Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.10.2 劇団四季「アナと雪の女王」マチネ公演:凍りつく世界を観るなら2階から

 

劇団四季アナと雪の女王」2度目の観劇。

 

この日のキャストの3分の2くらいは、初日に登板されていた方々でした。一度は初日公演の組み合わせで観たいなと思ってたので嬉しかったです!

 

この日の席は2階前方。全体的な満足度は、前回1階席で観劇した時よりも、今回の方が高かったです。もちろん初見の感動は初見でしか味わえませんが、この作品は総合的に観ると、2階席からの方が素晴らしいと感じました。

 

というのも、1階からだとほとんど見えないのですが、実は床を使った演出がかなり多め。特にエルサの精神が不安定になると、彼女の足元がみるみるうちに凍っていくという、キャラクターの心情の描写を助ける演出がほどこされていました。あの「床」の演出も含めて1つの作品だとすると、圧倒的に2階席がおすすめです。

 

2階席前方であれば、「役者さんたちの細かい表情までじっくり観たい!」というわけでもない限りは、オペラグラスもいらないと思いますし、アンサンブルさんが作る各場面のフォーメーションもキレイに見えました。引きで観るからこその絵画のようなシーンがたくさんあったので(例:エルサの戴冠式シーン)、今後もし「アナ雪観たい!」という友人を連れていくとしたら、絶対2階席にしようと思いました。

 

作品自体の感想は…うーん、初見と特に変わらず、でした。なぜあまりリピートしたいと思えないのか…。本当に素晴らしいと思うんですけど、「刺さるか、刺さらないか」で言うと正直そこまで刺さってないです…。

 

あ、2幕冒頭に出てくるオーケンさんのお店に、「スターウォーズ」シリーズのポーグのあみぐるみと、メリーポピンズが持っている鳥の頭がついた傘があったのを発見できたのは嬉しかったです。笑


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以下、キャスト別感想。

 

【エルサ:岡本瑞恵さん】

・キャラクター像としては、個人的には三井エルサの方が好きかな…と思いましたが、これは贔屓目もあると思うので。岡本エルサは「さすが」の一言に尽きる、という印象でした。特に歌声での説得力や力強さは、この時点では岡本エルサに軍配が上がると感じましたし、初演初日キャストに選ばれたのも十分納得のパフォーマンスでした。

 

・1幕ラストの♪ありのままで♪は、文字通りどんどん「自分らしく」力を解放していく岡本エルサの歌声と表情に、客席のボルテージも上がっていくのを肌で感じました。ラストの♪すこーしも寒くないわーーー!♪(マントばさぁ!&暗転)で、とんでもない熱量の拍手と「我々はいったい何を目にしたんだ…!?」というような興奮状態の客席のざわめきがすごく印象的でした。いやー…あの曲は歌い損じたら本当にやばいんだろうなぁ…(ネガティブ思考)

 

・♪ありのままで♪1番のサビの最後の♪すこーしも寒くないわ♪で、にこっとしながら小首をかしげた岡本エルサ、好きです(告白)

 

・岡本エルサは、ひたすら「孤独」だなと思いました。戴冠式でたくさんの人に囲まれているのに、彼女の周りには透明なバリアがあって、アナと話すときも一見嬉しそうには見えるんですが、決して心からの安寧は得られていなくて、観ているこちら側の胸がときどきぎゅっとなるエルサでした。2幕で氷の城に籠っている時も、人目を気にせず力を解放できて少しはほっとできていそうなのに、あまりそうは見えませんでした。

 

・で、やっぱり私、岡村美南さんエルサが観てみたいのですが、どうでしょうか…。初演オーディションにも候補でいらっしゃったし…。

 

【アナ:三平果歩さん】

・初見の回よりも、役がより身体に馴染んでいた印象でした。あと前回は確か初日からずっと連投されてたので、今回の方が元気に感じました(気のせいかも)

 

・ときどき声にドスがきいてたのはご愛嬌?やんちゃというかちょっとヤンキーっぽさもありました。笑

 

・ハンスと初めてキスするシーン、めちゃくちゃガッツポーズしてたのには爆笑でしたw前回もあんなことしてたっけ…。

 

・アナ役で観てみたい四季の役者さん、私の中では結構いらっしゃるんですが、今後どの役者さんがキャスティングされるのか、かなり楽しみです♪

 

【クリストフ:神永東吾さん】

・全編にわたってややポーカーフェイス気味な神永クリストフ。アナと出会ったばかりの時は良いと思うんですが、肝心なアナへの愛があまり感じられないのはなぜ……。ちなみにスヴェンへの愛は感じました。笑

 

・三平さんとは兄妹役とかの方が似合いそう…と思ったのですが、そういえば「リトルマーメイド」でもプリンセス&プリンスで共演されてましたね…!

 

【オラフ:小林英恵さん】

・すご~~~~く気になっていた小林オラフ。あまりにも可愛すぎていとおしすぎて、2階から飛び降りてハグしに行こうかと思いました(おやめくださいお客様)

 

・山田オラフはばっちり映画版オラフでしたが、小林オラフはピュアな男の子でまた全然印象が違ってました。でもちゃんと「オラフ」でした。個性とキャラのバランス感が素晴らしかったです。

 

・♪あこがれの夏♪は女性用にキー変わってた…のかな?違和感なかったのでそのまま…??

 

・パペットの表情とのシンクロもぴったりで、どれだけ練習を積めばあのレベルまで到達するんだろうと感動しました。

 

・ちなみにおさげ髪にして白いポンポンのついたヘアゴムを付けてて、個人的にはそこもきゅんとしました♡これも女性ならでは!?なのでしょうか。

 

【ハンス:杉浦洸さん】

・「ザ・いい声」な杉浦ハンス。ただし前回観た時よりもうさん臭さが100倍増しで、今回はしっかり「あ~これは最後に裏切りますね~」と感じられました。以前とは雰囲気が変わってたなぁ…。

 

・♪とびら開けて♪の間奏部分で突如\あちょぉぉぉぉ!!!!!/とか叫び出したので、何事かと思いました。笑

 

【その他のキャスト】

・阿部オーケンの♪ヒュッゲ♪前のアドリブ?が面白くて、

「うわぁぁぁぁぁぁぁたくさんの人間~~~!12、3万人いる~~~~~!」

「1階席のみんなー!トイレから戻ってきてくれてありがとう〜!」

「2階席のみんな〜!手がカサカサになるまで消毒してくれてありがとう〜!」

「天井で浮遊してるみんな〜!早く成仏して〜!」

爆笑でしたwあれ毎回考えるのしんどいだろうな…。

 

・松本奈緒さんのバルダがめちゃくちゃ「母性」に溢れてて、完全に親バカママでした。\うちのクリストフのどこがいけないの!?!?!?/の後に膝から崩れ落ちちゃうの、お茶目すぎてかわいい(拝)

 

・ヤングアナ役の三上さくらちゃん、とっても良かったです!子役を見てるとたまに感じるあざとさが少なく、ナチュラルなお芝居に感じました。まだ緊張が取れないのか、やや仏頂面になってしまっている部分もありましたが、話し方や歌い方が自然な子供らしさで、見ているこちらも自然にかわいいなぁと思えました。