「太平洋序曲」3回目&My千穐楽。2日連続観劇でした。笑
座席はまた1階席。今回は舞台上手が斜め前に座っていた方の頭に隠れてしまい、何も見えませんでした。日生劇場の1階席って意外と私は苦手かもしれません…。
個人的には、前日観た組み合わせの方が圧倒的に好みでした。この回の組み合わせは、堅実ではあるんですが面白味はあまりなかったかも…(※個人感)
「耳に残らないなぁ」と思っていたソンドハイム楽曲ですが、この観劇日の翌日の仕事中に脳内で延々流れてて怖かったです(恐怖体験)
以下、キャスト別感想です。
・劇中は比較的淡々と進める印象の山本狂言回し。ときどき遊び心のあるアドリブをかましつつ、あくまでも一歩引いた視点で物語を動かしてるんですが、最後に「明治天皇」に成り代わって話すシーンだけ異様な熱量を帯びており、明治からの日本がどのような歩みをしていったのか、知っている身としては怖くなりました。
「我々がアメリカにされたように、今度は日本がアジアの国々の扉を開くのだ」といったニュアンスのセリフがあり、あの最後の部分、一見するとその後の日本の発展をたたえてるようにも見えるけど、かなりブラックな皮肉なのではと感じました。
・歌はめちゃくちゃうまい!って感じでもないんですが(※個人感)、ああいう「話すように歌う」役柄にはうってつけだなと感じました。私は「アナスタシア」の山本グレブに衝撃を受けたヲタクなので、「アナスタシア」再演にも出てほしかったです…。
【香山弥左衛門:海宝直人さん】
・派手な役柄ではないものの、常に安定したパフォーマンスを見せてくれるのは本当にさすがです。
・案外(と言っては失礼かもしれませんが)和装が似合ってたので、大河ドラマとか…どうですかね…(念)
【ジョン万次郎:ウエンツ瑛士さん】
・あまりビジュアルのことを言うのは…と思いつつ、ハーフであるウエンツさんがこの役を演じること自体、すごく興味深いなと思いました。
万次郎はもともと日本の漁師でたまたまアメリカに渡ったけれど、ずっと英語を話してたならもしかしたら顔つきも日本人じゃなくてアメリカ人ぽくなってたかもしれない…と思うと、もしかしたら日本に帰国したときの万次郎って半分日本人で半分アメリカ人みたいな顔つきしてたかも…となると、ひょっとしたらウエンツさんみたいな出で立ちだったかもしれないよなと。
・セーラー服はもちろん、和装がめちゃくちゃお似合いでした。
・歌は山本さん同様、「語るように歌う」ができる役者さんなので(&ソンドハイム難曲も歌いこなせる技術がある人なので)この作品には適任だったと思います。
全体的に摩訶不思議な作品でしたし、再演は相当先、もしくはこれっきりもう上演されない気がしてますが、たまにはこういう珍味に当たるのも良いかなと思わせてくれる作品でした。