2023年この時点ですでに2本目のミュージカル出演だった生田絵梨花ちゃんが、「レ・ミゼラブル」以来の熊谷彩春ちゃんと共演!ということで「GYPSY」を観劇しました。
この作品、数年前にイギリスでローズ役をイメルダ・スタウントン、ルイーズ役をドラマ「SHERLOCK」でアイリーン・アドラーを演じていたララ・パルヴァーで上演されていたとのこと。それは見たすぎるな…!
かなり古くからあるミュージカルのようで、昨今の舞台によくある大がかりな装置もなく、映像も使わないというアナログ感。各シーンに名前がついてる(?)ためか、舞台下手袖近くにはフリップが置いてあり、場面が変わるたびにフリップがめくられていく…という、全体的に古き良き時代のミュージカルという雰囲気が漂ってました。
今回上演されたのが東京芸術劇場プレイハウスなのも、この作品にぴったり。壁がレンガ造りっぽくなってたりするので、より雰囲気が出ていたと思います。
物語自体は普通に楽しめましたが、リピートはしなくていいかな…という印象でした。個人的にはラストがあまり納得いかないかも?ここまで大騒ぎになったわりに結構あっさりめに終わったので、尻すぼみに感じました。
あととにかくローズというキャラクターに全く感情移入できず、ちょっと冷静な目で観てしまったかもしれません。
ローズは、見てる分には「なんかヤバそうなおばちゃんだ~」くらいで、そのヤバさはもはや楽しくなってくるレベルでした。でもあんな人が実際周りにいたら…と考えるとなかなかしんどかったです。私ならルイーズの妹・ジューンと同じように脱走すると思う…。
一緒にいたら自分も病むか狂うしかなさそうなので(別にローズは狂ってるわけではないんですが、逆に正気を保っててあの状態というのが一番怖い…)最後まで見ると、あそこまで自分を縛ってきた母親を許すことが、果たして今後のルイーズにとって良いことなのか…とも思ってしまいました。ルイーズにとってはどんな人物であれ、唯一無二の母親ですき、何もかもを超越した愛ってことなのかな…。
ローズ役の大竹しのぶさんは舞台では今回がはじめまして。歌唱力は正直「?」でしたが(ごめんなさい!)、ローズは「才能はあるのにチャンスをつかめなかった人」なので、スターになる素質はあるのに…という「なんか惜しい」感じが必要なんだろうと思いました。そういう意味ではあの圧倒的芝居力にあの歌唱力、というのはいい意味でうなずけました。
ルイーズ役のいくちゃん。ここ3~4年、自分の中の推しメンバーに入れていたのですが、作品ごとに(言い方が悪いのですが)成長があまり感じられず、今回観てやっぱり「かわいい」止まりだな…と自分が感じたら、「いくちゃんが出るから観に行く」というのはやめようかなと思ってました。
で、結果どうだったかというと……。頑張ってました。今までにないイメージを打ち出そうと(特に2幕は)頑張ってたのはすごくよく伝わってきました。年齢的にもそろそろそういった役柄に挑戦するべきなんだろうというのもわかるんですが…………うーーーーん。次回作は、内容に興味がなければちょっと保留にしようかなと。
特にジューン役の彩春ちゃんと一緒に歌うシーン、すごくかわいらしくてシーンとしては好きだったんですが、彩春ちゃんの歌唱力が圧倒的すぎましたね…。
でも2幕での変貌ぶり(ストリップティーズとして開花していく様子)はかなり新鮮で、最後に客席を挑発しながら堂々と話したり歌ったりするのはなかなか様になっていました。特に流し目がセクシー。脱ぐのはぶっちゃけロミジュリのひばりのシーンの方がすごかったと思います。
(当時背中丸出しのいくちゃんを見て卒倒しかけた私←)
ジューン役の彩春ちゃんはかなり久々に舞台で観ました。「パレード」ぶり…だから1年ぶりかな?彩春ちゃんにぴったりの役柄で、わざとらしい「あざとさ」のお芝居がうますぎました。
時折響かせるソプラノボイスがガチすぎて、ジューンがスターになれないのはローズの演出が下手だからだな…という謎の説得力がありました。もっといろんな作品で観たいなぁ…。