Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.07.09 ミュージカル「エリザベート」:祝!古川さんお誕生日公演

 

トート役の古川雄大さんお誕生日当日の回でした。古川さん、あのミステリアスな雰囲気から勝手に冬生まれかと思ってたんですが(偏見)

そういえば7月4日は海宝さんのお誕生日、5日は井上芳雄さんのお誕生日、そして9日は古川さんのお誕生日と、この週はミュージカル界的にはおめでたいウィークなんですね♪

 

今回で4度目の観劇。そんなに回数観た気がしないのはなぜ…。

そして今回が今まで観た中では1番良い公演だったなと感じました。観ているこちらの感情がすごく動かされる回。特に花總シシィが超圧巻の演技でした。

 

席も比較的良くて、2階席の上手ブロック2列目だったんですが、前の人の頭がほぼかぶらずに舞台全体が見渡せるし、かといってそこまで舞台から遠い感じもなく(肉眼でも表情がまぁまぁわかる)、満足度の高い観劇となりました。

 


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↑山崎ルキーニやっとこさ初見でした。 

 

エリザベート花總まりさん】

レジェンドエリザベートの本気…!

 

・もちろんこれまで観た2回も充分素晴らしかったんですが、今回は最初から最後まで次元が違いました。神がかってた…。

 

・♪パパみたいに♪とバートイシュルの花總シシィ、可愛すぎて連れて帰りたい(真顔)♪じーゆーうーに生きたーい♪でパパのかばん持ってくるくる回ると、スカートがふわふわ〜ってなるのが超最高です。ずっとくるくるしててほしい(三半規管やられる)

 

・♪不幸のはじまり♪で、トートとシシィがお互いに手を伸ばし合ってるみたいに見える瞬間があってゾッとしました。

 

・♪最後のダンス♪はトート登場時からどうしてもそちらに目がいってしまうんですが、本当はトートに操られるシシィの動きも見たい…目玉があと4個くらい欲しいです。

 

・今回の花總シシィは、結婚後も少女っぽさがまるで無くならなくて、ずっと子供っぽかったです。いつも以上に細く小さく見えて、♪皇后の務め♪の時なんてゾフィー様の圧力に負けて折れちゃいそうなくらい弱々しくて。周りにたくさんの侍女がいるのに、彼女だけ異質なのでぽつんと孤独な感じを受けました。

でも♪私だけに♪を歌ってる間に、オーラがどんどん変わっていったのが、今回の花總シシィのハイライトでした。シシィは共感しにくいキャラだなぁと思ってましたが、しきたりだらけの広い宮廷で、フランツも頼りにならず自分だけを頼りに生きていく決意が歌声に込められていて、大サビのところで無意識に涙が出ました。

 

・三色旗ドレス本当かわいいな…あのデザインのドレスポーチも出してほしかったです(わがまま)

 

・娘のゾフィーが亡くなる場面、おそらく客席からだとどこから観てもシシィの表情があまりわからないんですが、歌声での怒りの表現が素晴らしかったです。

 

・1幕ラストの♪私だけに♪三重唱、照明に照らされてるだけじゃなくて、花總シシィ自身が光り輝いてました。神々しい、という言葉で片付けていいものかというくらい。誰も寄せ付けないオーラを放つ表情も素晴らしかったです。花總シシィは2幕が好きなんですが、今回は1幕が良すぎました。

 

・と言いつつ2幕も最高でしたが…!

♪私が踊る時♪は相変わらず惚れ惚れするほどかっこよかったです。あまりにも魅力的だったので、ずっとオペグラで追いかけてました。最後に流し目でトートの方をチラッと見て、「ふふん♪」って感じであしらいながらはけていく、あの表情が好きすぎてあの瞬間の写真が欲しいです…!

 

・♪精神病院♪と♪魂の自由♪は、シシィの皇后としてのプライドの高さと、それゆえに感じているであろう孤独や、病んでいる人たちへのある種の憧れみたい気持ちがごちゃまぜになってて、決して派手なシーンでは無いけど、当時の彼女の心境を考えると何とも言えない気持ちになります。♪狂えるほどの勇気を 私が持てたなら♪なんて…すごい言葉だ…

 

・体操室のシーン、花總シシィの「あなたは…!」がだんだんうんざりしてるみたいなニュアンスになってきてて面白いです。「またあんたか…!」みたいな。笑

 

・体操室でトートに迫られても毅然とした態度を見せて、「まだ!!まだあなたとは踊らない!!」と「まだ」を2回言って拒絶してたのがすごく良くて。確かにあれくらい拒絶しないと、突如パリピテンションになる古川トートの勢いヤバイですもんね(真顔)

 

・♪ママ鏡♪の時の花總シシィの虚無感、本当に「無」すぎて怖いくらい。あの瞬間のシシィには何も見えてないし聞こえてない。私がルドルフなら絶望のあまりシシィの目の前で死にそうです。

 

・ところでルドルフの葬儀のとき、シシィは死にすら一度見放されたってことなんですね…狂えないし死ねないしでただただしんどい…。

 

・2幕ラストの♪愛のテーマ♪、オーケストラの息絶え絶えなホルンソロが気になるものの、とても良かったです。花總シシィと古川トートのハーモニーが、これ以上ないほどぴったりハマってて鳥肌立ちました。あの瞬間だけ、シシィとトートが一心同体になったんだなぁ…。あと♪泣いた 笑った♪からのくだりが個人的に好きすぎます。

 

 

【トート:古川雄大さん】

・32歳おめでとうございました!古川さんって「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくるエルフのレゴラスみたいに、このまま年取らずに生きていきそうです…。

 

・観るたびに新しい発見がある古川トート。いくら観ても足りない気がして、少なくともあと30回くらいは観たいです。

 

・そういえば歌声があまり印象に残らないのはなぜなのか…。聴いてるときは素敵な声だな〜と思っているのですが、観劇後しばらくして思い出そうとすると、なぜか城田トートの声で脳内再生されがちです。

 

・♪愛と死の輪舞曲♪は、シシィを見初める前後で、声のテンションが明らかに違っていたのが面白かったです。歌い出しは「はいはい、また1人死んだのね」みたいな、感情が一切無いような歌い方なんですが、シシィにひとめぼれしてからの歌声が、あからさまにうきうきしてました。死なのに浮かれちゃうの面白いなぁ…。♪その時お前は俺を忘れ去る♪の時の切なそうな表情も印象的でした。

 

・古川トートの高笑い、圧をかけるような高笑いというより「マジウケるんだけどー!」という女子高生の電車内トークの笑いにしか聞こえず。笑

あと録音部分の高笑いで、後ろの席の人が堪らず吹き出してましたwあの端正なお顔からあの笑い声が出るの、控えめに言って面白すぎます。

 

・あと500回くらい書きそうですが、古川トートの♪最後のダンス♪がツボすぎて毎回拝みそうになってしまう…(危)

 

・♪闇の中から 見つめている♪でこめかみに左手当ててました。古川トートは色々な仕草やってるような。

 

・歌い終わって余韻も無くさっさとはけていくのも地味に好きですw

 

・カフェで人間に化けるトート閣下、古川トートは特に何もやってませんでしたが、2016年版DVDでは城田トートが人間に化ける時、ものすごく不自然な首の回し方しててただのホラーでした(※褒めてます)グキッゴキゴキッみたいな音がしそうで怖すぎた…。

 

・ところでシルクハットをかぶった古川トート、誰かに似てるな…って思ってましたがあれだ、「銀河鉄道999」のメーテルですね(もはやヒロイン)

 

・相変わらずシシィに拒絶された時は( ゚д゚)←何度見てもこんな感じのお顔をしてて、不覚にもめっちゃ可愛いです。目と口がまんまるw

 

・♪私だけに♪三重唱でいつも気になるポイント。トート閣下の足元、最終的になんであんな斜めってるんですかね???????

 

・少年ルドルフに対する表情、中の人の素が出まくってるような(子ども好きらしいので)

 

・体操室でシシィのコルセット外すタイミングがめっちゃ遅くて、その上コルセットの落とし方が絶妙にエロい…!(私ったら何見てるんですかね)

 

・ベッドに飛び乗る古川トート、勢い良すぎていつかベッドごとしゃーっと横滑りするんじゃないかと、地味に心配しとります。

 

・♪今なら救える ハプスブルク♪の部分は、なぜか何度聞いても「城田トート!?」ってなるくらい声が似て聞こえます。

 

・ルドルフがルキーニに偽の王冠をかぶされかけた時、そっぽ向いてニヤって笑ってるのを見てゾクッとしました。獲物が罠にかかったときの顔…。

 

・「死にたいのか…」はまた半泣きに聞こえました。木村ルドルフ相手の時は、そんな風に言ってなかった気がするんですが…

 

・マイヤーリンクの例のシーン、トートが差し出したピストルをルドルフが手に取った瞬間、トートがピストルごとルドルフを引き寄せて、後頭部に手回すとか何もなくてピストル握り合いながら、でした。美しかったです(語彙力)

 

・ルキーニに凶器を落とすとき、肩で息して興奮(?)してるのに、落とす瞬間になったら真顔になって真っ直ぐ前向いたまま、すっ…と落とすのがめちゃくちゃ怖かったです。

 

・♪悪夢♪からラストまでのトートの真っ白な衣装、井上トートだと右半身に少し黒が残ってるんですが、古川トートは真っ白なんですよね。何か意味があるのか、ちょっと気になります。

 

・これまでラストはシシィとトートをオペラグラスで眺めると、ルキーニが一切視界に入らなかったんですが、今回はうまい具合に3人いっぺんに見られました。山崎ルキーニが首吊った瞬間と、古川トートの表情がふっと翳る瞬間が完璧にシンクロしててびっくり。

 

・感情豊かなせいか、初めて見たときはなんとなーく頼りなさそうだったんですが、徐々に帝王感もにじみ出てきた気が…!!!(上から目線)

 

・なんだかんだ書いてますが、観劇中は「脚長っ!腰の位置高っ!顔ちっさ!顔の圧すご!等身バランスやばっ!造形美!」って心の中で叫んでるのがほぼ9割です←

 

 

【フランツ・ヨーゼフ:平方元基さん】

・今回花總シシィの熱演のせいか、またもやフランツに全く共感できずに終わってしまいました…。♪夜のボート♪以降はかわいそうだなぁと思えたけど、それ以前は「何言ってるんですかね???」としか思えなかったです。

 

・♪計画通り♪で花總シシィが平方フランツをくるって回してて、「おっとっと」ってなってる平方さんが可愛かった、くらいしか今回フランツの印象がない…。

 

・♪あなたがそばにいれば♪で、フランツからシシィにプレゼントされるネックレス、意味合いとしては単にプレゼントだと思いますが、「シシィを宮廷に縛り付けるための首輪」にしか見えないです。

 

・♪悪夢♪の後、その時点で亡くなってる亡霊たちは成り行きを見守るだけだけど、フランツだけは最後までシシィに手を伸ばしてるのが…ツラい…。

 

 

【ルドルフ:京本大我さん】

・再度見ることが叶って本当に良かったです! 2階席からだと各シーンのバイトも含め、前回は見えなかった所もばっちり確認できました。

 

ハンガリー訪問時のバイト、今回はよく見えました。あのフリフリブラウス似合うのすごくない?????

 

・♪闇が広がる♪は彼の表情にくぎ付けになりました。歌詞に合わせてしっかり表情でも演技してくれるので、非常に見応えのある♪闇広♪でした。

トートを「あの時の友達」と認識したときの表情、♪未来の皇帝陛下♪とトートに言われたときのハッとした表情、♪王座ーっ!♪の時に迷いが吹っ切れて覚醒したような表情などなど、あの短い時間でルドルフがどういう生き方をしていて、どういう人柄なのかを一生懸命表現しようとしている印象を受けました。

 

・♪ママは僕の鏡だから♪の最後、今回はシシィの手を握るだけになってるんですが(DVDで見る限り、少なくとも2016年はシシィの腰に抱きついてました)、この回の京本ルドはシシィに抱き着かんばかりの勢いで訴えてました。手を握るだけじゃなくてすがりついてる感じ。

 

・自分の頭を撃ち抜く寸前に微笑むタイミングが天才的にうますぎてビビるのと、もう観劇4回目なのに銃声でめっちゃビビる学習能力ゼロの私。

 

・♪悪夢♪の時って亡くなったルドルフがフランツの後ろで踊ってるんですよね。シシィの成り行きを何もできず見守るルドルフ(とゾフィー)も悲しい存在だよなぁ…。

 

・あれだけ素晴らしい演技を披露してくれてるのに、実際に観劇できたお客さんの脳内にしかその姿が残らないなんてやっぱりあんまりだ…。

 

 

ゾフィー剣幸さん】

・ディズニー好きな私としては「ゴーテルだ!!!!!」が第一印象です(「塔の上のラプンツェル」のキャラクター吹き替えをされてるので)

 

・剣ゾフィーはご本人が持つ元々の性格からなのか、他の2人のゾフィーよりも気性の激しさをあんまり感じませんでした。なおかつどことなく冷たさよりも温かみを感じるゾフィー様。シシィにも、本当なら自分の娘みたいに接したかったのではないかなと思えました。ただ「しきたり」が邪魔をしてるだけで。厳しいだけじゃないキャラ作りは個人的に好きです。

 

・カテコではスカートの裾持ちしてくれる人たちに、きちんと後ろを振り向いてお礼を伝えてるのが素敵でした!

 

 

【ルキーニ:山崎育三郎さん】

・やっと見られた!山崎ルキーニ!!

同じ役柄なのに、成河さんとぜんっぜん違ってびっくり。1回だけじゃ違いをすべて把握できませんでした。ルキーニは演じるのはもちろん、観る方もめちゃめちゃ研究しがいがあるキャラな気がします。

 

・全体的なイメージとして、山崎ルキーニはシシィのことを鼻で笑ってるイメージ。で、成河ルキーニは指さしてゲラゲラ笑ってるイメージ。どっちにしろ悪意がすごいんですけど。山崎ルキーニは特にトート閣下大好き!!なのが伝わってきました。冒頭トートが降臨してきた時に足元にすり寄ってて「!?」ってなりました。

 

・バートイシュルの場面、普通に楽しんでません…?「鹿さん!あはは♡」ってw

 

・「小鳥」の件は、2016年は成河さんもやってたようですが、どうしても失敗しちゃう時もあって、笑いが起こっちゃったりするのが「違うな」と感じて、今回はやってないみたいですね。

ちなみに今回はうまく飛んでましたが、客席に飛んで行ったり、おけぴに落ちることも多いみたいです。育三郎さん、アドリブとか得意そうだから続けてるのかな?もちろん成河ルキーニとの差別化もあると思いますが。

 

・「プリシラ」の時はあまり思わなかったんですが、今回は「ルキーニ」ではなく「山崎育三郎が演じるルキーニ」というのを強く感じました。自分がキャラに寄って行くんじゃなくて、キャラを自分に引き寄せる感じ。

 

・歌はさすが安定してました!♪キッチュ♪の♪買っとくれ~~~~♪なんて、どこまで伸ばすの!?ってびっくりでした。ただ♪ミルク♪の歌い方は成河ルキーニ版が好みです。

 

・ルキーニは本当に見応えあるキャラクターだな〜見ていてすごく面白いです!

 

 

【その他】

シシィの愛を求めるトート

シシィの愛を求めるフランツ

シシィの愛を求めるルドルフ

自分しか愛さないシシィ

何それしんどい!!!!!!!!!!

って思った公演でした。

♪私が踊る時♪の♪踊る時は この世終わるその刹那も ただひとり 愛する人と♪で、トートはシシィのほうを向いて手を伸ばすのに、シシィは自分の胸に手を当ててるのを見て、ふとそう感じました。

 

・結局これ誰も(トートですら)幸せにならない終わり方ってことでいいんでしょうか?宝塚版だとシシィとトートのラブストーリーだから、最後2人で黄泉の世界に旅立つらしいんですが、東宝版はトートがシシィの愛を得られたのってキスしたあの瞬間だけだろうし、そういえば「生きたシシィ」には結局愛されてないような…?刺されてからキスしてるもんね…?

 

・「死ぬ=黄泉の世界に行く」ってなったら、そこの帝王であるトートはシシィと少なくとも同じ世界に存在できるはずなのに、トートにキスされたシシィは死んだままになってるし…(で、古川トートだと彼自身もそのことにショック受けてるみたいな感じに見えます)よく考えたらすごく変な終わり方。シシィは死んでからも「私だけに」を貫いて自由になったのかな(モヤる)

 

・あれだけフランツのマザコンっぷりに悩まされて嫌悪したシシィでしたが、ほぼ直接育てることのなかったルドルフがバリバリのマザコンに育ったのってものすごい皮肉。

 

 

ちなみにこの回のカーテンコールにて、育三郎さんが手で何度も(さんじゅうに!)ってジェスチャーをして古川さんを指さし、古川さんがそれを見てにこにこ照れ笑いという、なんとも微笑まし過ぎる光景を拝見しました。私もおめでとうの気持ちを込めて、たくさん拍手しました!