Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.06.13 ミュージカル「エリザベート」:女帝と帝王の共演

 

6日ぶり、2度目の「エリザベート」。

ゾフィーとルキーニ以外は、初めてのプリンシパルキャストで拝見しました。

 


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座席は、帝劇では初めての1階席センターブロック!後方かつ上手通路寄りでしたが、かなり見晴らしが良かったです。

ただなぜか周りに男性客が多めで、左斜め前に座った男性は座高が高く、上演中やたら頭をふらふらさせていたせいで、舞台下手側はほとんど見えませんでした。

逆に右斜め前の席には、最後まで誰も座らず(もったいない!)、おかげで舞台上手側は全くノンストレスで見られました。

 

予想してはいましたが、キャストが変わると感じ方もかなり変わる…!違う組み合わせで何度も見たくなる中毒性があることに気づきました(2018年にドハマりした「アラジン」と一緒)

 

あと楽曲は、構成を含めて本当にすごく工夫されていて、だからこんなにハマるんだなと。

例えば♪ミルク♪からメロディを抜き、歌詞を変えると♪HASS♪になるのとか、よく聴いてないとわからなかったし、♪死の時のワルツ♪のメロディが個人的に好きなんですが、シシィの結婚式とマイヤーリンクでそれぞれその曲が流れるのも、すごく意味深ですよね…。

肝心のオーケストラがクオリティ的にやや微妙だったのが気になりましたが…。

 


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以下キャスト別感想です。

 

エリザベート花總まりさん】

レジェンドエリザベート…!!!五体投地

 

・「花總さんが演じるエリザベート」というよりも、史実のエリザベートがあの時間だけ舞台上で生きている、と言った方が正しいような気がしました。宝塚時代を含め、長年この役を演じていらっしゃる風格が伝わってきました。

 

・あの数々の美しいドレスたちを着るために生まれてきたとしか思えないくらいのハマりっぷり。本物の貴族のような気品や気高さは、きっと生まれ持ったものなんだろうなぁ…。ナチュラルボーン貴族…。

(でもいつぞやたまたま見たTV番組で、Tシャツにデニムという超庶民的な恰好をされていて、私の中で好感度爆上がりでした)

 

・上演時間3時間5分の間に、花總シシィだけ50年を生きていたのですが…どういうこと…??え、魔法使いなの…?????

特に少女時代の違和感の無さが逆に怖い…!本当に14、5歳にしか見えない天真爛漫な少女でした。めちゃくちゃ可愛かったなぁ。いかにもおてんば少女!な表情の作り方がすっごくうまかったです。あとお肌がツヤッツヤで、やっぱりエリザベート演じるには役作りでミルク風呂入ってたりするのかな…とか思ったり(違)

 

・とにかくくるくる変わる表情がすごく魅力的でした。トートに迫られて怯える表情や、♪私が踊る時♪の最後にトートに向かって勝ち誇った笑みを浮かべるところが特に印象的でした。♪私が踊る時♪のイントロで、すっ…と表情がかげるのも大好きです。

 

・♪私だけに♪は最後のハイトーンは出すのがちょっと辛そうでした。が、1幕ラストの三重唱ラストは圧巻…!!

 

・鏡の間で振り返った瞬間、神々しいまでの美しさと輝きにひれ伏したくなりました。あれは多分、お芝居うんぬんの問題ではなく、誰にも真似できない、花總さんだけが放てるオーラだと思いました。

 

・CDだと♪私が踊る時♪は姫っぽい印象だったんですが、実際に聞いたら結構ドスがきいてたので、個人的には生で聴いた方が好きでした。

 

・もちろん全編にわたって素晴らしかったんですが、歌とお芝居を総合すると、2幕のほうが好きでした。特にルドルフが亡くなった場面は、こちらが呆然としてしまうくらいの熱演。ルキーニに写真を撮られた時の花總シシィの「やめてぇぇぇぇぇ」っていう悲鳴のトーンに合わせて、成河ルキーニが高笑いしてるのを見て、「これは悪夢か…」って私がフランツになりかけたり(謎)かなり地獄を感じるシーンになってました。

 

・クライマックスの♪愛のテーマ♪で、♪泣いた 笑った♪の泣き笑いみたいな表情にぐっと来ました。私はシシィには全くもって共感できないんですが(…というか、この作品の登場人物には、基本誰一人として共感できないんですけど)、やっと自由になれたんだね…良かったねぇ…って、花總シシィの表情を見てそう思えました。シシィ、現世での所業がアレすぎてきっと天国には逝けてないと思うんだけど(勝手な心配)

 

・「自由に生きたい」って願ってたのが、「自由に」という部分だけは亡くなってから叶うというのは皮肉ですよね…。でもあのラストだと、最後にシシィ1人だけが、トートさえ置いてけぼりにしてハッピーエンドを迎えたように思えます。やはり彼女にとって、トートは「救い」だったのかな…?

 

 

【トート:井上芳雄さん】

ザ・黄泉の帝王。圧倒的帝王。圧倒的閣下。(語彙力ゼロ)

 

声の圧がヤバい。逆らったら一巻の終わりです(震)

 

・実は個人的にはあまり好きな声質ではないのですが、あれだけの歌唱力があればもはや声質がどうとかそんな問題はちっぽけで、井上トートが歌いあげるたびに、座席に身体が押し付けられるような圧を感じました。

 

エリザベート開幕前に、日比谷公園でTシャツで爽やか~に歌うのを見ていたので、余計「??」ってなりました。あれは幻だったのか…。

 

・シシィに拒まれても跳ね除けられても全然動じないのが、「人間ではない」雰囲気を醸し出してて怖かったです。超然としてるというか…話通じなさそうだし………。笑

 

・そういえば日本で上演される「エリザベート」は、なんでトートに対して「黄泉の帝王」という肩書きがあるんでしょうか。別にいらなくない…???

オリジナルであるウィーン版だと、ただ単に「死」(der Tod)なので、「ロミオ&ジュリエット」に出てくる「死」みたいなイメージなのかなと思うのですが。確かに日本語にすると「死」って一文字で、「死神」とはまた違うので(「死」という概念ですもんね)、伝えづらいからだと思うのですが、それにしても「黄泉の帝王」ってどうなの…!?ちょっとダサ(以下略)

ちなみに前回・今回と2人のトートを見た印象だと、「黄泉の帝王」だったら圧倒的に井上トート、概念としての「死」なら古川トート、というのが私の中の印象でした。

トートの立ち位置って、考えれば考えるほどよく分からなくなります。シシィの死への隠れた憧れが具現化された姿だそうですが、トートは彼女に好意を抱いているんですよね??となると、トートって自我持ってるってことになるのかな…概念なのに感情を持ってるのか…(混乱)

 

・トートが客席から出てくるシーン、初めて1階席で見ましたが、途中まで特にスポットライトとか当たらないんですね。暗闇の中を存在感無くすーっと歩いてくるのでびっくりしました…。井上さんは舞台上で見るよりも大きく感じたんですが、ブーツ履いてるから185cmくらいになるんですかね。となると、城田トートを客席で見たらどんだけ大きかったんだろう…。

 

♪最後のダンス♪=井上芳雄ワンマンショー。\圧/\圧/\そして圧/でした。

歌声も身のこなしも本当にかっこよくて、許されるならアンコールしたかったくらいです。曲終わりは客席から歓声が聞こえてたし、あの瞬間だけ帝劇がトート閣下のライブ会場になってました。この曲に関しては、絶対的な歌の上手さと迫力でシシィを客席ともどもねじ伏せるみたいな井上トートも、意外性のあるアレンジを効かせてぐいぐい迫ってくる古川トートも最高でした。3回くらい歌ってほしい(シシィが振り回されすぎて大変なことになるやつ)ちなみに歌い方はウィーン版にはなってなかったんですが、井上トートの歌声であのアレンジを聴いてみたいので、いつか歌ってみてほしい~~~(ついでにキーもウィーン版に合わせてほしい~~~)

 

・歌ってる最中に後れ毛の部分が口に入っちゃったらしく、それを払いのける仕草すらセクシーでした。払いのけるだけでその色気ってどういうことですか(真顔)

 

・井上トートは手先の動かし方が最高に美しくて、指先まで最大限に神経巡らせてるのが客席からでもよくわかりました。

 

・1幕で歌う♪闇が広がる♪では、ご自慢の(?)マントでシシィのことをすっぽり包み込んでてなんかかわいらしかったです。トート閣下お2人とも、ちょいちょいかわいさを感じるのは何でなんだろう…。笑

 

・井上トートのアイメイク、個人的になぜかとてもツボです。キリっとシャープに見えて素敵。私自身究極のタレ目なので、ねこっぽい目とかアイメイクにとても憧れます。

 

・あと衣装とウィッグ!!シシィは(たぶん)全く同じ衣装なのに、トートは役者によってそれぞれ全然違うんですね!!(ってこれ今回からなのかな?)開幕前の会見で井上さんがお話されてた「魚の骨」を理解しましたw井上トートはいろいろな装飾がついてて重厚感があるし(着るの重そう)、古川トートはシルエット重視のシンプルな衣装なのかなと。

あと井上トートのウィッグはゴールドベースで明るめ、編み込みも入ってておしゃれでした。イエベな井上トート、ブルベな古川トートって感じなのでしょうか…。

 

手のひらでろうそくの火消す井上トート強すぎんか(めっちゃびっくりした)

 

・井上トートのドクトルはちゃんとおじいちゃんみがありました。あとシシィの胸元のリボンをするする~っとはずす手の動きがエロすぎて、あれはアウトだと思います(真顔)それとリボン外した後にシシィの鎖骨を軽く触るのもアウトだと思います!!!!!

 

・なぜか2幕後半はあんまり印象に残らなかったんだけどなんででしょう…。♪闇が広がる♪とかビッグナンバーもあったんですけどね…。

 

・♪悪夢♪の迫力はすさまじかった…。

 

・劇中は「ザ・帝王」だったのに、カーテンコールになると「トートの衣装を着た井上芳雄」になるのが本当にすごい。何度目かのカーテンコールで花總さんと2人きりで出てきて、客席から歓声が聞こえると「!?!?」みたいなびっくり顔の後にドヤ顔してたし、振り返るときにしゅた!!ってキレのいいターン披露してたし(花總さんがお上品に爆笑してましたw)、本編とはキャラが違いすぎて、切り替えの早さに驚きました。

 

 

【フランツ・ヨーゼフ:平方元基さん】

 ・劇中一番共感できないフランツ…。演じる役者さんがどうというより、そもそもフランツというキャラ自体に私が全く目を向けられませんでした。

 

・あと平方さんの顔が終始某お笑い芸人さんにしか見えなくて…コンタクトがおかしいのかと思ったんですけど、どう頑張っても某芸人さんのビジュアルに見えてしまい…舞台メイクのせいかな…。

 

・そういえば2012年公演では平方さん、古川さん、あとロミジュリでロミオを演じていた大野さんの3名がルドルフ役だったそうで、なぜかその3人でルドルフ写真集みたいなのを出したと聞きました。検索したらちらほら写真出てきたんですが、コンセプト謎すぎてちょっと笑っちゃった…。

 

 

【ルドルフ:三浦涼介さん】

 ・三浦ルドルフ♪ママと~ぼく~は似てい~る♪(激渋ハスキーボイス)

私(ギャップ…!!!!!!)

やっぱり三浦さん、見た目と声のギャップが私の中では結構大きくて、何度見ても最初に「おお…!?」となってしまいます。いつか慣れるだろうか…。

 

・観劇前に見た写真の印象だと、3人の中で一番か弱そうに見えたのですが、実際見たらめっちゃ強そうでした。間違って独立運動成功させてもおかしくないくらい。レミゼで革命成功させそうだった上山アンジョルラスの印象に近かったです。

 

・お顔が西洋画から抜け出してきたような造形美。寸分の狂いもなく作られた精巧な人形のようで、いい意味で現実味がないなぁと。

 

・♪ミルク♪でえらい華奢で顔が小さくてダンスキレッキレな庶民おるな…と思ったら三浦さんでした。あんな庶民いるかーい!!!!!!ダンスのキレがちょっぴり現代風(?)なのですぐわかりました。キャスケットからのぞく茶色い髪の毛の襟足がぴょこぴょこしててかわいらしかったです。

 

・パパ(平方フランツ)より絶対強い(三浦ルドルフ登場時の印象)

 

・あと一人称は「ぼく」じゃなくて「俺」だろうし、シシィのことは「ママ」じゃなくて「おふくろ」って呼んでそうなルドルフでした。愛希シシィだとママが年下になっちゃうのでちょっと心配だったり…。

 

・三浦ルドルフ♪不安で~こ~わ~れ~そうだ~♪

私(壊れなさそう)

 

・「ママも…僕を見捨てるんだね」が、いきなり幼少期に戻ったような声と言い方になってびっくりしました。三浦ルドルフのお芝居、結構好きなポイントありました。

 

・ピストルを頭に当てて引き金を引く直前、ふっと天を仰いで、悲しそうな、さみしそうな、すべてをあきらめたような、それでいてどこかほっとしたような美しい横顔がとても印象的でした。

 

・ところでよくよく考えたら、ルドルフ役の2人(三浦さん、木村さん)はロミジュリではベンヴォーリオとして最後まで生き残るのに、エリザベートでは2人とも亡くなる役で、2人を死に追いやるのがロミオ(古川さん)って…なかなか興味深い配役ですね…。

 

 

ゾフィー香寿たつきさん】

・「エリザベート」を観て泣くことはないだろうなって思ってたんですが、今回♪ゾフィーの死♪でちょっと泣きました。涙ぐみながらハプスブルクの行方を憂う香寿ゾフィーの表情が忘れられませんでした。

 

・ところで♪皇帝の務め♪のゾフィーの軍服風ドレスがめっちゃ素敵なことに気づきました。

 

 

【ルキーニ:成河さん】

・ルキーニ演じてるときの成河さん、ものすごく楽しそうで、私もルキーニ演じたくなります。笑

ちなみに「エリザベート」にもし出られるとしたら、絶対ルキーニ一択だけどなぁ…一番大変そうですが、劇中のおいしいところ結構持っていくし…。

 

・「チャーミングだなぁ」と思える面と「怖すぎる…」としか思えない面を、パッと瞬時に切り替えて出してくるので、本当に芸達者な役者さんなんだなと思います。元々ミュージカル俳優さんではなかったそうなので、歌はあとから身につけたんだと思いますが、それにしてもうますぎるのでは…。

 

・シシィが放浪の旅をするところで、女官たちと一緒に踊るところはマスコットみたいで可愛い…と思いきや♪悪夢♪は完全にいっちゃってて怖い…。

 

・カーテンコールでもちょこちょこ何かやってて、成河さんから目が離せませんwお辞儀しながら、まずは花總シシィのドレスの裾をそーっと直し、次に香寿ゾフィーのドレスの裾をそーっと直してました。後ろに下がる香寿ゾフィーのドレスの裾を持ってあげてて、「あら、そんないいのに~」みたいなことを言ったらしい香寿さんに対して「いやいや僕持ちますよ~~」みたいな返しをしてました。あと手の振り方がヘンテコでした。笑

 

 

【少年ルドルフ:大橋冬惟くん】

・4人キャスティングされている少年ルドルフの中で最年少らしい大橋くん。すっごく幼くてかわいい反面、あの声で「ママー!」って叫ばれると胸が痛かった…。

 

・三浦ルドルフとのルックスの親和性は120%!少年→青年に違和感のない組み合わせだなと思いました。