監督:マイケル・グレイシー
出演:ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ、キアラ・セトル、他
(あらすじ)
P.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、幼い頃から貧しかったが、身分の差を越えて上流階級出身のチャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と結ばれた。2人の娘にも恵まれ、幸せに暮らしていたが、決して金銭的に豊かではなかった。
ある日バーナムは、「人々はゾッとするものを見たがる」ことに気づき、各地から「フリークス」(変人)を呼び寄せ、芸をさせることでお客を呼ぶ、全く新しいショーをすることを考えつくが…。
(感想)
鑑賞当時、2回見てしっくりきた映画でした。
というのも、1回目は「歌はめっちゃ良いけど、物語がかなりモヤッとする!」という印象で、モヤモヤ解消のために再度映画館に足を運んだのでした。
見る側のスタンスによって、かなり評価が変わりそうな作品だなと感じました。「歌とダンスが素晴らしいし最高!!!」って100点満点つける人の気持ちもよーく分かりますし、「脚本が雑すぎる。主人公の行いを美化しすぎて気味悪い」と0点つけたくなる人の気持ちもよーく分かります。
P.T.バーナムの物語、ではなくて、あくまでも彼をモデルにした架空の人物の物語としておけば、もう少し受け入れやすかったかもしれません。
とはいえ、見た直後に「あのシーンもう一回みたい!!」ってなるくらいには好きでした。
バーナムの話よりも、アンとフィリップの恋模様をもっと見てみたかったです。ベタなんですが、2人の醸し出す雰囲気がとても素敵で、あと一曲くらいデュエットを聴きたかったです。♪This is me♪よりも♪Rewrite the Stars♪が圧倒的に好き。
一方でスウェーデンの歌姫、ジェニー・リンドの話はあそこまで必要だったかな…と。結局バーナムにとって、個性的なサーカスのメンバーも、ジェニー・リンドも、「栄光と名声を勝ち取るためのコマ」でしかないというのはよくわかりましたが(バーナムはそのことを口には出さないし、みんな家族だ!みたいなことも言ってましたが、でもそもそものきっかけは…?)
そして幼い頃に大変な苦労をしたせいで、「この世のすべては金と地位」みたいになってしまったバーナムを、いい人代表俳優てあるヒュー・ジャックマンが演じたため、言動はハッピー&マイルドだけど、やってることがサイコパスみたいな、無駄にギャップある人みたいになってたのが逆効果だった気がします。最後に反省するシーンがあったとはいえ、ミュージカル映画なのでさらっと流れてましたし。
ちなみに面白いな、と思ったこと。
この作品、批評家には酷評されて前評判が悪かったせいか、公開1週目は赤字レベルの興行収入だったそうです。
ところがいざ公開したところ、実際に見たお客さんからの口コミでロングラン上映になり、結果的にボロ儲けしたとのこと。
作品自体が劇中のバーナム&サーカス団のような運命をたどっていて、この映画の1番面白いところは、もしかしてそこかもしれないですね。