Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

エッセイ集「文・堺雅人」:癒やしの文体

「文・堺雅人」:堺雅人

 

(概要)

俳優・堺雅人による54作のエッセイ。

 

(感想)

購入してから何度読んだかわからないくらい、お気に入りのエッセイ集です。

 

堺さんは俳優としてはもちろん好きですが、彼が書く文章も大好き。あの穏やかでちょっと独特な語り口が、文章でも再現されていて、読んでいるとちゃんと堺さんの声で脳内再生されます。笑

 

あえてひらがなに崩して書いてるところが多いので、堅苦しさがなくやわらかな文体になっていてとても読みやすいです。読んでると癒やされるんですが、文章からマイナスイオンでも出てるんだろうか…。

 

54作のエッセイは、とにかくどれも面白くて、思わず「なるほどなぁ」とうなずきたくなる話もたくさんありました。

小説を読むとき、登場人物のセリフ「」部分が、音声で聞こえる人と、映像で再現される人が分かれるというお話や、「手術」なんて言葉は言いづらすぎる!!誰が考えたんだ!!と怒った堺さんが、「手術」の語源を探る話などなど。

物の見方も非常に独特だなぁと感じました。これは俳優さんだから、というより堺さんだからなのかな?

 

「ちょっと日常に疲れたなぁ」と思ったときに手に取る本の1冊になりました。