元々全く観る予定はなかったんですが、舞台裏ツアーで聞いたいろんなお話を踏まえてすぐにでももう一回観たかったのと、ここで清水ビーストを観ておかないとしばらく観られない気がしたので、空いてる席を適当に取って行ってきました。
ちなみに観劇2日前まで行くかどうか悩んでたんですが、購入画面でふとギフトコードのボタンを押したら、なんと2年前に出品した「ノートルダムの鐘」のギフトコード残高が7,000円もあるではないですか!
「これは観ろってこと!?」ということで、ギフトコード残高に背中を押されました。かかった実費は2,200円だったので実質タダです(真顔)
そして突発的に行ったわりに、この回がぴったり「日本上演6,000回記念回」だったらしくてラッキーでした(何も知らないヲタク)
スペシャルカーテンコールがあることは前もって知ってましたが、ルミエール役の大木さんが「本日をもって日本上演6,000回を迎えました!」とおっしゃったときに「それ、今週毎回言ってるんだろうな」と失礼ながら思ってたんです。そしたら本当にこの回が6,000回ぴったりだったそうで…!それにしても6,000回ってすごいなぁ(「ライオン・キング」は何回なんだろうか…)
座席はバケパの時と舞台の見え方はほぼ同じ角度で、やや後方にずれただけでした。でもA席なので休日マチネなのに9,000円もしなかったですし、多少見切れはあったものの初見じゃないならここでも大満足でした。
スペシャルカーテンコールについて先に書いておくと、通常通り終演してから1回普通のカーテンコールをやって、そのあと舞台上に再び全員が登場。ステージの端ぎりぎりまで来てくれて、大木さん→吉賀さん→潮﨑さんの順でご挨拶。その後♪Human Again♪を全員で歌い踊り、アンサンブルさん4人がそれぞれ持ってる「6,000」の数字を掲げる、みたいな流れだったはずです。
物語が終わって全員「人間」の状態で歌う♪Human Again♪はなかなかシュールでしたが、普段はこの曲を歌わないベルやビースト、ガストンまでも加わってみんなでにこにこパフォーマンスしてるのはかなりレアなのでは!?
平木ベルと清水ビーストが曲に合わせて華麗にワルツを踊ってるそばを、髙橋ガストンと安田ルフウがぴょんぴょんしながら走っていったのが面白すぎましたw
全体的に、1幕の中盤頃まではなんとなく全体がかみ合ってないような空気を感じたんですが、お城の住人チームが新演出初演から出てる方々だったからなのか、ベルがお城に足を踏み入れた後くらいから徐々に良くなっていった気がしました。髙橋ガストンは新演出版デビュー週、安田ルフウはデビュー週だったからなぁ…。
以下、キャスト別感想です。初見キャスト+清水ビーストのみ。
【ベル:平木萌子さん】
・「ノートルダムの鐘」女性アンサンブル1枠(=フロリカ役)でしか見たことがなかった平木さん。第一声(♪ここは~静かな町~♪)の声質の落ち着きっぷりに一瞬「え?」と驚きました。五所ベル・平田ベルが持つちょっとふわふわ雰囲気があまりなく、地に足つけて現実を生きるベルに見えました。
すごく言い方は悪いんですが、ディズニーヒロインにしてはちょっと地味かな…とまで思ってしまったくらい。
・1幕は、本来の力量が出せてないのかな…なんとなく雰囲気とか動きが硬くてぎこちない気がするな…と思いながら2幕を見始めたら、1幕と全然違ってめちゃくちゃ良くて…!平木ベルを「大人」に見せていたのは、もしかしたらあの村での扱いがそうさせてたのかも…?と、やっと腑に落ちました。
きっとお母さんを早くに亡くしたこともあって(モリースは夢見がちなパパだし)、自分がしっかりしなきゃ、パパを支えなきゃという気持ちで早く大人になってしまった女の子なのかもしれないと感じました。「ベル」というキャラクターはそういう捉え方もできるんだなと新鮮でした。
・五所ベルだとベルがビーストを成長させる印象があるんですが、平木ベルはビーストと同じ目線に立って一緒にはしゃいでて、村を離れてビーストと出会ったからこそ、本来の彼女があるべき姿を取り戻してるようでした。
例えば「アーサー王」をビーストに読み聞かせる場面。「まぁ!お待ちなさいな」の言い方が、他2人のベルは前のめりになるビーストをちょっと落ち着かせるような言い方でしたが、平木ベルは本ごと一回ビーストの前からバッと取り上げるような仕草をして、「まぁ、お待ちなさいなっ!」ってちょっとお茶目に言ってて、清水ビーストに負けないくらいケタケタと笑ってたのがすっごくかわいらしかったです!
・町ベル衣装だとちょっと地味に感じたのも、ピンクやイエローのドレスを身につけると途端に華やかになるので、暖色系が似合う方なんだろうと思いました。イエローのドレスのときの「ザ・プリンセス」オーラよ…。
・♪A Change In Me♪の最後でちょっと声がひっくり返ってましたが、歌唱も総じて良かったと思います。もう少し声量が出るとより良いのかも…?
・幼い頃に「美女と野獣」を観てこの世界を目指したらしいので、清水さんと同じくすごいな…と。平木ベルも清水ビーストも、自分の夢を実際にかなえた人たちが演じていて、夢がありすぎます。
【ビースト:清水大星さん】
・毎回「今回が一番良くない!?」ってなります(小並感)歌はもう何も言えないレベルの上手さでした。
(幕間で後ろに座ってた人が「野獣の人、肺活量えぐすぎてもっと歌声伸ばせそうだった」って言ってて笑いましたw)
・芝居が…お芝居が格段に良くなっている…!ファントムもそうだったけど、演じれば演じるほど人物のレイヤーが厚みを増しているように感じます。
「オペラ座の怪人」のファントムも、デビュー直後は「怒」のインパクトがすごかったですが、どんどん「哀」が強まっていってたし…。
ビーストも、当初は(かわいらしさはもちろんあったものの)凄みや恐ろしさの印象が強かったんですが、今回は弱さや臆病な部分もしっかり表現されていて、ただのわがまま王子じゃないビーストの愛らしさを感じました。
あ、でもベルと言い合うシーンはまた5歳児に戻ってて笑いましたw
・舞浜公演開幕直後の清水ビーストは「生来わがままな王子様が、ベルと出会ってやさしさや思いやりを覚えていく」印象でしたが、今回の印象は「元々持っていたやさしさや思いやりを、ベルが思い出させてくれる」印象でした。金本ビーストに近い印象になったかも?
・野獣としてのうなり声、あれ咆哮の声以外は清水さんが出してるんですよね…?映画と遜色なくてびっくりします。え、うますぎません…?(録音かと思ってたけど多分違うw)
【ガストン:髙橋基史さん】
・旧演出からガストンを演じている髙橋さん、この週新演出でもガストンデビューされました。
金久ガストンがアニメそのもののぶっ飛びキャラだとすると、髙橋ガストンはもう少しリアリティがある…と言えばいいのか、そこまで極端に振り切った演技をするわけでもなく、比較的おとなしめなガストン(?)に見えました。
・ていうか「ノートルダムの鐘」のクロパン………ですよね…………??キャラ違いすぎて「本当に同じ人???」って終始頭の中にはてなマークが飛び交ってました。笑
・ビジュアルが渋くてかっこいいですし、やや年上の風格があるから落ち着いて見えたのかもしれません。普通に「町の人気者」の肩書きに、説得力のあるガストンでした。
・とはいえ、どこかの歌か芝居で一瞬渋いキャラが崩壊しかけてたので、もう少しあの部分を膨らませてほしい気がします。笑
【ルフウ:安田楓汰さん】
・ルフウ=ちっちゃいお兄さん、のイメージがったので、安田ルフウおおきいな!?が第一印象でした。「ルフウはガストンの腰ぎんちゃく」イメージが完全に覆されました。どちらかというと相棒っぽくて、あれはあれで良かったです。
組む相手(ガストン)がベテラン役者さん多めですが、安田さんは2019年に入団したばかりとのこと。あまり芝居をきちんと観られてないけど、まだまだ伸びしろがありそうでした。今後また別の作品で観られたら嬉しいです!