Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.6.30 オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「The Last 5 years」ソワレ公演:構成は面白いけれど…

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木村達成さん目当てで「The Last 5 Years」を観劇しました。

アナ・ケンドリック主演の映画があるのは知ってましたが、あえて見ないままで挑んでみました。

 

構成が非常にユニークで、なかなか他では真似できないような作りでしたが、私はいまいちハマれなかったです。

 

登場人物は、ジェイミーという男性と、キャシーという女性の2人のみ。このカップルの5年間を、ジェイミー側は恋の始まりから別れまで、順を追って描いていて、キャシー側は別れから恋の始まりまで、時をさかのぼって描く、という構成でした。

 

ちなみに2人の時間軸が一度だけぶつかるシーンがあったんですが、それがちょうど結婚式なんです。どうやったらこんな面白いこと思いつくんだろう…。すごいなぁ。

 

…とはいえ、私がこの作品の面白さを感じたのは正直「そこだけ」で、他は特に面白さを感じないままでした。

 

冒頭、浮かれてるジェイミーを見ても、「いやでも5年後別れるんだし」とか、ラストで浮かれてるキャシーを見ても「いやでも5年後別れるんだし」ってなってしまった…(最悪な客)

 

たとえば最初のシーンでは、ジェイミーは恋が始まる予感に胸踊らせているのに、キャシーは夫婦生活が終わりを告げた悲しみを嘆いているので、それを間髪入れずに同じ舞台上でやられると、一体こちらはどういう気持ちで見たらいいのか、というところに最後まで引っかかってました。どちらかに思いっきり肩入れして観たら良かったのかな。

 

例えばジェイミーをメインにして、映画「テネット」のように、2人を引き裂くきっかけとなる出来事を食い止めようとして奮闘する(で、実はキャシーも時間を飛び回りながら同じことをしようとしてた)みたいな話だったら面白みもあったと思うんですが、本当にただただ5年間が過ぎていく(&戻っていく)だけだったので…。

 

あと楽曲。一曲がすごく長い気がしたんですが気のせいでしょうか。ただでさえ二人芝居なので、ものすごく役者の技量に任されてる演目だなとも思いました。木村さんと村川さん、それぞれとても頑張ってましたが、この日がこのペアの初日ということもあったからなのか、どうも曲が間延びしてる気がして、やや退屈さを感じる場面も正直ありました。

 

あんまり細かく見られてないですが、木村ジェイミー良かったです!今回は歌メインなのでセリフは少ししかなかったけど、やっぱり彼の台詞回し好きだなぁ(大事なことなので何度も書く。笑

 

歌もすごく難しそうでしたが、しっかり感情を乗せて歌えていると思いました。あと英語歌詞の歌い方がうまくてびっくり。後半、とあるシーンで上裸で出てきた木村ジェイミーを見て、あまりの細さにものすごく心配になりました(オカン的視点)しっかり食べて大きくなってね…。

 

村川絵梨さんは、今年の大河ドラマ「青天を衝け」にて、主人公の姉役を演じられていましたが、歌える役者さんと知らなかったので、まず歌のうまさにびっくりでした。ミュージカルの発声にはあんまりなってなかったように思いましたが、声量も十分あり、歌詞が聞き取れないこともありませんでした。なによりすごくかわいらしかったので、村川キャシーを観られて良かったです!

 

再演は…また気になる役者さんが出ていたら観に行こうと思います。