Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2020.01.05 ミュージカル「黒執事 ~地に燃えるリコリス2015~」*配信レンタル:人生初の2.5次元ミュージカル

 

2020年はじめはしばらく観劇の予定がなかったため、自宅で観られるミュージカルを…ということで、人生初の2.5次元ミュージカルに手を伸ばしてみました。

 

2.5次元ミュージカルの存在はもちろん知っていましたが、マンガやアニメにそこまでハマったことがなく、2.5次元にも基本的に全く興味がないため、古川さんにハマらなかったらおそらく「謎の世界」のまま、永遠に縁が無かっただろうと思います。

 

最初は「テニスの王子様」、通称テニミュを観てみようかと思ったんですが、題材に全然興味を持てず、ラケットをぶんぶん振り回すイケメンたちを2時間超眺める耐性が私の中に無さそうだったので「黒執事」にしました。

マンガもアニメも知らないまま、「貴族の少年シエルと、彼に仕える執事セバスチャン(※ただし人間じゃなくて悪魔)のお話」程度の事前知識で挑みました。イギリスの話だったんですねこれ(初心者目線)

ところで全く同じタイトルで「2014」ってなってる演目があったんですが、キャストを一部変えただけで、2年連続全く同じ内容を上演したということなのでしょうか…?

 

2015.namashitsuji.jp

 

全体的な感想。


2.5次元ミュージカルは、歌や踊りや物語はともかく「いかにアニメやマンガの世界観を、ファンの期待を裏切らずに舞台上で再現できるか」が、1番の見どころなんだろうなぁというのがまず率直な感想でした。

 

途切れ途切れで見てしまったのと、やっぱりものすごい「コスプレ感」が気になってしまい、物語にあまり集中できませんでした。

実際の事件(切り裂きジャック事件)をモチーフにしているのは面白かったです。

特に何の説明もなく突如始まるので、シエルと思われる男の子がなぜか檻の中に閉じ込められてるし、「助けて!」とか叫んでたらどうも悪魔を召喚しちゃったみたいだし、力が欲しいからとさっさと悪魔と契約しちゃうし。

 

原作未読な私としては、結局シエルがなんで悪魔と契約せざるを得なかったのか、「契約」の内容が一体何なのか(=悪魔がシエルの命令を何でも聞くことへの見返りが何なのか)が全然わかりませんでした。そもそもシエルの両親は火事で死んだわけではなさそう…??(「復讐してやる!」みたいなこと言ってたしなぁ)このあたりの事情は、原作を読まないと知ることができないのか、原作がまだ完結してないからぼんやりさせてるのか、という感じなのかと…。

元々マンガから派生したミュージカルなので、当たり前なのですが、2.5次元初心者にとっては、キャラのクセが全体的に濃すぎて、30分見続けたら一旦休憩取らないと心が折れそうになりました(真顔)

 

キャラクター自体もそうですが、何よりビジュアルがゴテゴテで、視覚的にもなかなかうるs(略)最後まで見たらセバスチャンが1番常識人(人じゃないけど)に見えてくるという不思議。


普通のミュージカルよりさらにメイクが濃ゆいので、実はあまり映像にしない方が良さそう?とは思いました(こうやって後から見られるのはありがたいのだけども)

大変失礼ながら、シエル以外はどアップになるとまぁまぁキツイものが…。アニメやマンガのキャラだけど、アップになると汗とかものすんごいので「あ〜生身の人間なんだな〜」と急に現実に引き戻されるようでした。

 

楽曲はこの世界観を表すのにぴったりなものばかりで、個人的には良いな~と思いました。作品の雰囲気を作るのにうってつけな不気味さとかっこよさがありました。
 

 

キャスト別感想。
(シエル&セバスチャンとその他印象的だった人のみ記録)

セバスチャン・ミカエリス:古川雄大さん】

・顔が怖い。


・スタイルが良すぎる。


・ウィッグがぼさぼさで気になる。


・話し方がときどきなぜか女性っぽく感じる…?????


……という主に4点の感想でございます。


2015年ということは、同年のこの作品前後どちらかで「エリザベート」のルドルフを演じているということですよね?人外キャラになって翻弄したり、人外キャラに翻弄されたり大変だ…。


・爆発的な声量はなかったけれど、「それ一体どういうメロディーライン!?」みたいな、複雑そうな楽曲を歌いこなしていたことにびっくりでした。


・♪あなたは私の駒となり剣となる♪の、♪すべては貴方の心のままに♪の「の」の歌い方がめっちゃ好きです(細かい)


・冒頭の悪魔から暗転して、執事になった時の声のトーンの変え方がすごく好きです…!しかし執事になると、話し方がやわらかいからなのか、途端にお姉さまのような喋り方に聞こえることがあり、そこだけ最後まで気になりました…。


ぽんこつすぎる使用人トリオへの殺意の湧き方に笑った(怖かった)


・使用人「こいつ目が笑ってないんだよなぁ」
 私(そ      れ      な)

 


・根っからのディズニーヲタクのため、「セバスチャン」といえば「カニ」なんですよ。というわけで、冒頭からしばらくはそっちの「セバスチャン」が頭によぎって困りました。(♪素晴らしい~アンダーザシー♪)


・同じ人外キャラというわけで、トート閣下の原点なのかな~みたいな表情も多かったような。「エリザベート」で見た、あの不気味なチェシャ猫スマイルはここからなのでしょうか。


・基本的に氷点下128度みたいな感じで(?)、シエルのことも「獲物」として見てる印象でした。が、シエルがピンチになった時、咄嗟に「ぼっちゃん!!」って叫んだシーンではシエルへの愛を感じました。

ただそれは、シエルに対して「獲物」以外の感情が湧いたのか、それとも「シエルを仕留めるのは自分しかいない」という気持ちが強いのか、どちらなのかは謎でした。

(最期の瞬間に魂をいただく、という設定のようなので、後者の気持ちが強いんだと思いますが。イメージとしては「ヘンゼルとグレーテル」の魔女が、ヘンゼルを太らせて食べようとした、あんな感じです)(急に入ってくる「ヘンゼルとグレーテル」)


・2幕終盤でグレルと対決する時、ジャケット脱がせようって決めた人めっちゃ分かってる!!!!!!コルセット!!!!!!!天才!!!!!!!(何も読み取れない文章)


・元々バレエやジャズダンスを習っていたからか、所作がいちいち美しくて、あのきびきびした動作は真似したくなりました。立ち姿もしゅっとしてて美しかったです!


・超丸顔な私が言えることでは全くないのですが、古川さんはお顔がまるっとして見える時がたま〜〜〜にあってかわいいなぁと。あとお肌ちょっと荒れてる~~やっぱり人間だ~~と、そこで人間味を感じました(謎)

 


【シエル・ファントムハイヴ:福崎那由多くん】

・この子!!!!!!!るろ剣で剣心のちっちゃい頃演じてた子じゃないですか!!!!!!!!名前見て分かりました!!!!!!(実写るろ剣ファンより)


・私が勝手に想像してたシエル像よりだいぶ大人だったので(青年に近い少年、といった感じ)、女装させられるシーンとかちょっとしんどそうだな〜と思いながら見ておりました。お年頃なのに頑張ったね…。


・うっかりするとセバスチャン以上に冷酷な目をすることがあるのが良かったです。まだ子供なのに、どこであんな目を覚えたんですかね…。

 


【マダム・レッド:AKANE LIVさん】

・1人だけずば抜けて歌がうまかったので、一体何者!?!?とひっくり返りました。元宝塚の男役だったそうで、なるほど納得。ちなみに柚希礼音さんと同期とのこと。


・2幕の中盤は、完全に彼女の独壇場になるんですが、一切目が離せない、めちゃくちゃすごいシーンでした。すごい(語彙力)

 


【グレル・サトクリフ:植原卓也さん】
・「エリザベート」の革命家の1人(エルマー)や、「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のヘルベルトを演じているのを見ていたため、顔なじみ(?)でした。知らない演目に知ってる役者さんが出てくると安心します。


・変な役似合いますね~キャラクター濃ゆかった~~。



【チャールズ・フィップス:廣瀬友祐さん】
・すごくいい声…ていうか何かどっかで見たことある気がする…と、並々ならぬ既視感を覚え、公式ページを開いたところ、廣瀬さんだったのでびっくりでした。見たことあるどころじゃないです知ってます←



【フレッド・アバーライン: 髙木俊さん】
【シャープ・ハンクス: 寺山武志さん】
物語があまりにもシリアスなので、このお2人が出てくると何となくホッとしました。間のとり方とか掛け合いがうまかったんですが、生粋の芸人さんとかではなさそう…??



というわけで人生初の2.5次元ミュージカル鑑賞でした。うん、大丈夫。これは絶対にハマらない。笑

 

(と、書いた数か月後、「地に燃えるリコリス2015」と「Tango on Canpania」のブルーレイをちゃっかり購入しました)(サーカスもそのうち買います←)