Der Lezte Tanz

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ドラマ「半沢直樹 2」:せめてドラマの中だけでも綺麗事がまかり通ってほしい

 

7年前、最終回の視聴率43%という異様な数字を記録し、その年の流行語にもドラマの決め台詞「倍返し」が選ばれた、モンスタードラマ「半沢直樹」。

 

当時最終回放送日にTwitterで流れた、どこかの温泉宿の休憩所に置かれたTVが、すべて「半沢直樹」を映している写真がとても印象的でした。

 

長い空白期間を経て、満を持して今年の春ドラマとして放送………されるかと思いきや、コロナ禍によりまさかの放送延期、制作中断。

 

待ち望んでいたのに…!!とやきもきしていましたが、何とか7月に放送が始まり、昨日無事に最終回を迎えました。

 

www.tbs.co.jp

 

そういえば1度放送できなかった日に、キャスト陣を集めて裏話やNGシーンを放送したのはうまかったなぁ…。役者さんもしっかり話せる人たちばかりだったこともありますが。

 

今作は原作小説を元にしつつも、原作には名前が出てくるのみの、かつての半沢の敵・大和田常務がメインキャラクターとして大活躍。お互い罵詈雑言を浴びせたり、裏切る素振りを見せたりしながら、最終的には手を組んで巨悪を倒す展開は、さながら少年漫画のようでした。

 

おネエ検査官・黒崎や、タブレット福山、女子アナ上がりの白井大臣、半沢のかつての部下・森山にSpiralの瀬名社長などなど、最終回の連携プレーも非現実的ではありましたが、半沢の「倍返し」を成し遂げるために、おのおのが自分の居場所で頑張る姿は爽快でした。

 

そしてクライマックスで半沢が箕部に言い放った言葉。

 

今の日本が不況に見舞われていること。

そんな中でいつかみんなが笑顔で暮らせる日が来ればと、歯を食いしばって耐え忍ぶ人たちがいること。

政治家とは、そういった国民を支えることが仕事であること。

 

現実世界の政治家が聞いたらきっと鼻で笑うんでしょう。「そんな綺麗事、簡単に通用するわけないだろう」と。

 

半沢直樹」がここまで支持されるのは、正義が必ず勝つというお約束の展開もそうですが、せめてドラマの中だけでも、青臭く聞こえる綺麗事がまかり通る世界であってほしいと願う人が多いからかもしれません。

 

今の日本が「まとも」であれば、きっとこのドラマがここまで熱狂的に流行ることもないんだろう…と思うと、なんだか複雑な気持ちにもなりました。

 

何はともあれ、コロナ禍の中で最後まできっちり制作・放送してくださってありがとうございました!!