Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2020.03.28 ミュージカル「アナスタシア」千秋楽:奇跡の2回目観劇


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少ない公演数の中、奇跡的に2回目を観ることができました。

こんなに素敵な作品が、これほどの短期間で幕を閉じてしまうのはもったいなさすぎる…。

 

シアターオーブの1階席センターブロックに初めて座ったのですが、舞台全体を観られて良かったものの、音響がかなりいまいちだったような…?音が頭上を飛んで行ってしまっている気がしました。音を重視するのであれば、多少舞台から遠くなったとしても、2階席センターのほうが私は好きかなぁ…。 

 
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幸いなことに前回とはほぼ違うキャストで観劇できました。

 

【アーニャ:葵わかなちゃん】 

・アーニャ役のみ、2度目のわかーニャちゃんでした。本っっ当に可愛いんだからー!!お顔がびっくりするレベルでちっちゃいんですが、表情のメリハリがはっきりしているおかげで、 遠くから見てもしっかり感情が伝わってきました。そしてアーニャ役が本当に本当にハマってます…!あまりのキュートさに、ディミトリの代わりに連れて帰りたくなる。笑

 

・相葉ディミトリ相手だと、内海ディミトリの時とはちょっと雰囲気が違ってました。特に最初に出会った時の反発がすごくて、この2人、これから仲良くなれるんだろうか…というくらい険悪なムード。だからこそ、最終的にディミトリが「アーニャにとっての王子様」になる過程が分かりやすく感じました。とはいえ全体的にわかーニャちゃんのペアとしてしっくりくるのはディミよしくんかな~とも思ったり(*個人感)

 

・今回は1幕ラストを飾る♪Journey to the Past♪が本当に素晴らしかったです!歌声がすごく力強くなってて心に響きました。ミュージカル役者さんとしての今後の活躍が非常に楽しみです!!そしてはるーニャちゃんも観たかったなぁ…残念…(再演もぜひ…!!続投してください!!)

 

 

【ディミトリ:相葉裕樹さん】 

・禅さんと同じく、2019年「ダンス・オブ・ヴァンパイア」以来の相葉さん。製作発表の映像を見る限り、私の中では1番映画版のディミトリに近い印象を受けました。その印象は実際に舞台上で見ても変わらず、ハンサムな顔とキレる頭脳を駆使して、ずる賢く生きてきたディミトリ、という感じでした。

 

・まっすぐに歯向かってくるアーニャのことを、最初は本当にうっとうしく思っているように見えましたが、彼女が自分のことを信じてくれている、という事が分かってからは、徐々にアーニャに対する気持ちが強くなっていき、「彼女の幸せのために、自分は身を引こう」と決意する、♪Everything to Win♪が印象的でした。

 

 

【ヴラド:大澄賢也さん】 

・終始可愛らしかった石川ヴラドとは違って、元貴族であることの誇りやスマートさ、紳士っぽさを忘れていない印象の大澄ヴラド。身のこなしがお上品でした。 そしてこの回のリリー役の朝海さんとの相性も抜群。石川ヴラド&堀内リリーペアよりも大人の色気を感じて、シーンとしては面白いながらも、ちょっぴりドキドキするペアでした。

 

 

【グレブ:遠山裕介さん】 

・奇しくも延期後の開幕初日(3月9日)と、前倒しされた千秋楽(3月27 日)の2回でグレブ役を演じた遠山さん。おそらく私は「キンキーブーツ」のアンサンブルさんとして見ているはずなんですが、失礼ながら印象にはなく…。役付きで舞台出演されるのも今回久々だったのでしょうか??

 

・「アナスタシア」でも基本的にはアンサンブルの一員としてご活躍されていて、前回観劇した時は、遠山さんのイポトリフ伯爵がとても印象深かったんですが…これは声を大にして言いたい。遠山グレブ、ものすっごく良かったです!!!!! 

元々グレブ役としての出演回数は少なく、パンフレットでもグレブ役キャストの紹介は、山本さんと堂珍さんにはそれぞれ1ページずつ割かれてるのに、遠山さんはアンサンブル扱いでした。ということで今回はある意味レアな回でしたが、グレブ役としての出演のみでも良かったのでは?ってくらい素晴らしかったです。

 

・遠山グレブは、山本グレブと同じ役とは思えないくらい印象が違っていて、私の勝手な印象としては「ディミトリの鏡になっているグレブ」でした。ロマノフ家の一員として出会う前に、1人の女性であるアーニャを愛してしまい、後々彼女が「アナスタシアである」ということに気づいて苦悩する…という感じでした。父親のことはあまり関係なさそうで、あくまでも「今の自分がアーニャをどう扱うか」で葛藤していた印象です。「アーニャはアナスタシアだから、 身分違いの自分とは恋に落ちてはいけない」と思っているディミトリと、「アーニャはアナスタシアだから、彼女の家族を滅ぼした父を持つ自分とは恋に落ちてはいけない」と思っているグレブ。2人のアーニャへの想い は、ベクトルとしては実は同じなんだなと気づかせてくれました。

 

・歌もとっても素晴らしくて、♪Neva Flows♪や♪Still♪を歌い上げる姿と迫力満点の歌声が素敵でした。ルックスも日本人離れしててかっこよかった〜!グレブ役は3人とも海外俳優さんのような濃さがありますよね…。

 

 

【リリー:朝海ひかるさん】 

・堀内リリーがおてんばな女の子のようなリリーだったのに対して、朝海リリーは気高さを持った美しいお姉さまという印象。宝塚の元男役さんだからか、歌声もなかなかドスがきいててかっこよかったですし、すらっとした手足を活かしたダンスが美しかったです!マルシアリリーも見たかったな〜! 

 

 

【マリア皇太后麻実れいさん】 

・まるで映画版から抜け出してきたようなぴったりのキャスティング!威厳があって、皇室の一員としてのプライドも高く、自ら経験したあまりにも深い喪失感から、側近のリリー以外には心を閉ざしてしまった悲劇の女性を見事に表現されていました。どうやったらあんな風に上品なオーラを纏った女性になれるんだろう…姿勢がビシッとしてて本当にかっこよかったです。

 

 

というわけで、本当にとてつもなく素敵で元気をもらえるミュージカルでした。こんな状況で無ければ、もっと多くの人が観ることができて、この作品の美しさに触れることができたのに…と思うと、ただただ残念の一言に尽きます。

 

誰にも正解が分からないような過酷な状況の中、少ない回数でも東京公演を上演してくださったカンパニーの皆さんには、本当に心から感謝したいです。夢のようなひとときをありがとうございました! そしていつかまた再演があるときは、たくさんの人が「アナスタシア」の世界を楽しめますように…!