祝・古川雄大さん帝国劇場単独初主演!
オリジナル新作だから稽古の様子も楽曲もよくわからないまま、なんとなく大きめの不安を抱えて初日を観劇しました。
なんじゃこりゃ(呆然)
ポスターの雰囲気から、きっと良くも悪くも宝塚のように「なにはともあれ、最優先されるのは役者たちよビジュアルであり、物語が面白いとかそういうのは二の次である」になるんだろうとは思ってました。
が、1幕ラストでぴかぴか光る&空飛ぶ巨大蝶ネクタイゴンドラに乗って歌う古川ルパンを観て、「いや…これは本当にヤバいやつだ…」と力が抜けてしまいました。直近観たのが「アナスタシア」「ウィキッド」だったのもあってなんか余計……(真顔)………となってしまって…。笑
徹底的にエンタメ色のみを押し出した作品。泣ける・考えさせられる・考察が深まるといった要素は一切なし。見目麗しき役者さんたちが美しい衣装を着て歌って踊るのを楽しむことに、とにかく全精力を傾けていました。この時点で宝塚作品は「シティーハンター」しか観たことがなかったので断定はできませんが、確かに同じ空気感はあったかな…。
ある意味で「感想があふれてくる作品」ではあったので(苦笑)箇条書きで自分の感想を整理してみました。
・全体を観て一番思ったこと。
古川さんは初日カーテンコールの挨拶で「この作品は小池先生が帝国劇場で上演する作品として、初めて書き下ろした作品で…」とおっしゃってましたが、思うに恐らく逆(?)で、小池先生が「古川雄大」という役者を最大限に生かすために書き下ろした作品を、取り壊される前の帝国劇場で上演した、っていうのが正しいんじゃないかな…と(邪推ですけどね…)
「エリザベート」のトート役という、古川さんの中でのひとつの到達点にたどり着き、映像作品にも出ることである程度まで一般的な知名度を上げ、さらに36歳という、若くもなく老いてもいない、人として役者として油が乗った時期。「いろいろな意味でベストな状態の古川雄大を魅せる」のが、この作品最大の目的だったんだと思います。
とっても変な例えですが、自分の子供に七五三でめちゃくちゃいい衣装着せて写真を撮っておくような、【その瞬間】を切り取りたかったんだろうなと思いました。
ある意味役者冥利に尽きる作品ではあると思うんですが、個人的にはこの作品を区切りにして、いったん小池先生とのタッグは解消してもらいたいかなぁ…。もっと違う演出家の作品での古川さんを観たいですし、BWやWEからの輸入作品ミュージカルでの古川さんも観たいので…。
・とにかく「こんな古川雄大が観たい!」という小池先生の願望を詰めに詰め込んだであろう作品。というわけで、例えば「アルセーヌ・ルパン」シリーズの小説が好きで観に来ました、なんていう人は、一体どんな感想を持つんだろう…とは思いました。
あと「エリザベート」とか「モーツァルト!」のような作品が観られると思ってた人は、もれなく感情が無になるはず(真顔)
・終演後は「いや…さすがにこれはちょっと…」って思ってたんですが、結局あんな古川さんやこんな古川さんをまた観たいな…と思う自分がいたので、小池先生の思うツボなんだろうなぁ(なんか悔しい。笑)
基本的にみなさん歌もお芝居も上手いので成立してた部分もあるかと思います。
・あまりにもカオスな作品すぎるので、幕間に某SNSで混乱しながら感想を投げるヲタクと、それを読んで「帝劇で何が起こってるんだ…?」ってなってるヲタクの図が面白すぎましたw
特に、普段は劇団四季作品をメインで観てる人たちが、なぜか「ルパン気になる…」ってなってたのも面白かったです。恐らく役者ファンでないとついていけないと思うので、私個人としては「これ観るならアラジンとかアナ雪観ておいた方がいいです」ってアドバイスすると思います(真顔)
・楽曲はいわゆる「ザ・ミュージカル」な曲をイメージしてると、全然違ったものが出てくるので面食らいました。ポップス曲っぽくて軽めで聴きやすかったですし、なんだかんだでルパンのメインテーマっぽいやつは(劇中で何回か歌ってたからというのもありますが)1回観ただけでかなり耳に残りました。
ボーマニャンが歌う♪俺はルシファー♪みたいな楽曲が一番かっこよくて好きだったかな…歌詞は厨二病120%でしたけど…。
・古川さんのビジュアルがいつも以上に爆発しておりました。黒髪で、ちょっと前髪がはらりと垂れる感じ、最高すぎます。
一応変装するキャラごとに声出し分けてたのもすごかったな…。冒頭でおじいちゃんに扮装するのも、声が全く違ってて「え、あれ古川さんなの!?」ってびっくりでしたし、2幕冒頭の女装もまぁまぁ衝撃でした。まさかカンカン踊ると思わなかったです。笑
その後いきなりはだけまくった白シャツで拷問されてる姿で出てきたのは、「もうこれ小池先生が観たいだけやろ…」としか思えなくて思わず笑っちゃいました。拷問してるレオナールが上裸サスペンダーなのも謎…w
・拷問された瀕死のルパンが、クラリスの幻を見てなぜかそこに伯爵夫人とボーマニャンも出てきて4人で踊るシーンは謎だけど結構好きでした。4人の関係性をダンスで表現してるのがおしゃれ~~~(語彙力ゼロ)
・ボーマニャンがヴィランの立ち位置とは全く思っておらず、蓋を開けたらクラリスを執拗に追いかけるなんかやべぇ貴族でした。
黒羽さんのヴィラン芝居は個人的に好みなので、こういう立ち位置のキャラなのはうれしいサプライズでした。
・真彩さん、基本的に歌上手なんですが、まだ歌いなれていないのかオケの音が聴こえてないのか、この日はなんだか微妙〜〜〜〜にピッチがずれてるように聴こえる部分がありました。初日だし緊張してたのかな…?
・柚希さんは恐らく2020年の「ビリー・エリオット」以来、久々に舞台で拝見しました。「ムーラン・ルージュ!」の平原サティーンのように、わりと肉感的なスタイルをされているので、セクシー美魔女オーラが溢れてました。ルパンやレオナール、ホームズと踊るシーンも官能的でドキドキ…!男装も素敵でしたが、個人的には本来の自分(女性)として振舞ってるシーンの方が好きでした。
初見の感想としてはこんな感じです。久々に色んな意味で衝撃的な作品ではありました。笑