Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2021.6.27 ミュージカル「マタ・ハリ」マチネ公演(東京公演千穐楽):命ある限り舞い続ける

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ちゃぴさんが出る!!!という理由だけで観に行こうと思った「マタ・ハリ」。

 

人々を魅了するダンサーがスパイになる、というストーリーも気になりましたが、初演の動画を事前に見たところ、どうもサスペンスというよりラブストーリーっぽかったので、そのへんはあまり期待しておりませんでした。

 

ちなみに歌も、事前にかいつまんで聴いただけでは、「お!?これは!」みたいな楽曲には出会えず。そしてなにげにワイルドホーン作品は今回初でした。本当は2020年に「四月は君の嘘」で観る予定だったんですけど…。

 

この2日前に観た「フェイクスピア」がかなり衝撃的だったこともあり、「マタ・ハリ」はあまり期待せずに観たんですが、想像以上にお話が面白かった…!

 

最後にマタが処刑されるのは知っていたので、バッドエンドになるのはわかってたましたが、それでもマタとアルマン、マタとラドゥ、アルマンとラドゥの駆け引きにドキドキさせられっぱなしでした!年末にDVDが出るとのこと、絶対買います…!

 

(Wキャストがどちらも1枚にパッケージされるそうですね。主演のお2人が同じ事務所だからできることなのかなぁ…関係ないか…)

 

リリアホールは、SNSで見るかぎりやたら前評判が悪かったんですが、3階でもとりあえず音響は問題ありませんでした。センターブロックだったからでしょうか…。

 

手すりは確かに邪魔でしたが、舞台上の役者さんにかぶることはほとんどなく、強いて言えば舞台の手前端っこ(客席側)が手すりにかぶってたので、たとえばそこで役者さんがしゃがんでしまうと、手すりの陰に人が消えるって感じでした。

 

(どこのシーンだったか、一度田代ラドゥがその場所でしゃがんでしまい、見事に手すりの陰に消えてしまいました…)

 

楽曲は、♪二人の男♪が強烈なほど耳に残りました。一度聴いただけでサビは絶対に覚えられる、あの昭和歌謡曲のようなメロディアスなナンバー。笑

 

 

演出は全体的に結構好きでした。特に最後にアンナがマタに会いに来るシーン。マタが穏やかな表情で、「今日の客席はどう?」みたいに聞くと、アンナが「それは…」って泣き崩れるんですが、そのセリフきっかけで上から鉄格子のセットが降りてきて、マタとアンナの間に置かれるんです。そこで初めて、マタが留置所に入れられて、死刑判決を受けたこともわかるという、秀逸な演出でした。


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以下、キャスト別感想です。

 

マタ・ハリ(マルガレータ):愛希れいかさん】

・「強い女性」かつ「色気で攻める」というキャラクターは新境地な気がしました。ちゃぴさんは華奢というよりも、きちんと筋肉がついたしなやかな女性らしい身体つきなので、肌色面積が多めな衣装だと、同性でも見ていてすごくドキドキしてしまいました…!寺院の踊りの衣装なんて、オペラグラスで覗くのをためらうレベル。

 

・元々猫っぽいお顔立ちだからかもしれませんが、ちゃぴさんマタは、内面も猫ちゃんみたいでした。マタとして男を落とすときは、徹底して「女の武器」を使って男にすり寄り、ツンデレを使い分けてる感じ。男が自分に興味を持つまではぐいぐい攻めますが、相手が自分に興味や好意を持った途端、ぷいっとどこかに行ってしまう魔性の女性でした。マタの中では、ラドゥもその中の1人…のつもりだったんでしょうね。

 

・一方アルマンに会ってる時は、マタとしての顔を捨ててマルガレータとして接している印象で、顔が「女」ではなく「少女」に戻ってました。マタはかなり壮絶な人生を歩んできたようだったので、早くから「女」として生きることを迫られてたのかもしれません。そしてその反動で、アルマンに対しては乙女のような顔を見せてたのかな…と。

 

ちゃぴさんマタは、この「顔」の使い分けがとてもうまかったように思います。声の雰囲気とか、かなり違ってたように感じました。

 

・ダンス永遠に見たかった~~~~!!!!!DVD買ったら「寺院の踊り」だけめちゃくちゃ再生します。

 

・「イリュージョニスト」の時は、歌が正直微妙でしたが、今回は良かったです。高音部分にいくときの、裏声への切り替えがやや気になるので、そのまま地声でいけるようになるか、切り替えが上手くなるとさらに聴きやすくなりそうです。

 

・この日は配信がありましたが、カーテンコールで「こんなところ(舞台の端)にもカメラあったの!?え!?知らなかった!!!!」って焦ってる姿がかわいかったです。笑

 

【ラドゥ大佐:田代万里生さん】

万里生さんの新しい顔を見た…!気持ち悪すぎる…!(超褒めてます←)いつもにこにこ穏やかな人が演じるヒールは最高ですね…!!

 

・今まで私が万里生さんに持っていたイメージを全部覆してきた田代ラドゥ。この作品を楽しめたのは、ちゃぴさんの魅力以外なら、圧倒的にこの人の歌とお芝居でした。マタを愛してしまった苦悩や悲しみも垣間見えましたが、とにかく徹底したヒールっぷりに、3階席で震えてました…。

 

・イメージ覆った…とはいえ、「エリザベート」のフランツでは「シシィ大好き!!!!」みたいな重たい愛を感じましたし、そういえば芳雄さんのことを異様なまでに「好き好き」言ってるし、重たい愛を表現させたらピカイチなのかもしれません。笑

 

・アイメイクがちょっと独特?万里生さんって目は一重だと思うんですけど、ふとした瞬間に見える目元が、「まぶた全部にアイライン引いたの!?」ってくらい、ぶっといラインが引いてあった気がします。無駄に目ヂカラ強かったのはそのせいなのかな…。

 

・キャラクターとしては、ものすごく「ノートルダムの鐘」のフロローでした。というか、「マタ・ハリ」のお話自体が、カジモド不在の「ノートルダムの鐘」でした。マタがエスメラルダ、アルマンがフィーバス、ラドゥがフロロー。

 

・マタの楽屋でスパイ勧誘してる時に、マタの手の甲にキスしようとして、そのままマイクに音が入るレベルで匂いを吸い込んでて、気持ち悪くて思わずのけぞりました。フロローがエスメラルダのスカーフをくんくんする吸引力と対決してほしい(変態対決)

 

・田代ラドゥは、本人はいたって真面目にマタを想ってそうなのが質(たち)が悪いですね…。多分最後まで(アルマンを殺すまで)、自分が正しいことをしてると心の底から信じてたんだろうと思います。ただアルマンを殺してしまったことは、マタのことは関係なく重荷に感じていそうでした。

 

・♪二人の男♪で「お前(アルマン)もあいつ(マタ)のこと好きなんだろ?」みたいな歌詞があったんですが、たまたまその場面をオペラグラスで観てたら、アルマンへの迫り方がドン引きレベルの気持ち悪さでした(主に表情)。アルマン役の東さんも素で引いてそうな顔してて、一周回ってめちゃくちゃ面白かったですw

 

・アルマン生存説と引き換えにマタを襲うシーンなんて最高に最悪でしたし(普段理知的な人が欲に任せて動いてる感じが怖すぎます)、その後狂ったように歌ってるところに奥さん乱入するのには思わず笑いました…w

 

・お芝居というか、セリフの言い方や立ち居振る舞いが、妙に堺雅人さんを彷彿とさせました。そういえばなんとなーく雰囲気似てるかも…??

 

・ちなみにWキャストの加藤さんは、全く気持ち悪さのないラドゥらしいので、それはそれで気になりますし、気持ち悪さを専売特許にした万里生さん強い…。カーテンコールでも「こんなに『気持ち悪い』って言われたの、人生で初めてで…」とおっしゃっていて、それを他の役者さんたちが誰も否定しなかったのが面白すぎましたw

 

【アルマン:東啓介さん】

・初演から引き続き同役を演じていた東さん。2度目ということもあると思いますが、「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド」の時に比べると、断然歌がうまくなってる気がしました。「ジャージー・ボーイズ」で鍛えられたのかな…。万里生さんともしっかり張り合える声量と太さがあって良かったです!

 

・3階席から見てもわかる背の高さで、比較的背が高いちゃぴさんが小さく見えたくらい。リーダー的存在とパイロット、という役どころも納得のたくましさでした。

 

パイロットの時は髪の毛をぴしっと分けていてかっこよかったのに、それ以外の場面では前髪をおろしていて目にかかっちゃってたのが非常にもったいなかったです…!

 

 

DVDは必ず買いますが、これは再演するごとに1度は観に行きたい作品になりました!