Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2023.7.6 劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター[ジャポネスクver.]」マチネ公演:和のJCSだからこその「味」

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この時期、キャスト変更がかなり不穏な動きをしておりましたが、なんとか上演できていた「ジーザス・クライスト=スーパースター[ジャポネスクver.]」

 

前回観られなかった高井カヤパと、前回調子が悪そうでしばらく山田さんに交代してた村ピラトが戻っていた一方、大八車を動かす研究生10名が9人分の名前しか載ってなかったり、アンサンブルさんが2名くらいいなかったりと、ちょっと心配になりました…。

 

前回よりもぐっとのめり込んで観劇できた気がするのは、私がジャポネスクverの演出に慣れたのか、演じる役者さんたちがジャポネスクverの魅せ方を把握したのか、とにかく今回のほうが作品を楽しめた気がします。

 

以下、簡単な感想メモです。

 

・ジャポネスクverならではの演出で、好きな部分がいくつかありました。前回書いたシーン(=狂信者シモンのイントロ、スーパースターの茨の冠)以外では、ペテロが3回ジーザスを知らないと告げる場面。3回目の「知るもんか!あんなやつ!」でペテロが自分を見つめるジーザスに気づくんですが、その瞬間の効果音が「ザ・和風」て、一歩間違えるとコメディになりかねない絶妙さでした。

 

・もはや全編にわたって佐久間ユダが好きすぎるんですけど(定型文)、今まで自分が観たミュージカルの中で【役者×キャラクター】の親和性ランキングを付けたらトップ3に入るレベルだと思います。

 

・最後の晩餐でのジーザスとユダの掛け合いが大好きなんですが、佐久間ユダの♪こんなにならずに済↑んだのに〜♪の高音部分は、2019年のエルサレムverのときは裏声で出してた記憶が…今回さらっと地声で出してましたね。

 

・同じく最後の晩餐での掛け合いシーン、ジーザスに\ゆけェェェェェッッッッッッ!!!!!!!!!!サァァァァァァァ↑↑↑↑↑↑/と突き飛ばされた佐久間ユダが、べしゃっと地面に倒れたあと、親に怒られた子供みたいに正座してうなだれつつしょんぼりしていて、そのシルエットのかわいさに不覚にもきゅんとしてしまいました。

 

・ユダの最期のシーン、♪私はわからない〜♪と歌い出すタイミングでちょうど目線が合う位置だったので、ものすんごいうるうるした瞳の佐久間ユダと目が合いました。捨てられた子犬みたいな目で見ないで……………(しんどい)

 

・神永ジーザス、2019年エルサレムverでもそうでしたが、公演を重ねるごとに「人の子感」が増してゆく印象です。歌い方もそうなんですが、はっと息を呑む音だったり、うめき声だったりが、前回よりもよく聞こえてきました。

 

・高井カヤパ、第一声から「この声を待ってた…!」と大感動しておりました。全身がビリビリっと痺れるような美しい低音。一体どんな声帯をしてたらあの声になるんだろうか…。エルサレムverよりもだいぶ悪人面に見えたのは、スキンヘッド&白塗りのせいでしょうか。笑

 

・村ピラト、前回不調っぽかったですが回復したみたいで良かったです!ピラトの出番はほぼ後半ですが、1回出たら出ずっぱりなので、瞬間風速的なエネルギーが必要な役なんだろうと思います。

 

前回よりも葛藤する様子が目に見えてました。ピラトというキャラクターは、あの葛藤する姿が肝だと思ってるので、前回よりも今回のお芝居の方が好きでした。