Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

小説「ラプラスの魔女」:映画化を前提にした描写?

ラプラスの魔女」:東野圭吾

 

(あらすじ)

ある地方の温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が発生した。

地球化学の研究者・青江が警察の依頼で事故現場に赴くと、若い女の姿があった。彼女はひとりの青年の行方を追っているようだった。

2か月後、遠く離れた別の温泉地でも同じような中毒事故が起こる。ふたりの被害者に共通点はあるのか。

捜査のため青江が現地を訪れると、またもや同じ若い女の姿が。困惑する青江の前で、その女・円華は次々と不思議な力を発揮し始める…。

 

(感想)

単行本が出た時から気になっていたのと、映画の評判があまりよろしくなく、逆に興味が湧いたので文庫版を購入しました(天邪鬼なので………)

 

なるほど、これは映画で面白く見せるのは結構難しいお話では…というのが読後の第一印象でした。小説を読んでいても、正直物語の3分の2くらいまではあまり話のテンポも良くなく、終盤は真実が明らかになり始めると一気に読めました。

 

ただ映画化を念頭に置いて書かれたのかな…?というような場面もちらほらあり、例えば円華と謙人が力を使う場面や、冒頭の竜巻シーン、クライマックスで発生するダウンバースなど、自然現象の描写はおそらく映画で観た方がわかりやすいですし、迫力あるシーンとして見せ場の1つにできそうだなと思いました。

 

最後まで読めばすべてがしっかりおさまっていきますが、中盤までは色んな人物が出てきてあちこち動き回る感じで、何となくバラバラとしたまとまりのない印象を受けました。

 

あと映画だとおそらく広瀬すずちゃんが演じている円華というキャラクター、やたら高飛車で鼻もちならない性格として描かれていて、読んでいてイラっとしたんですがなんであんな風にしたんだろうか…。

 

うーん、しばらく読み直すことはなさそうです。