Der Lezte Tanz

観劇、映画鑑賞、読書のキロク。たまにひとりごと。

映画「ワンダーウーマン」:それでも人間は美しく尊い

ワンダーウーマン

監督:パティ・ジェンキンス

出演:ガル・ガドットクリス・パインロビン・ライトダニー・ヒューストンデヴィッド・シューリスコニー・ニールセンエレナ・アナヤ、他

 

(あらすじ)

外界を完全に遮断したセミッシラ島に住むのは、女性だけで構成されたアマゾン族。その中でプリンセスとして育てられたダイアナ(ガル・ガドット)は、アマゾン族最強の女戦士となるべく日々鍛錬していた。

ある日、遮断されていたはずの外界から、1台のプロペラ機が迷い込み、そのまま海に墜落してしまう。ダイアナはとっさに海に飛び込み、溺れかけていたその人を救い上げた。彼女が助けたのは、戦争のスパイをしている軍人・トレバー(クリス・パイン)。ダイアナが初めて遭遇した「人間」そして「男性」だった。ダイアナはトレバーから人間界で起こっている戦争の話を聞き、その戦争の背後にいるのは軍神・アレスであると信じ、人間の世界へと旅立つが…。

 

(感想)

 

*本日続編公開ということで、先ほどまで前作のBlu-rayを観て復習をしておりました。ここでは初見の感想と、本日改めて観た感想を織り交ぜて書いていきます。

 

実は公開当時、日本最速試写会なるものに当選し、当時一般人としては誰よりも速く鑑賞することができていました。(あ、海外在住の日本人の方はおそらく先に観ていたと思いますが)

個人的にDC映画にはあまりいい思い出がなく、特に「スーサイド・スクワッド」で抱いていた期待をめちゃくちゃにされたのはかなりのトラウマでした。あれ予告編が一番面白かったもん(暴言)

 

ワンダーウーマン」も、当時はまだ女性主役のアメコミ映画はMCUでも存在していなかったですし、予告編を観て興味をひかれたものの、「またスースクみたいなことになったら…」と不安しかありませんでした。

 

そのため、最速試写会に応募するときも、超がつくほど正直に「私は今までのDC作品が嫌いです」「が、ワンダーウーマンは気になります」と、応募動機を書いておりました。

 

そんなだったので当選するはずがない…と思いきや、私のバカ正直さをワーナーの懸賞担当さんが買ってくれたのか、はたまた応募総数が少なかったのか(それはないか)、見事当選したという経緯がありました。

 

で、鑑賞した感想ですが。

 

 

めちゃくちゃ良かった(涙)

 

 

正直ストーリーとして目新しいかというとそうでもなかったし、ダイアナが「最後に愛は勝つ~♪」って結論にいきつくのもちょっとずっこけちゃったし、後々考えてみるとツッコミどころもまぁまぁ多い。

 

でもそれを補ってあまりある良い要素がたくさんありました。

少なくとも観ている間、相当のめりこんで観ることができましたし、「あのシーン、もう1回観たいな」と思える場面がいくつかあってBlu-rayを購入したので、私はとても好きな映画です。「無人地帯」を無双状態で歩くダイアナのシーンと、そのあとのドイツ軍フルボッコシーンは何度でも観たい。

 

 

とにかく圧倒的なキャスティング大勝利

 

ワンダーウーマンことダイアナを演じたガル・ガドット。この映画で観るまで全く存じ上げない俳優さんでしたが、ビジュアルも演技もすべてにおいてここまでハマる役者さんなかなかいないのでは…?多分ダイアナを演じるために生まれてきたんだと思う(わりと本気で思ってる)

 

かつて軍でトレーナーをしていた経験が活きているのか、アクションの身のこなしもキレがありますし(とはいえ当時妊娠されていたそうなので、スタントの方に任せている部分が多いと思いますが)、射貫くようなまっすぐなまなざしに映画館のスクリーン越しであっても圧を感じますし、凡人が着たら滑稽にしか見えないであろうあの衣装を、まるで私服のように着こなすプロポーションも素晴らしかったです。どこか気品があるので、アマゾン族のプリンセスという地位も納得。声が低くてハスキーなのも良きかな。

 

逆に初めてトレバーを見たときの視線や、ロンドンの街中に降り立った時の目は、幼い女の子が興味津々であれこれ物色しているようで、一転してかわいらしく見えました。

 

トレバーを演じたクリス・パインは、今まで「スタートレック」シリーズや、「イントゥ・ザ・ウッズ」で観たことがありましたが、正直今回の役が1番好きでした。

プリンセスを迎えに来る白馬の王子様……ではなく、やんちゃなプリンセスに振り回され、彼女を諫めるお目付け役のようなポジションから始まるのが面白かったですし、とてもハマっていました。今まではどちらかというと彼が熱血漢で暴走ぎみな役を演じることが多いような気がしたので。

 

「僕は今日を救う、君は世界を救え」だなんて、なんて素敵なセリフ…!私も一度言ってみたいものです(言われたいじゃなくて、言いたいです)

 

改めて鑑賞してみると、あまりにも愚直なまでに人間(の善の部分)を信じ、混沌とした世界を美しくしようとするダイアナの姿に、涙が出てくるのを通り越してひたすら申し訳なさを感じてしまいました。

 

いたるところに傷つき涙を流し、苦しむ人がいるのに助けられず、自分の力で1つの村を救ったと思いきや、その村が毒ガス爆弾によって壊滅させられてしまうむなしさ。人間の悪の部分をひたすらアレスのせいだと信じていたダイアナの信念は、人間と接すれば接するほど崩れていったに違いありません。

 

それでも彼女が最後に人間のために戦えたのは、彼女が初めて出会った人間・トレバーの、「この苦難に満ちた世界を救いたい」という信念があったから。ダイアナがトレバーの信念も背負えたから、彼女はゴッドキラーとしてアレスと対峙できたのだと思います。

 

お話としてあまりにも美しく着地してしまうので、物足りなく感じる人がいてももちろんだと思いますが、でもこれアメコミ映画だし!!世界を救う英雄が「人間の世界は美しくあるべき」って信じてたっていいじゃん!!

 

続編は近いうちに観に行きます。楽しみだなぁ~!!