Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2020.02.22 劇団☆新感線39(サンキュー)興行春公演いのうえ歌舞伎「偽義経冥界歌」:初の劇団新感線

念願の初『劇団☆新感線』!

「偽義経冥界歌」(にせよしつねめいかいにうたう)です!


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劇団☆新感線は、実はずーーーーーっと、観てみたいなぁ…とぼんやり思いつつ、なかなか機会が持てず…。いつぞや生田斗真さんが主演していた作品がちょっと気になっていたのですが、「チケット取れないだろうなぁ」と鼻から諦めてました。笑

 

今回はありがたいことに2公演分のチケットを確保できました。

(ただし後半の日程は、コロナの影響で中止となり、観に行くことが叶いませんでした…)

 

この回は、私としては非常に珍しく席運が良く、なんと前から3列目でした。

 

というわけで、ほんの数メートル先で役者さんたちがお芝居しているのを、終始「ひぇぇぇ!!!」と心の中で叫びつつ観劇しておりました。あの距離で生田斗真さんを拝めるなんて、きっともう2度とないよなぁと思ったので、穴が開くほどガン見してきました←

 

ただ舞台の端から端までをまんべんなく使っていて、前方席だとあまり全体が見えず、ちょっと首が痛かったです…。いちいち首を舞台上手や舞台下手に向けて見ないといけなかったので。もう少し後ろの席から、舞台全体を眺めてみたかったです。

 

演目自体は、個人的にはそこそこ楽しめたかなぁ…という印象でした。

歴史+冒険+ファンタジーで、とても少年漫画っぽさを感じました。ド派手なんだけど、観劇後の印象がやや薄め。役者陣は皆さんお芝居も殺陣も素晴らしかったですし、セットも衣装も豪華で目が忙しかったです。

 

今回の物語は、源義経に関する数々の伝説をうまく使った展開になっていて、「義経には影武者がいた」「本当は死なずにモンゴルで王様になった」などなど、歴史の小ネタが随所に散りばめられていたので、「なるほど、そう来たか!」と思えるポイントがところどころにありました。

 

シリアスなシーンに突如ギャグを挟み込む演出は、ぴたっとハマっている部分と「いや…ここでやる…?」という部分がそれぞれあったような。ただこれが「劇団☆新感線ならでは」なのかな~とも思ったので、「そこが好き!」という人もいらっしゃるんだと思います。私はあんまり好みではありませんでした。

 

正直2幕は中盤から終盤にかけて、お話がダレてしまった印象もありました。

なにせあの世から呼び出したご先祖様はすでに死んでいるため、なかなか倒すことができないという設定。観ながら「これもしかして収集つかなくなってる…?」と思ってしまいました。

主人公の九郎が一度あの世に逝き、いろいろと悩んだ末「空虚な自分は相手を写す鏡だ」と悟って(?)、相手を斬るとたとえ幽霊相手でもしっかりダメージを与えられるけど自分にも同じ傷がつく…っていう展開になってました。まぁまぁ強引な展開…。笑

 

以下、メインキャストの感想。

 

【源九郎義経/奥華玄九郎国衡:生田斗真さん】

・ 一体前世でどんな徳を積んだらあの顔面に生まれるのだろうか。

 これまで舞台でさまざまな「イケメン」と呼ばれる人達を見ましたが、断トツで美男子でした。さすがジャニーズ、そりゃジャニーさんじゃなくとも放っておかないですよ…。神様が寸分の狂いもなく作ったお人形のようでした。お顔はそんなに小さく感じなかったんですが(ウィッグのせいかも)、顔のパーツが全体的に大きめなのでバランスが完璧でした。

しかしあまりにも顔を凝視しすぎて、セリフが頭に入ってこない場面もちょいちょいあり…。変顔も白目もいとわないはっちゃけ演技がハマってしまうので、彼はエンターテイナーになるべくしてなった人間なんだなぁと思いました。

 

・席が舞台に近すぎて、2幕で九郎が銀髪ロングヘアになった時、サイドの髪の毛が生田斗真さんの吐く息でふよふよ揺れているのを肉眼で確認できるほどで、「うわぁ…息吸ってる…」「うわぁ…息吐いてる…」など、もはやIQ3レベルの感想しか浮かびませんでした(イケメン耐性が低すぎる)

 

・ドラマ「イケメンパラダイス」の中津役で生田さんの存在を知りましたが、今回の役柄がそのまんま中津みたいで、「陽・正・善・明」といった漢字がぴったり当てはまるような、おバカだけど愛嬌たっぷりで憎めないまっすぐなキャラクターでした。

 

 

【黄泉津の方:りょうさん】

かっっっっこいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!! 

多分この演目で1番の男前です。私も黄泉津の方に仕える巫女さんになりたい(切実)そしてあの切れ長な流し目に見つめられたい(切実)かっこいいだけでなくコミカルなお芝居もぴったりハマっていて、真面目すぎるがゆえに時々ぶっ壊れるのが面白かったです。あと赤リップが似合いすぎてて拝みました(拝)

 

 

【奥華次郎泰衡:中山優馬さん】

顔ちっっさ!?!?!?というのが第一印象です。

 

・「正室の子だけど次男」という負い目から、いつも活発な九郎に引け目を感じてあまり自己主張しないオーラを放つのが上手でした。キラキラしてるんだけど、九郎(生田さん)よりはキラキラしてないんです。ジャニーズだからきっとキラキラ抑える方が大変だと思うのに。

 

・キャラクター、お芝居共に、あまりにも自己主張しないので、もう少しクセ強めでも良いのでは…と思ってしまいましたが、多分周りのキャラと演技があまりにも強すぎたんだと思います。 いつか真ん中で誰よりもキラキラしてる中山優馬さんを見てみたいものです…。

 

 

【静歌:藤原さくらちゃん】

・今までに聴いたことのないような、唯一無二の歌声を持つ役者さんでした。強いて言うなら、かつて♪C.H.E.RR.Y♪などなどティーンに大人気だった歌手のYUIさんっぽい…?個人的にはあまり好みの声質ではなかったんですが、ハスキーなのに、同時に透明さや無垢さを感じる不思議な歌声は、時代劇だけどファンタジーっぽさも加味されたこの演目にぴったりでした。「冥界の扉を開く歌声」と言われるとかなり納得。源氏と平氏について弾き語るシーンもあり、当時の琵琶法師の役目も担った役柄に感じました。

 

・お芝居は、良くも悪くもちょっと浮世離れしたオーラがあり、キャラクターには合っていました。狙って演じてるならすごい。あと衣装がとんでもなく可愛かったです!

 

 

劇団☆新感線の作品は、気になる出演者が出ていたら今後も観ていこうかなと思いました。