Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

2019.05.11 ミュージカル「キンキーブーツ」:最高のお芝居が最高のミュージカルを作る

 


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心の安寧を保つために2年に1回は絶対やってほしい(無茶ぶり)

終演後すぐに三浦ローラ、小池チャーリー、プライス&サンとエンジェルスのみんなにまた会いたくて会いたくて震えました(重)(古)


今回は2階席だったため、舞台との距離感はありましたが、それでも充分楽しかった!!そして「キンキーブーツ」それぞれ1階席、2階席、3階席(は初演ですが)で観劇できました。結論から言うと、やっぱり1階席が一番良かったです。最後一緒に盛り上がれるし…。ゆったり観られるという意味では、2階席もなかなか良かったです。雰囲気に置いていかれることもなく楽しめました!

 

以下、全体的な感想と印象に残ったところをメモ書きしていきます。

 


・東京公演の千秋楽前日だったからか、熱量がものすごかったです。特にお芝居が本当に素晴らしかった。
「キンキーブーツ」はきらびやかな衣装だったり、キャッチーな歌やダンスが注目されがちですが、「最高のお芝居」があるからこそ「最高のミュージカル」になるんだなぁと、当たり前のことですが改めて感じました。お芝居が無かったら、ただのショーになっちゃうもんね…。

そういう意味では、初演はショー寄りのミュージカルだったな〜と。歌もダンスも最高でしたが、歌詞もセリフも聞き取りづらくて、伝えたいことが客席に100%伝わってなかったような気がします。

今回も相変わらず話のテンポは速かったけど、言葉を丁寧に伝えている印象でお芝居の要素が強くなってて、これぞミュージカル!になっていたと思います。同じ演目の初演と再演を見るのは初めてでしたが、出演者がほとんど変わらないこともあり、1つの作品とそこに集う役者さんたちが進化する姿を見られたのは、個人的にとても嬉しかったです!

 

・お芝居のシーンで特に凄まじかったのは、2幕のチャーリーとローラの言い合いのシーン。前回見た時も印象的なシーンでしたが、今回は「…本気で喧嘩してる?」ってくらいリアルで痛々しかったです。売り言葉に買い言葉とはああいう状態を言うのかと。掛け合いのテンポが、もはや台本を読んでそのセリフを覚えて演じているのではなく、あの場面に生きてるローラとチャーリーの喧嘩でしかなくて、言い合う2人のあまりの迫力に、客席も恐ろしいくらい静まり返ってました。


その後、チャーリーが工場のみんなに言い放った「僕は父じゃない!!!!!!!!」という悲痛な叫びに、わけもなく涙が出ました。あのシーンでの小池徹平さんの迫真の演技、本当にすごかったです。

 

・クライマックスでチャーリーを助けに来たローラが、♪2人は チャーリーボーイ 同じ♪と歌い、ハグをし合う姿にも泣きました。チャーリーを見つめるローラの優しいまなざしと、ハグをした時の心から嬉しそうな表情が印象的でした。「2人は実は似た者同士なんだよなぁ…父親の存在とどう向きあうか、ずっと戦ってきた戦友なんだなぁ…」と思ったら涙止まらず。

 

・今回ローラもチャーリーも、よりキャラクターとして深みが増しているように感じました。特に2人にとっての「父親」がどういう存在かをしっかり感じ取ることができました。

ローラは「自分の一番素敵なところを見てくれない父親」に反発して、チャーリーは「田舎町で細々と靴屋を続ける父親」みたいにはなるまいと反発して。でも本当はローラは父親を愛していたし、チャーリーはたとえ自転車操業でも工場のみんなをまとめ上げて靴屋を続けてきた父親を、心のどこかで尊敬していた。そのころが明確にわかるようになっていて、間違いなくメインのお2人の力量が上がったおかげだなと感じました。

 

・父親関連のシーンで言うと、♪Hold Me in Your Heart♪の後、父親に「愛してる」と告げる三浦ローラが、本当に泣き崩れるようにして言ってたのでびっくり。泣けるというよりも「え!?そんな感じのお芝居だったっけ?」と虚を突かれました。

そういえば♪I’m Not My Father’s Son♪でも、三浦ローラは歌いながらぽろぽろと泣いてました。

 

…って書くと涙涙な感じなのですが、この作品は本当にハッピーになれる!!!!!!

現時点で私の中では「アラジン」と同率1位のハッピーミュージカルです。観劇中は、基本的にほっぺたの筋肉ゆるっゆるでニコニコしちゃうので、1人観劇だと完全にヤバい人になってしまうのが悩ましいところであります(真顔)

 

・♪What a Man♪の時のローラが大好き過ぎる件。特に三浦春馬さんの大ファンというわけではないのですが、あの姿に惚れない人がいるのか…???レベルで尊い(拝)お顔に前髪が一束はらりと垂れる感じがも~~~~たまらんです(危険)

色っぽい顔をしたかと思ったら、くるっとターンしてくしゃっとした笑顔になったりするから心臓に悪い…。その表情は反則すぎる…やめてくれ…嘘ですもっとお願いします…って私の心が忙しかったです。笑

あのシーン、工場で働く女性陣とローラが次々ペアダンスを踊るんですが、私もローラと踊りたい~!

 

・♪Land of Lola♪や♪Sex is in the Heel♪の時、三浦ローラはすごく客席をよく見ていて、前方席に座ってるお客さんがローラのセクシービームにやられてるんじゃないかと気が気じゃなかったですね(うらやましい)

言葉でうまく説明できないんですが、例えば舞台上手側から下手側に踊りながら歩いていくときに、顔を上手側に残す感じでそちら側にいるお客さんに視線を送る…みたいな動きが多くて印象的でした。

 

・ローレン役のソニンさんは、実は初演の時すごく苦手だったんですが、さすがにゲネプロの映像を見まくって、CDを何度も聴いてたら違和感なくなりました。笑

あの声は完全に作った声で、その作った声のまま歌うって相当技術ないとできないよな~~という意味で、本当にすごい才能を持った俳優さんなんだと思いました。あと笑いの取りにいき方が完全にプロ。笑

 

・東京千秋楽後、三浦春馬さんが「必ずまた会いましょう!」といったコメントをつけてインスタに投稿されてました。だから再再演があると信じてるよ…!!また絶対に三浦ローラと小池チャーリーに会いたい!!!!!!!!!!!!!

 

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上記レポは観劇当時書いたものです。

 

感想の最後で願った再再演が、この先もしあったとしても、三浦さんのローラで観られなくなってしまったことは本当に残念ですが、「キンキーブーツ」という作品の素晴らしさを教えてくれたこと、初演・再演と心に残る演技を見せてくださったことに感謝しています!