに観たこともあり、各都市を周って作品としてちょいちょい変化もあったようなので、「懐かしい~!」という気持ちが半分、「なんか新鮮だ…!」という気持ちが半分で楽しみました。

 

やっぱり改めて観ると、少なくとも私はこれまで観たことのないジャンルのミュージカルだな…って思っちゃうところもありつつ、結局トータル8回も観るくらいにはハマったので…。

 

カーテンコールで古川さんもおっしゃってましたが、客席側も帝劇初期の頃は「???」な空気だったのが、公演期間途中からなんとなく「ここは盛り上げよう!」という雰囲気になり、最終的にわいわい楽しめる作品に仕上がっていった感じでした。

 

大阪公演だったと思いますが、アンサンブルさんが負傷したかなにかで離脱してしまい、やや危機的状況に陥ったときもあったようですが、ボーマニャンとカリオストロ伯爵夫人以外はシングルキャストで全75公演。大きなアクシデントもなく完走できたのは、本当にすごいことだと思います。古川さんもやっとこさ出演ミュージカルが完走できて、ホッとしたのではなかろうか…。

(「エリザベート」2022年も「モーツァルト!」2021年も、ミュージカルではありませんが「シラノ・ドベルジュラック」も完走できなかったので…)

 

カーテンコールで登場したときに見せてくれた、大きなガッツポーズと満面の笑顔が、やり切った感にあふれていてとても印象的でした。


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以下、各キャスト感想です。

 

【アルセーヌ・ルパン:古川雄大さん】

単独主演作品の全公演完走、本当に本当におめでとうございました!

 

(おそらく)古川さんありきで書かれた作品なので、ドハマりしたのはある意味当たり前なのかもしれませんが、あれだけ多くのことを要求される役もなかなかないと思います。

 

・帝劇初期の頃の感想を読み返してたら、マシバン博士の声を本当に古川さんがやってるのか、めちゃくちゃ疑ってる感想が出てきて笑いましたwいやはや、本当にお見事でした。キャラクターごとに充てる声のコントロールがうまくて、普通に騙されました。笑

 

・久々に観たら、ルイ・ヴァルメラはキザな感じが少し抑えめになっていて、エミールは逆にちょけてる感じが強まってたような気がして、ラウールはただただかっこよくて、アネットちゃんはさらにノリノリになってました。

 

・ラウールの来し方ソング、お母さんが亡くなるくだり前後から感情がこもりまくってました。歌が終わったあとのセリフも涙交じりで、どんどん「負」の感情が表出していくのを、真彩クラリスがその後のセリフをおちゃめな感じで言い回して「陽」の雰囲気に持っていっていて、2人の芝居が呼応してる感じがしてすごく好きでした。帝劇公演よりも圧倒的に良くなってるシーンの1つだったな…。

 

 

アネットちゃんが記憶に残ってる100倍くらいかわいかったんですが!?メイクが上達されたのでしょうか…。

 

帝劇で観たときはもう少し「男性の女装」感が出てましたが、大千穐楽ではもはや「ただただ美女」になってたので、オペラグラスで観た瞬間ひっくり返りそうになりました(真顔)

 

・変わっちゃって残念だったのは、♪ルパン現る♪の♪長~いマントを翻して♪の、古川ルパンの手のひらひら~って振りがなくなってたこと(細かい)

 

・古川さんのすごいところって、「まだまだ、もっと」って常に上を目指してるところだと私は思っています。

 

どんなにぶっとんだ役だろうと、その人(キャラクター)をどうやったら素敵に魅せることができるのか、真剣に向き合ってることが伝わってくる真摯さを感じます。

 

だからこそ、何度同じ作品を観ても、毎回ほんの少しずつ違ったアプローチを見せてくれて、そのどれもが甲乙つけがたいほど素敵なので、ますます沼にハマってくんだろうなと。応援のしがいがある、というと上から目線でとっても失礼ですが、こんなに『応援するのが楽しい役者さん』って、もしかしたら初めて出会ったかもしれません。

 

これからも古川さんが上を目指す姿を陰ながら応援したいなと、「LUPIN」を通して思いました。

(と、ちょっと真面目なことも書いてみる)

 

クラリス・デティーグ:真彩希帆さん】

・この作品、基本的に「このキャラはこの役者さん以外考えられない」って人で固められてますが(だから再演や第二弾は難しいだろうと思ってます)、クラリスは本当に本当に本当に真彩さんじゃなかったら破綻してたはずです(真顔)

 

例えばちょっと歌えるくらいのアイドルや若手女優さんがキャスティングされていたら、きっとここまで愛される作品にならなかったとさえ思ってしまうくらいです

 

愛らしくて信念もあるけど、ポヤポヤもしているクラリス。本当にバランスをとって演じるのが難しすぎる役だったと思いますが、真彩さんはおそらく自分の武器が何たるかをしっかり客観視できていて、クラリスというキャラクターがこの作品においてどういう立ち位置にいれば、観客にも愛されるキャラになりうるだろうかということを、ものすごく追究されたんだろうと思いました。

 

・それでも帝劇初期の頃は、ただただ「かわい~」って印象の強いキャラクターでしたが、クラリスには彼女なりに「弱い人を救いたい」という信念があって、手段は違えどラウールと同じ目的を持ってるからこそ、彼と惹かれあったんだなと(勝手に)キャラクターの深堀りができたので、きっと演じていくうちにどんどんキャラが真彩さんの中でも「見えてきた」んだろうな…。

 

・歌唱力が本当にずば抜けて高いので、正直なところ古川さんよりも海宝さんとの共演が観たい…(アテプリの真彩さんゲスト回はあまりにも激戦すぎて取れなかった…)実はいつぞやの村井邦彦さんのコンサートで歌ったんらしいんですよね、海宝ルパンと真彩クラリスの「アルセーヌ・ルパン」…。

 

【ボーマニャン:立石俊樹さん】

・10日ほど前にアテプリ2の立石さんゲスト回を観てたので、そちらでのほんわかした印象のまま観ると印象が真逆!立石さんも芸達者な人だよなぁと改めて感じました。あと遅れてきた思春期をここで発揮してるのかなとか思いました(違います)(アテプリ2観た人にしかわからんネタw)

 

・ボーマニャンソロ曲の♪世界をこの手に♪、かなり聴きごたえありました…!ちょっとブレス音が気になりましたが、終盤のハイトーンになる部分は地声で出してたり、サビ前の無音になる部分でちょっと色気のある吐息をあえて出したり、古川さんと同じく「魅せ方」の追究が素晴らしかったです。

 

・カーテンコールにて「エリザベートでは毎公演雄大さんにハグしてもらってたけど、今回はしなかったんです。でも今日ハグしてもいいですか?」って、めちゃくちゃかわいい後輩ムーブをかましてて、あんなに美しい顔であんなにかわいい発言されたら誰でもメロメロになってしまうではないか…!!!!!

 

【イジドール・ボートルレ:加藤清史郎さん】

・「ニュージーズ」以来だった加藤さん。歌もセリフ回しもとてつもなく上達されていて感動しました。このメンバーが集まるカンパニーで、ソロ曲1つ任されるって相当プレッシャーありそうでしたが、毎回特に危なげなく歌いこなしてたのも素晴らしかったです。あのシーンの曲、「アラジン」の♪Friend Like Me♪みたいなノリですごく好きだったなぁ。

 

【ガニマール警部:勝矢さん】

・勝矢さんを観ると「ドン…!」ってなってしまう、「キンキーブーツ」大好きマン。

 

・ちょっと鈍いけど憎めないキャラを演じたらピカイチの役者さん。小西ホームズとのアドリブ合戦(?)も好きでした。この回は、女装した小西ホームズが落として踏んづけていったウィッグを、拾って頭に乗せて「俺の方が似合うだろ?」ってイジドールくんに見せてて、客席の爆笑をさらっていきました。笑

 

シャーロック・ホームズ小西遼生さん】

・初見では「これさすがにいじられキャラすぎでは…」と微妙な気持ちになりましたが、この作品におけるシャーロック・ホームズとしては大正解なんだなと、公演を重ねるごとに思えるようになりました。これもすべて小西さんの熱演(!?)のおかげだと思います!

 

・大千穐楽はもはやいろいろ遊んでましたよね!?デティーグ男爵の足を出会い頭に踏んづけるわ、女装がバレたシーンではイジドールくんを巻き込み「ほら…一緒に…\どっちがい~い?/」(裏声)って手でハート作るわ(巻き込まれた加藤イジドールがかわいそうすぎましたw)、2幕後半でガニマール&イジドールと双眼鏡を奪い合うくだりでは、ガニマールに押されてものすごくきれいな放物線を描きながら吹っ飛ぶわ、最後にイジドールと一緒にはけるシーンでは「(ルパンの代わりに)私がサイン書こうか!?!?!?!?」って言ってて、もう全体的に笑かしにきてて最高でしたw

 

とはいえ、次回何かの作品で観るなら、もう少しかっこいい役で観たいかなぁ…。笑

 

カリオストロ伯爵夫人:真風涼帆さん】

・帝劇→長野で一番印象が変わった真風伯爵富士。帝劇のときは、色気よりも男気があるよなぁと思ってたんですが、大千穐楽は色気がすごすぎて出てくるたびにドキドキしてしまいました…。

 

柚希さんのお芝居をいい意味で取り入れてるようにも見えて、より魅力的なキャラクターに仕上がってました。

 

・古川ルパンとのタンゴシーン、客席にだけ見せる顔がすっごく素敵で…!「うまくひっかけてやったわ♡」みたいな表情がセクシーすぎました。

 

最初観たときは本当に面食らった作品でしたが(笑)結果的に好きな作品のひとつになりました!