Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2023.12.5 舞台「ジャンヌ・ダルク」ソワレ公演:フランスを救った乙女の一生


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清原果耶ちゃんのジャンヌ・ダルクを見ずに死ねるかー!!!!!

 

という強い意志のもと(?)、初めて舞台「ジャンヌ・ダルク」を観劇しました。実は初演の堀北真希さん時代から気にはなってたので、やっと観られて良かったです。

 

そもそも「ジャンヌ・ダルク」自体に個人的にとても興味がありまして。小学校2年生の時、学級文庫ジャンヌ・ダルクの伝記マンガが置いてあって、なぜか異様に惹かれて何回も読んだ記憶があります。

 

ということで、今回はその時に得た知識のみで挑みました。8歳の頃の記憶があるって我ながらすごくないですか?(ドヤ顔)当時の私にとってはよっぽどインパクト大だったんだろうと思います

 

あと大人になってから、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画版を見ましたが、あれはわりとジャンヌに対してちょっとひややかな感じの描写がされてた記憶があります。


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この作品、プリンシパルキャスト以外に、エキストラとして80名(!?)が出演しており、合計100名で作り上げるわりと珍しい作品でした。1階席に座ると客席通路を使った演出を存分に楽しめる仕様らしいのですが、私はケチったので3階席の最前のA席でした。

 

どセンターだったのは良かったんですが、相変わらず手すりが邪魔で、客席通路なんて1ミクロンも見えないので、多分感じる迫力という意味では1階と3階は段違いだと思います。次再演あったら1階にしよう(気が早い)

 

舞台のど真ん中に大きく空いた真四角の穴と、奥から手前にかけて大きく傾斜している以外は何もセットがなく、とてつもなくシンプルな設計でした。舞台の上手と下手にそれぞれ背の高い滑車(?)みたいな物が置かれてましたが、劇中それを効果的に使っていた印象はありませんでした。まぁあれだけの人海戦術演出をするのであれば、セットは邪魔になりそうなので…。

 

1幕はわりと伝記マンガで読んだ通りの展開やエピソードで作られていて、あぁかなり忠実に作ってるんだなぁと思っていました。

 

が、2幕で「ジャンヌは実はイザボーか産んだ子で、シャルル7世の妹だった」という、わりと斜め上をいく設定を盛り込んできたのでびっくり。考えてみるとそこそこ理にかなっているような説ではあるなと。

 

ジャンヌが目にした「天使」が、実はシャルル7世の幼少期の姿だった設定も、この流れなら納得できました。「妹に救われた兄(王)」なんてみっともないからという理由で、シャルル7世がジャンヌを見捨てたというのも、あの話の中であれば理解できました。史実を知ってても知らなくても、どちらでも楽しめる脚本になってました。

 

本当にジャンヌに「声」が聴こえてたという前提で考えたとき、ジャンヌに「声」が届かなくなった理由って結局なんだったんでしょうか?

 

1幕ラストでシャルル7世と話してるときに、手を触れられたジャンヌがちょっとどぎまぎするようなそぶりを見せるので、「男女間の愛」を知ってしまった=純粋ではなくなった=声が聞こえなくなった、なのかと思ったんですが、2幕の展開を見るとそれは違うような気が…。

 

あとは伝記マンガを読んだときにも思ったんですが、これ本当にあった話なんだと思うと、やっぱりにわかには信じがたいです。1人の武器を持たない少女が国を動かしちゃうんだもんなぁ。

 

お目当ての果耶ジャンヌ。第一声からものすんごく低くて太めの発声をしてて、印象があまりにも違いました。

 

「観客にしっかり言葉を届ける」を優先した結果なのか、終始あまり抑揚は感じられなかったのが正直なところです。

 

でもそれが逆に「彼女の声をどう聴くか」が、聴く人たちにすべてゆだねられてる感じもして、当時ジャンヌと関わった人たちも実際こうだったんだろうと感じました。

 

ビジュアルがとにかく可憐なので、「あんな少女がフランス軍を…!?」という、イングランド軍が感じたであろう一種のおそれはかなりリアルに出せていたと思います。

 

カーテンコールでは、1人だけ客席全体をすみずみまで見渡していて、そのせいか他の人よりも少し遅れて舞台から捌けていました。あの射貫くような視線がすごく素敵。ぜひともまた舞台で観たい役者さんになったのと、もし歌とか踊りができるのであればミュージカル界にもぜひ…!

レミゼのエポニーヌとか似合いそう)