※物語のネタバレ全開ですので、未見の方でこれから観劇予定の方はUターン推奨です。
2年ぶりの「スリル・ミー」観劇。
絶対に当たらないだろうな…とダメ元で応募したらちゃっかり当たった、祝日マチネの尾上私×廣瀬彼の回でした。
あのピアノのイントロから始まる緊迫した100分間。2年前に2回観ただけだったので、今回は「そういえばこんな感じだったな」という思い出し要素(?)が強い回でした。
ちなみに冒頭に「私」が客席から登場するのは覚えてたんですが、誘拐した子供を◯した後に歌うシーンで「私」が下手通路側まで飛び出してきて歌ってたのでびっくりしました。あれは2年前はなかった気がするんですが、記憶違いでしょうか?
尾上私×廣瀬彼、なんとも不気味なペアでした。
【私:尾上松也さん】
・「彼」に出会わなければ、おそらくとてもまっとうな道を進んでいたであろう尾上私。お金持ちの家の息子として生まれ、何不自由なく育ち、欲しいものはなんだって手に入る。だからこそ自らの手で「彼」を何としても手に入れたくて…という印象でした。
・極端に「彼」におびえていたり振り回されている印象はあまりなかったので、そういう意味では成河私×福士彼のイメージに近いかもしれません(※個人感)
・観た回がたまたまそうだっただけかもしれませんが、正直歌がちょっと厳しそうな部分がありました。歌になると低音が聴こえづらかったのと、高音もちょっと危なっかしい感じでした。内容がハードな上にほぼ出ずっぱりで歌うの、本当に大変そうだよな…。
【彼:廣瀬友祐さん】
・怖っっっっっっっっっ。
こっっっっっっっっっわ。
・山崎彼以上の無機質さ。血が通っていないような不気味さ。人間に一切の感情を見せずに育てたら、こういう人間が育つんじゃないかってくらい、終始前だけを見すえてまばたきもせず、抑揚のない声で話すロボットみたいでした。
顔は恐ろしく美しくて魅力的なのに、この人とは絶対に目を合わせちゃダメだと本能的に感じさせる怖さがありました。
・「感情が一体何なのかを探す、人になりきれない人」で、喜怒哀楽を知るためにあっちこっち行っていいことも悪いことも、人間が生きていたら経験するあれこれを体験してみてるような印象でした。愛されて育ったオーラ満載の尾上私との見事な対比を感じさせる彼でした。
・誘拐シーンは、自分自身が幼少期の頃まともにかまってもらえなかったせいで、子供への接し方がわかっていないような表情と仕草で、彼の内面のいびつさをより感じるシーンになってました。小さい子にそんな怖い顔で声かけたら、逃げられると思うよ……。
・留置所で「私」が寝てる間に本音を吐露するシーン。山崎彼と福士彼は、今まで堅くガードしていた「彼」のバリアが解けて、初めて人間らしい弱さを見せる印象でしたが、廣瀬彼はここにいたっても全く人間味がなく、化け物が咆哮するような不気味な声で♪死にたくなぁぁぁぁぁぁあ゛い♪って叫んでて、だめだこりゃってなりました。