Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2023.10.6 ミュージカル「アナスタシア」ソワレ公演:さらば、渋谷のペテルブルク!

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「アナスタシア」見納め回でした。

 

冒頭、二重になってる幕の舞台側が上がる→客席側の幕が上がる、という流れのはずが、舞台側の幕が上がるときに客席側の幕が引っかかった(?)ようで、ガタンガタンガタン!とすごい音を出しながらの幕開けでした。

 

それに動揺したのかわかりませんが、麻実マリア皇太后がオルゴールのねじを巻くのを忘れてオルゴールを開けようとしてたので、見納め回にしてなかなか波乱の幕開けになってました。ただその後は特にトラブルなく進んでたので良かったです。


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正直前回がめちゃくちゃ良かったので、見納め回のわりに感想が自分の中にそこまで蓄積されていないんですが、ぱぱっと箇条書きで書いていきます。

 

・わかーニャ&ディミよしペア、やっぱりかわいくて好きだ!初演・再演合わせてはるーニャ&相葉ディミトリペア以外は全ペア観たましたが、一番好みの組み合わせはやっぱりこの2人かなぁ。とにかくかわいらしくて、私もヴラドになって2人の恋の行く末を近くで見守りたくなっちゃいます。

 

・海宝グレブ、初日(デビュー)ぶりだったんですが、役が見事に落としこまれてたなぁ(という上から目線感想です)衣装も、初日はなんとなく「着られてる」感じがあったんですが、この回は全くそれを感じませんでした。

 

部屋にいる娼婦たちを追い出すとき、机をばん!と叩くのはもちろん他のグレブと同じなんですが、その後まずは持ってるペンをペン立てに丁寧にさし、目の前の書類ファイルを丁寧に閉じ、さらにその横にあったファイル(本?)を丁寧に閉じてから娼婦の方に向かっていったので、自分の中のルールやルーティン、果ては生き方を崩されるのをものすごく嫌う人なのではないか…と感じました。

 

その後、書類を持って部下に「すぐ調査だ!」と言うセリフも、書類を掲げて誰かが自分から取りにくるのを待つんですが、誰も来ないことにいら立って「…すぐ調査だっ!」と、怒りを含んだ声で発してたのも新鮮でした。海宝グレブの部下にはなりたくないかも(真顔)

 

・♪Learn to Do It♪、ダンス練習シーンでディミよしがわかーニャの足を踏んづけた後、「あ、わりぃわりぃ」って謝ってるの、3ディミトリ観ましたが、その芝居はこの回初めてでした…!

 

あとアーニャがヴラドに皇女っぽい歩き方を習うとき、はるーニャは曲のリズムに乗せてへんてこな歩き方をしますが、わかーニャはリズムガン無視でてくてく歩く感じだったのが、それぞれのアーニャにぴったりだなと思いました。

 

・わかーニャはやっぱり歌がなぁ…。この回はかすれたりひっくり返ったりっていうのはほぼ無かったんですが、音を伸ばすとヘルツがあってないというか…。その音は出せてるんですが、限りなく半音低めに出てるので、聞いてると(言い方は悪いですが)ちょっと気持ち悪い感じがありました。

 

別に私は絶対音感があるわけではないですが、そんな私にもわかるくらいの微妙なズレが気になりました。絶対初演のときの方が歌うまかったので、公演期間中に連投してたとはいえどうしちゃったのかなぁと。でも彼女のお芝居は本当に好きなので…!次に機会があったらストプレで観たいです。

 

・海宝グレブの「ユーモアのセンス」、アーニャの方にぴょこんとジャンプしてにこやかに手を差し出すみたいな動きをしていて、呆気にとられすぎて一拍遅れてじわじわ来ました(めっちゃ笑いました)

 

・♪Neva Flows♪、海宝グレブだと滔々と流れるネヴァ川というより濁流!!!!!!!みたいなネヴァ川だったなぁ(声量やばすぎました)

 

歌い終わりに、アーニャが座っていた椅子をちょっと乱暴に戻すのも、アーニャの存在に心を乱される自分に対するいら立ちのように見えたのと、その後に歌う♪アーニャ~~~♪が、堂珍グレブと違ってかなり圧が弱めで、独り言のようなつぶやきに聞こえたのが新鮮でした。

 

・内海ディミトリも、♪My Petersburg♪では少し音がブレるところがありましたが、この回が彼の東京千穐楽回で気合いが入りまくってたからだろうな…全体的に素晴らしい歌いっぷりでした!

 

・史実のアナスタシアのことを知ると、「下着に宝石が縫い付けてあった」エピソードが、ミュージカルではアーニャが夢をつなぐ要素として使われてるけど……ってなっちゃいますね…

(嘘か本当かはわからないものの、史実のアナスタシアたち姉妹は、その縫いつけられた宝石があったがために、銃で撃たれても即死ではなく、血まみれで逃げようとしたところを銃の持ち手で殴られたり、宝石が縫われていない隙間を狙って剣で刺されて息絶えたという話もあるので…)

 

・8回観て、毎回本当に素晴らしいソロを披露してくれたイポリトフ伯爵。演じる武藤さん、あっぱれすぎました。

 

・イポリトフ伯爵がアーニャの手にキスをしたときの内海ディミトリの反応が、「おっさん、俺の女に手を出すなよ」みたいな顔だったのが地味にツボ。でも本人はあれが「恋」という感情なのは知らないのではと、勝手に思ってます。

 

・海宝グレブの♪Still♪めっちゃ好きだな~!よく考えたらソロ曲が2つあるのはディミトリじゃなくてグレブなんですよね。♪Still♪はバリバリ歌い上げる曲ですし、歌の聴きごたえだけでいったらグレブ役の方がいいのか(というわけで再再演はグレブ役一本でお願いします!)

 

・堀内リリーの♪Land of Yesterday♪、やっぱり最高すぎる…!歌詞が明確に聞き取れるので、さすが元四季役者さんなだけありました。

 

・海宝グレブのグレースーツがかっこよすぎる~~~~(語彙力ゼロ)

 

・カルテットシーン、海宝グレブはバレエじゃなくてアーニャずっと見てましたよね…?バレエを見てたら視線が動くはずなんですが、オペラグラスでロックオンして見てたら全然視線も動かず、顔の向きも変わらないので、多分アーニャをガン見してました。

 

・クライマックスシーンのアーニャとの対峙シーン、海宝グレブは初日の方が感情爆発させてたように見えました。

 

オペラ座の怪人」を見たときも思ったんですが、ものすごいエネルギーで感情を出すのに、キー低めのメロディーラインが続く楽曲だと、どんなに歌が上手い人でも音がうわずっちゃいそうになるんだろうなと、毎回観てて思いました。本当はガッと感情を出して歌いたいのに、楽曲のメロディがわりとキー低めで遷移してたりすると、芝居歌っぽくするしかなさそうなんだなというか(説明が難しい…)そういう意味でもグレブってすごく難しい役どころに感じました。

 

初日の方が…とは思ったものの、表情はこれまであまり見たことないような表情の海宝さんでした。

 

そういえば、前回はどうしてもその2日前に観たディミトリの印象が強かったために、別役を演じているのがあんまりしっくりこなかったんですが、今回も同じく2日前に海宝ディミトリを観ていたのに、全く別役として認識(?)できました。公演を重ねるごとに、ばっちり演じ分け(という言い方が適当かはさておき)できたんだろうなと思いました。

 

・海宝グレブがアーニャを撃てずにうずくまって思わず漏れた声や、「良い人生を、同志」と告げて立ち去るときに振り向いてしっかりアーニャの顔を見てから去っていく姿に、何とも言えない哀愁が漂ってました。

 

 

というわけで、私の「アナスタシア」2023年公演は無事に完走しました!

 

当初5回予定が気づけば8回に…。本当はあと2回(海宝ディミ・海宝グレブ1回ずつ)行きたかったなぁ。

 

出演者の休演や変更はちょこちょこあったものの、公演自体は止まらずに終えられたので本当に良かったです。2020年に悲しい想いをしたぶん、倍楽しめた気もしました。

 

今後どのくらいのスパンで再演を繰り返していくのか、はたまたしばらくは上演しないのかはわかりませんが、できれば4,5年に1回くらいは観られたら嬉しいです…!